「うわっ知らなかった」「そんな使い方が…」多くの人は活用してないかも。クルマの快適性をアップさせる裏技。│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「うわっ知らなかった」「そんな使い方が…」多くの人は活用してないかも。クルマの快適性をアップさせる裏技。

「うわっ知らなかった」「そんな使い方が…」多くの人は活用してないかも。クルマの快適性をアップさせる裏技。

車内の空調は、車種や乗車人数によって偏りが生まれやすい。前席は快適でも、後席だけ妙に風が届かない――そんな経験を持つ人は多いはずだ。そこで注目したいのが、ヘッドレストの支柱や車内の好きな場所に取り付けられる小型ファンだ。思いどおりに送風方向を動かせる自由度の高さは、車内の快適性を大きく底上げする力を持つ。今回は星光産業の2種類のファンを取り上げ、その実用性と使い勝手を深掘りしていく。

●文:月刊自家用車編集部

ヘッドレストを“風の発生源”に変える発想

ヘッドレストの支柱にファンを取り付けるというアイデアは、初めて見たときけっこう衝撃的だった。座席まわりの中でも存在感が小さく、ほぼ“空白地帯”として扱われがちな支柱が、じつは風を送るための最適なポジションだったという事実に気付かされる。前席にも後席にも風を届けやすく、固定力も高い。そのうえ、車内の邪魔になりにくいという条件までそろっている。

星光産業「EE-111 ヘッドレストファン」は、この絶妙な位置関係を最大限に活かしたモデルだ。専用のクリップを支柱に挟むだけというシンプルな取り付けで、わずか数秒の作業で設置が完了する。シャフト間隔の許容範囲も広く、多くの車種で使える汎用性を持つのも嬉しいところだ。

EE-111 ヘッドレストファン[星光産業]

USB電源式で、長さ約2mのコードとUSBソケットが付属。古い車種でも問題なく使えるように配慮されており、ユーザーの“電源事情”を選ばない懐の深さがある。

EE-111 ヘッドレストファン[星光産業]のパッケージ(表面)

EE-111 ヘッドレストファン[星光産業]のパッケージ(裏面)

自由度の高いアームが生み出す送風の幅

取り付けかたは至って簡単。ヘッドレストの支柱に取付フックをセットするだけ。

このモデル最大の魅力とも言えるのが、ファンを支えるアームのしなやかさだ。まるで生き物のように自由に曲がり、前席にも後席にも自在に向けられる。その動きはまさにフレキシブルという言葉がふさわしい。

運転者に向けて、両サイドから送風することもできる。

後部座席に人がいない場合は、運転者用として使用することも可能。

前席に向けた場合、運転者の顔の両側から均等に風を届けることができる。車のエアコンは基本的に前方のダッシュボード周辺から吹き出すため、顔まわりの風量が物足りないと感じる人も少なくない。そこでこのツインファンがサイドから補助することで、局所的な涼しさや暖かさを生み出せる。

後ろに向けて後部座席用にも使える。

逆に、後席に人がいる場合はファンを後方へ向ければいい。ヘッドレストの位置は後席の顔に近いため、少ない風量でも効果が出やすい。2つのファンをそれぞれ別方向へ向ける使い方も可能で、ひとつのアイテムで前席と後席の快適性を同時にカバーできる。車内空間における“風の通り道”をユーザー自身が作れるというのは、思っている以上に便利だ。

送風能力もしっかりある。

小型ファンというと風量に不安を感じる人もいるかもしれないが、このモデルは風量3段階を備え、最大設定では十分な力強さを体感できた。コントロールスイッチはコードに内蔵されているため、手元で操作しやすい位置に置いておけば迷うこともない。

後席まで風が届きにくい車は意外と多く、特に背の高いミニバンやワンボックスではこの問題が顕著だ。そんな車種でも、このファンを追加することで空気の循環が改善され、体感温度に大きな差が生まれる。

車内環境は“全員が快適”になって初めて理想形となる。その意味で、EE-111は運転者だけでなく、同乗者の満足度まで底上げするアイテムと言える。

どこでも使える万能クリップ型という選択肢

もうひとつ紹介したいのが、同じく星光産業の「EE-114 クリップタフネスファン」だ。こちらはヘッドレスト専用ではなく、車内の好きなところに挟んで使えるタイプ。ダッシュボードの端やアシストグリップ付近、センターコンソール、シート横など、取り付け場所はアイデア次第でいくらでも広がる。

クリップタフネスファン

クリップの保持力は高く、多少の振動ではビクともしない。ファンの角度調整は2つのジョイントで実現しており、風向きを細かく調整できる。細やかに動く首振りは、車内のちょっとした死角へ風を届けるのにぴったりだ。

クリップ式でどこでも使用可能。

USB給電式でコードが約3mと長く、電源位置に縛られずレイアウトできる柔軟性も大きな魅力。広い車内やトラックのキャビン、後席メインの使い方をするユーザーにも向く。

取り付け場所を選ばない自由度が魅力。

このモデルの特徴として忘れてはいけないのが、約30秒間だけ風量を一気に上げる“ブーストボタン”だ。乗車してすぐのムッとした空気を一瞬で動かしたいとき、この機能はかなり役立つ。必要なときにだけハイパワーで使えるため、小型ファンにありがちな“じわっとしか効かない”という弱点をきれいに補ってくれる。

風量自体も十分に強く、送風能力に関しては不満を感じる場面がほぼなかった。一般的な小型扇風機は風の直進性が弱いものもあるが、このモデルは風をしっかり届けてくれる。SUVやバンなどの広い室内でも頼りになる存在だ。

車内だけに留まらない“使い道の多さ”

EE-114は、電源さえ確保すれば屋外でも室内でも使える。モバイルバッテリーに接続すれば車外でも動かせるため、キャンプや車中泊でも活躍する。洗面台でのドライヤー補助や、デスク周りの換気にも使えるなど、車用品の枠を超えた使い勝手を持つアイテムだ。

無骨寄りのデザインも特徴で、アウトドアギアと並べても違和感がない。シンプルで丈夫そうな見た目は、キャンプ道具の“仲間感”がある。車中泊仕様のバンや、荷物が多いトランスポーター系の車種にも馴染みやすいだろう。

“車でも家でも同じ道具を使いたい”というミニマル志向のユーザーにもぴったりだ。

2種類のファンが示す“車内快適化”の方向性

ヘッドレストファンとクリップタフネスファン。この2つに共通するのは、どちらも“風をどこへ届けるかをユーザーが決められる”という点だ。車のエアコンは構造上、風向きや風量に限界がある。しかし補助ファンを追加することで、その弱点を補完し、車内の温度ムラを解消できる。

特に、同乗者の快適性はドライブの満足度に直結する。前席だけが涼しくても、後席が暑ければ車内の雰囲気は微妙になる。逆に全席がちょうど良い環境になれば、移動中の疲労感は驚くほど軽減される。

送風方向を細かく調整できるEE-111と、取り付け自由度が極めて高いEE-114。どちらも車内空間をアップデートする力を持つ。用途に応じて選べば、どの季節であっても理想の空気環境を作り出せるだろう。

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