
街乗りからアウトドアまで幅広く活躍するスズキ・エブリイワゴンをベースに、マリナRVが手がけた軽キャンピングカーが「キャビン 2mini Frozoo」だ。ルーフボックスや網戸、クーラーなど快適装備を備え、釣りやキャンプはもちろん、ペットとの旅やリモートワークにもフィットする一台。日常と非日常をつなぐ“移動するリビング”として、新しいライフスタイルを提案する。
●文:月刊自家用車編集部
ベース車はスズキ・エブリイワゴン/キャビン 2mini Frozoo(マリナRV)
ベースとなる車両はスズキ・エブリイワゴン。街乗りからアウトドアまで幅広く使われる軽ワゴンをキャンピング仕様に仕立てたのが「キャビン 2mini Frozoo」だ。釣りやキャンプといったアクティブな趣味のユーザーに人気が高い軽バンコンは、キャンピングカーイベントでも常に注目を集める存在となっている。全長がコンパクトな軽自動車だからこそ取り回しが容易で、日常使いから休日の遊びまでを一台でこなせる点が大きな魅力といえる。
軽キャンパーのベース車両としてエブリイを選ぶメリットは多い。もともと室内空間が広く、シートアレンジの自由度も高いため、居住空間を快適に作り込みやすいのだ。さらに、燃費性能に優れているので、長距離の移動も気兼ねなく楽しめる。都市部での普段使いに加え、週末はそのまま郊外へ出かけられる「オールインワン」的な存在になっている。
軽キャンならではの積載性と工夫
軽自動車ベースと聞けば「荷物の積載量に不安があるのでは」と考えるユーザーも多いだろう。しかしキャビン 2mini Frozooは、その点でも工夫がなされている。車両上部には大型のルーフボックスが備え付けられており、かさばるキャンプギアや釣り道具も難なく積み込むことが可能だ。これによって車内のスペースを圧迫せず、ゆったりとした居住空間を確保できる。
さらに、アウトドアシーンで欠かせないのが換気性。夏場など暑さが厳しいシーズンには窓を開け放したくなるが、虫の侵入を防ぐための網戸が用意されているのは嬉しいポイント。夜間でも安心して風を取り込みながら眠ることができるので、キャンプ場や道の駅での車中泊も快適に過ごせる。こうした細やかな配慮が、軽キャンならではの「使える空間」を実現している。
快適性を高める装備とレイアウト
車内にはクーラーが完備されており、猛暑日であっても安心して過ごせる。軽自動車ベースのキャンピングカーでは、冷房環境が不十分な車両も少なくないが、このモデルは家庭用エアコンに近い快適性を実現。炎天下の中でもペットや子ども連れのユーザーにとって安心感が大きい。
また、絶妙な高さに設定されたテーブルも特徴的だ。キャンプ時の食事はもちろん、リモートワーク用のデスクとしても十分に活躍する。椅子に座ったときの自然な姿勢を保てるため、長時間作業しても疲れにくい。さらに座面下には収納スペースが確保されており、タオルや衣類、調理器具などを整理して収められる。小さな工夫の積み重ねが、軽キャンでありながら驚くほどの快適性をもたらしている。
電装系のレイアウトと利便性
キャビン 2mini Frozooの特徴のひとつが、電装系を床下にスマートに格納している点だ。車内の限られたスペースを最大限活用するため、バッテリーや配線類を視界から隠すことで、居住空間をすっきりと保っている。利用者にとっては、車内でくつろいでいるときに機器類が邪魔にならないのは大きなメリットだ。
さらに、ベッドマットは座面ごとに簡単に取り外しが可能で、必要に応じて走行用の座席をすぐに起こせる。普段はキャンピングモードで使い、移動時には通常のシートアレンジに切り替える、といった使い分けが容易である。こうした柔軟性が、日常とレジャーをシームレスにつなぐ要素になっている。
ペットとの旅にもぴったり
展示車両には動物のぬいぐるみが置かれていたが、これはペットとの旅行をイメージした演出でもある。コンパクトな軽キャンは、ペット連れにとって移動や滞在の負担が少ない。エアコン完備で温度管理がしやすく、窓の網戸もあるため安心して車内に一緒にいられる。収納スペースを上手く活用すれば、ペット用品もすっきり収められるだろう。愛犬と一緒にキャンプや釣りに出かけたいと考えるユーザーにとって、この車両は現実的な選択肢になり得る。
軽キャンがもたらす新しいライフスタイル
キャビン 2mini Frozooは、単なる軽キャンパーという枠を超えて、アウトドアと日常をつなぐ「移動するリビング」のような存在だ。都市部でのコンパクトな利便性と、自然の中での快適な滞在性を両立させており、これまでクルマと遊びを分けて考えていた人々にも新しい選択肢を提示している。
リモートワークやワーケーションのスタイルにも相性が良い。お気に入りの自然環境に車を停め、快適な空間で仕事をこなし、終わればすぐにアウトドアを楽しむ。そんな「日常と非日常の融合」を可能にするのが、この軽キャンパーの魅力といえる。
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