
日本各地には、どういう意図でそのようなデザインになったのか、ぱっと見ただけではわからない、奇抜な建物が数多ある。今回は、岐阜県郡上市にある、不思議なデザインの建物を訪問。すると、このデザインにはちゃんと意味があったことが理解できたのだが…。[ドライブでドコ行く?]
●写真/文:ジパングツーリズム編集部
名は体を表さない。かつては中心だった「まん真ん中センター」
運転が楽しくなる目的地を紹介!「ドライブでドコ行く?」。今回は、岐阜県にある奇抜なデザインの建物を紹介しよう。
日本の真ん中とはドコだろう? 定義によって答えは様々。現在、なんと約30もの“真ん中”が各地にあるのだ。そしてこの施設もその一つ。しかし正確に言えば“真ん中だった”場所である。場所は岐阜県郡上市。かつての美並村だ。
この地の“真ん中”とは日本の人口重心地。つまり、国民全ての体重が吊り合う場所という意味だ。平成7年の国勢調査にて美並村が人口重心地だと判明。そこで、それを記念して平成9年に建てられたのがこの“日本まん真ん中センター”である。ちなみに総工費は22億円!
これで観光客大挙で濡れ手に粟!…かと思いきや、国勢調査は5年に1回。平成12年の国勢調査で呆気なく人口重心地ではなくなってしまった美並村。日本の中心だったのはセンター竣工後たった3年の間だけだったというなんとも虚しい結末に…。
ちなみに特徴的な外観はセンター全体が日時計として設計されているため。なのだが、なぜ日時計なのかは不明。現在は観光客皆無の観光施設として維持されている。
施設内に入ると、様々な展示があった
特徴的な巨大な日時計の先端は建物中央部に立つ。が、実は接地していないのがミソ。微妙に浮かして固定しているのだ。
施設内に入ると、日時計であったことが判明。
内部は多目的ホールと共に日時計の歴史や文化についての展示がある。“日本の真ん中”との関連は不明だが、それを問うのは野暮というもの。ありのままを受け入れて楽しむ、がこの手の施設の楽しみ方だ。
入口にはセンターの詳細を紹介するマシーンが。だが現在破損しているようで全く動かない。しかしそれでいいのだ。ありのままを楽しむ。それがいいのだ。
“円空像”で有名な江戸期の彫像作家円空は美並周辺に多数の作品を残している。館内には円空”風”の像も展示中。素晴らしい。
ご覧の通り、広大な駐車場は日曜日でもがらんとしている。好きなスペースに停め放題。こういった施設は空いているので、ドライブの目的地としても最適だ。
それでも運営されている。そこがかっこいいのだ。
普通に考えれば、赤字運営のはずだ。それでも閉められずに、運営されている。人が来ようが来なかろうが関係ない。運営されている。そこに底知れないプライドのようなものを感じてとてもかっこよく見えてしまう。ロートルの意地のような。空威張りのような。なんとも愛らしいではないか。
日本各地に残るバブル遺産と呼ばれるこの手の施設。たまには趣向を変えてお出かけしてみてはいかがでしょうか。筆者はこういう所、好きですねぇ。いつまでも現役を貫き通してほしい!
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