福島発“水素ツーリズム”が示す未来【走って・作って・癒す、新しい旅のかたち】│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

福島発“水素ツーリズム”が示す未来【走って・作って・癒す、新しい旅のかたち】

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福島・浪江町の一角に、再生可能エネルギーで水素をつくる世界最大級の施設がある。この水素が、キッチンカーを走らせ、料理を作り、人を運び、旅を癒すエネルギーになるとしたら!? 福島から始まった“水素ツーリズム”は、地域再生と持続可能な社会の希望を乗せて走り出していたのだ。

●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久/月刊自家用車編集部 ●BRAND POST提供:トヨタ自動車株式会社

世界最大級の水素工場が、再生可能エネルギー世界をバックアップ

2020年、福島県浪江町に誕生した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」。約18万㎡の広大な敷地に設置された20MWの太陽光発電と、10MWの水素製造装置が一体化したこの施設は、再生可能エネルギーによって“水素をつくる”世界最先端の拠点だ。

福島県浪江町にある世界最大級の水素製造拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」。1日あたりの水素製造能力は、水素で動く燃料電池自動車約560台分、または、約150世帯の電力1か月分の電力に相当する。

FH2Rの最大の特徴は、蓄電池を使わず、水素というエネルギーキャリアを用いて電力の需給バランスを調整するシステムにある。

太陽光が強く発電量が多いときには水を電気分解して水素を製造・貯蔵。電力需要が高まるタイミングにあわせて水素を使うという仕組みだ。理論上、無限に繰り返せるこのサイクルこそが、カーボンニュートラルの鍵といえる。

この水素を「つくる」だけでなく、「はこぶ」「つかう」までを地域で実践しているのが、「なみえ水素タウン構想」だ。

「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された水素を充填できる浪江水素ステーション。株式会社・伊達重機が運営。初代MIRAIの試乗も可能という(30分無料)。

町の公用車には燃料電池車「MIRAI」が配備され、イオン東北と連携したFC移動販売車(燃料電池ハイエース)も導入。さらに、スクールバスとしてFCコースターを活用するなど、地域の足も着実に“水素化”が進んでいる。

この「福島発」の水素社会の実現に貢献したいと参画しているのが、マルチパスウェイを念頭に早くから水素の可能性に着目し、燃料電池車や水素エンジン車の開発に注力していたトヨタ自動車だ。

水素社会の未来像を「食と観光で実感できる」ツアーを開催

その中でも異彩を放つ存在が郡山観光交通とトヨタが開発した「燃料電池キッチンカー」だ。走るだけでなく、料理を作る電源もすべて水素から供給されるこの車両は、「つかう」機能を持った究極のモバイルユニット。2023年から本格的に運用が始まり、2025年には地域ツーリズムと結びついた新たな展開もスタートしている。

燃料電池キッチンカーは、水素を燃料として走る、排ガスゼロの次世代型車両です。走行に必要な動力だけでなく、調理機器(IHクッキングヒーター、冷蔵庫など)への電力もすべて車載の燃料電池から供給。エンジン音がなく静かで、CO2も排出しないため、自然豊かな場所や街中でも環境に配慮した調理が可能というメリットを持つ。詳細はこちら→https://jikayosha.jp/brand/2025/08/26/271535/

その取り組みのひとつとなるのが、郡山観光交通の関連会社「孫の手トラベル」が手がける「水素ツーリズム」だ。

旅の舞台は浪江町で、参加者はFH2Rをはじめ、町内の水素ステーション、純水素で沸かした湯が楽しめる「福島いこいの村なみえ」などをめぐり、水素がもたらす地域の変化を肌で感じていく。そして旅のクライマックスには、例の“静かなキッチンカー”が登場。自然に囲まれたロケーションで、旬の食材を使った料理が振る舞われる。

郡山観光交通(株)の関連会社、(株)孫の手が運営する地産地消レストラン:「Best Table」。取材に伺った「Best Table」で提供されていたランチメニューの「農園野菜のサラダプレート」。これ以外にもメニューは豊富で、ほとんどのメニューが燃料電池キッチンカーで提供出来るとのこと。

〒963-8024
福島県郡山市朝日1丁目14-1
TEL:024-983-3129 火曜日定休
https://magonotetravel.co.jp/besttable

この体験を通して山口社長が目指すのは、「美味しい料理を楽しんでいたら、実はそれが水素で動いていた」という、さりげないサステナビリティの浸透だという。

「水素に詳しくなくても、水素社会に触れている」そんな旅が、未来の日常になることを信じている。

五感で“旬”を味わい、地域の自然と向き合い、そしてエネルギーの未来を知る──。

福島発の水素キッチンカーは、単なる乗り物ではない。食と観光、そして希望を載せた“未来のメッセンジャー”として、今日もどこかで誰かの感性に静かに火を灯しているようだ。

旅のお供:クラウン 70周年特別仕様車(FCEV)

今回の取材で使用したクラウン 70周年特別仕様車(FCEV)は、同じプラットフォームを使用するMIRAIより全長も全幅も大きいことに加え、アグレッシブなフロントマスクやボディラインもあって、トヨタのフラッグシップにふさわしい風格を持つ。

特別な加飾がプラスされていることも魅力のひとつで、バイトーンのボディカラーや、さりげなく入った「70th」のロゴ入りサイドデカール、マットブラック塗装のホイールにより特別感がプラスされている。

インテリアもシックで上質な特別設定色のブラックラスターと杢目調パネルで、シフトノブやダッシュボードなどにも記念ロゴがあしらわれている。

走り出すと、路面に吸い付くようにしっとりとした接地感とともに、スルスルとなめらかな加速による極上のドライブフィール。室内の静粛性が高く、低重心で直進でもカーブでも安心感が広がる。ここぞというところでは会心のパワフルさを発揮し、ワインディングで右へ左へのカーブが続いても、巨体を感じさせない身のこなしに驚いた。まさに、クラウン70周年の集大成を独り占めするような贅沢な1台だった。

今回の福島取材に使用したのは、クラウン 70周年特別仕様車(FCEV)。燃料電池自動車において世界最高レベル(128kW)の高出力を実現する燃料電池ユニットを搭載。3本の高圧水素タンクを搭載し、ガソリン車並みの航続距離を実現。

特別仕様車 Z “THE 70th”(燃料電池車)
全長5030mm×全幅1890mm×全高1475mm、ホイールベース:3000mm、FCスタック最高出力:128kW、燃料種類:圧縮水素、モーター最高出力/最大トルク:134kW/300Nm、WLTCモード燃料消費率:148km/kg 車両本体価格:855万円 

5月22日に発売されたばかりの誕生70周年記念特別仕様車は、特別内装色ブラックラスターを設定し、インパネ/センターコンソール/ドアトリム部分の杢目調パネルがブラック化。助手席側インパネ部(専用レーザー加飾)やシフトノブ、クラウン専用キーなどに「THE 70th」のロゴがあしらわれている。

プレミアムナッパ本革シート表皮やシートヒーターの採用は標準車と変わらない。ロングホイールベースがもたらす室内空間の余裕はロングドライブ時の疲労軽減に役立つ。

バイトーンのボディカラーをメーカーオプション設定。今回の試乗車はプレシャスメタル×プレシャスホワイトパール。

マットブラック塗装を施した20インチアルミホイールも標準装備される。

※提供:トヨタ自動車 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。