一体なぜ?関西で駐車場をモータープールと呼ぶワケとは
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
関西では駐車場を表す言葉として、モータープールという言葉が一般的に使われていますが、なぜモータープールという呼称が使われるようになったのか、関西地域のみで使用されるのかについては興味深い背景があります。
関西地域でモータープールが使われる理由とその由来についてみていきます。
関西でモータープールと呼ばれる理由とは?
関西では、駐車場を表すためにモータープールという呼称を使用します。
関西においてモータープールという呼称が一般的に使われる理由は、関西の言語文化や地域の歴史に関係しているとされています。
関西の方言として知られる関西弁は、独自の言葉や表現が数多く存在し、関西の人々のコミュニケーションに深く根付いています。
関西では他の地域と比べて、車文化や自動車産業に強みがあり発展してきた歴史があります。
そのような歴史の中で、駐車場をモータープールという言葉で表現することが浸透し、一般的に使用されるようになったと考えられています。
しかし現在では、全国的にモータープールという呼び方をする人は減少しており、関西でも若い世代の間ではほとんど使われていないようです。
また、モータープールはすべての駐車場を表す言葉ではありません。コインパーキングとは少し意味が異なり、有料の月極駐車場を指して使用されることがほとんどのようです。
これは駐車場が発展してきた歴史も関係しており、昔からある月極駐車場はモータープール、昨今の小規模駐車場はコインパーキングと呼ばれる傾向にあります。
モータープールと呼ばれるようになった由来とは
モータープールという言葉が関西地域で使われるようになった由来について、明確な起源は特定されていませんがいくつかの説があります。
1945年以降の戦後の日本には、アメリカ軍が駐留していた時期がありました。その際、アメリカ軍が使用する自動車の駐車場を表す言葉として、モータープールという表現が一般的になったという説があります。
アメリカ軍の文化が関西地域に定着し、その後も一般的に使用されるようになったのではないかと考えられています。
また、関西地域は古くから商業や交通の拠点として栄えてきた地域であり、車が交通手段として普及していたことも関係しているかもしれません。
こういった地域的な背景から、駐車場を表す言葉としてモータープールという表現が定着した可能性も考えられます。
ちなみに、関西とは異なり東京など他の地域ではモータープールという呼称はあまり使用されず、一般的には駐車場やパーキングといった呼称が主流です。
しかし、モータープールが使われるようになったのは戦後GHQの本部が置かれていた東京だとする説もあります。当時の本部周辺の駐車場は軍部の人間からモータープールと呼ばれており、東京でも駐車場を表す言葉として使われていたようです。
ただ、なぜその後に関西を中心に利用されるようになったのかについては明確にわかっていません。
しかし、関西地域の人々は地域の言語や文化に誇りを持っており、関西弁や関西独特の表現を大切にしています。
そのため、地域に根付いた言葉や表現が愛され、使われ続けることがあります。
モータープールもその一つであり、関西地域の特色を反映した言葉として親しまれています。
文化や地域的な背景がこのような呼び方の違いに影響を与えている可能性も考えられるでしょう。
なお、英語の”motor pool”は複数の意味がありますが、駐車場を表す言葉ではありませんので、英語圏で使わないように注意しましょう。
正確には軍隊や組織が保有する車両の管理や駐車場を表す言葉であり、日本の関西地域で使用されるモータープールとは少し異なる意味を持ちます。
英語圏では駐車場のことをparking lot、car parkと呼び、motor poolは使われません。
日本でも駐車場という呼称にくわえ、コインパーキングと呼ばれることも増えてきており、正しい英語の表現に近づきつつあります。
このように、関西地域におけるモータープールという呼び方の特異性や由来については、明確な根拠がなく説明が難しい部分もあります。
しかし、関西地域においてはモータープールという言葉が駐車場を表す一般的な表現として定着していることは事実です。
関西地域における言語や文化の多様性や独自性が、このような言葉の使い方にも表れていると言えるでしょう。
関西で駐車場を探す際には、地域特有の表現であるモータープールという言葉を覚えておくと便利かもしれません。
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