
株式会社BH AUCTIONは、和歌山県かつらぎ町の人気アウトドアショップ「Orange」とコラボレーションしたオークションを、日本最大級のネットオークションサービス「ヤフオク!」で、2023年1月16日(月)から22日(日)まで開催する。出品されているのは「Orange」を経営する池田道夫さんがコレクションしていた、アウトドアを感じさせるオシャレなヴィンテージカー(13台)だ。
●文:月刊自家用車編集部
海外での受賞歴を持つ、計り知れない価値の希少種
「ベッドフォード CA ドーモービル」は1952年から1969年にかけて製造された、当時のイギリスを代表する商用車「ベッドフォード CA」をベースにキャンピング仕様に仕立てられたモデルだ。仕様変更は、馬具製造業にルーツを持つコーチビルダー「ドーモービル」が手掛け、美しさとレトロなかわいらしさを併せ持った唯一無二の魅力を持つ車両となっている。
当個体の大きな特徴となるのが、フロントガラスが2枚に分割している初期型ということ。「ベッドフォードCA」はロングセラーモデルではあるが、このフロントガラスは初期型にのみ採用され、世界的に非常に希少価値が高いことで知られている。無論それは日本においても同様で、国内で確認できる個体はこれ以外に見つからない。
しかしその希少性もさることながら、この車が持つ最大の魅力は、辿ってきた由緒正しき歴史であるかもしれない。この個体は、約20年前に大幅なレストアが実施され、当時においても現存する「ドーモービル」の中で、屈指の美しさを放って注目を集めた。
その知名度は次第に大きくなり、さまざまな雑誌でこの車の特集が組まれ、紙面を彩った。カーショーでもその圧倒的な存在感で多くの人々を魅了する。希少なクラシックキャンピングカーが多数参加する「Classic Camper Club」に参加した際には、2008年度「ベストパネルバン」、そして「最優秀賞」の二冠を獲得した。2009年から1年間は、大手ファッションブランドである「Diesel」によって所有された後、ドイツ在住の前オーナーの元に渡ったと思われる。
状態に関しては、池田氏が特に思い入れが強い車というだけあって、購入時からほとんど手を加えずに大切に保管してきたという。
最大の特徴とも言えるアコーディオンのように展開するポップアップルーフも問題なく可動し、側面にあしらわれたキャンディストライプの柄がブルーのボディカラーとマッチして爽やかな印象を与えてくれる。ただ、天窓に関しては輸入時に痛みが進んでいたらしく、ワンオフで新たに制作したガラスへと変更されている。
内装にはコンロ、シンク、木製のテーブル、4座の独立した通称” Dormaticシート”を装備している。しかし、コンロは当時の規格のままとなっているため、このままで実際に使用するのは難しい。
エンジンは1507cc、ミッションは3速コラム式が採用されている。実際に走行するにはブレーキの修理、バッテリー交換が必要となるが、それを除けば全体的な状態の良さもあり、少し手を加えれば元気に走ってくれるだろう。
さまざまなオーナーを渡り歩き、それぞれの時代と人生を乗せて走ってきた、由緒正しき車。また新たなオーナーのもとで、歴史の続きを刻んでほしい。
出典:BINGO
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
※特別な表記がないかぎり、価格情報は消費税込みの価格です。
よく読まれている記事
筆者が何も知らずに給油していた際に「それ間違ってるよ」と、妻から指摘を受けたのは給油口のキャップの取り扱い。気にもとめていなかった”あの場所”の使い方を実際に聞いてみたところ「なるほどな」と思ったので[…]
サクラチェッカーで警告された、車内の小さなホコリなどを除去できる、ジェルタイプのクリーナーを実際に購入。触ったときのベタつきや掃除用具としての性能面はどうなのか、実際に使って気になるところをインプレッ[…]
古いクルマはもちろんだが、新車でも路面から伝わる振動やノイズがまったくゼロというわけにはいかない。そこで、この振動やノイズをもっと低減してくれるグッズが発売された。しかも、振動が伝わりやすい部分の結合[…]
様々な家電をそのままキャンプに使えたら! の夢を実現したオートワンの電化キャンパー。ジャパンキャンピングカーショー2025では、アウトドア感ムンムンの新作軽キャンパーが展示されていた。その名は『給電ベ[…]
キャンピングカーは欲しいけど、駐車スペースの関係で大型車両は無理。それならば一般車がベースの車両はいかがだろうか。特に軽バンをベースに考えれば取り回しはバツグンに良い。今回はイベントで見つけたダイハツ[…]
最新の記事
- 「スバル・ホンダ・ダイハツ・スズキの仁義なき戦い」「売れるのは一等賞のクルマ」市販車初のリッター100馬力を実現!語り継がれる伝説[スズキ フロンテ シリーズ]
- 「ファンには堪らない、直筆サイン入り」マクラーレンF1、9回目のチャンピオン獲得を記念したメモリアルモデル「MCL38 セレブレーション・エディション」登場
- 「危険度95%」「ヤバすぎるだろ…」サクラチェッカーが、バチバチに警告する「カー用品」をAmazonで購入して使ってみた。
- 「当時の国産車の中では抜群の空力特性を実現したエアロデザイン」性能を追い求めるあまり奇抜さが際立った悲運のクルマ[SUBARU アルシオーネ]
- ピカピカの車に「泥水」かけたら…嘘でしょ?「ボディだけじゃない」「黒樹脂まで…」とんでもない撥水。驚きの艶と撥水は開発期間5年。
- 1
- 2