
日本のキャンピングカーはバンやミニバンなどのベース車を改装したバンコンバージョンタイプが人気。多くはキャンピングカーの専門店などがオリジナルモデルをリリースするが、大手自動車メーカーも特装車を用意している。その一つが日産のNV200バネット マイルームだ。まるでタイヤのついた居心地の良い部屋のような日産渾身のキャンピングカーを紹介しよう。
●文:月刊自家用車編集部
海でも山でも自分の部屋のようなゆったりくつろげる空間で過せる!
NV200バネット マイルームは、キャラバンマイルームに続く日産が新たな車中泊のカタチを提案するマイルームシリーズの第2弾だ。
日産のマイルームシリーズはジャパンキャンピングカーショー2025をはじめ各地のキャンピングカーイベントで注目を集めている。
NV200バネット マイルームのコンセプトは“MY ROOM into the Nature”。自分の部屋を自然の中にもっていこうという発想で、とにかく部屋のようにゆったりくつろげる空間にこだわった内装が特徴だ。
ベース車は日産 NV200バネット DX。2WDと4WDから選べる。
室内は直線基調で見た目でも広さを感じられる。そして壁、床、ルーフなど木目をふんだんに使い、スライドドアの内張も同じ木目調なので、ドアを閉めれば部屋感がアップ。カーテンを閉めれば車内にいることを忘れさせるような空間になる。
車内は直線基調の無駄のないスペースが広がり、温もりのある木目調の内装が居心地の良い部屋を感じさせる。
裏と表で硬さが違う2in1シートを採用。リビング、ベッド、ドライブの3つのモードで快適さを追求
2列目シートは表面と裏面で硬さの異なるクッションパッド構造を持つ2in1シートを採用。走行時のドライブモード(前向き)では硬めの背もたれ、座面で座り心地が安定。
ドライブモードの座面を起こして背もたれにし、背もたれを倒して座面にすればリアを向いて座るリビングルームモードになり、背もたれも座面もやわらかなクッションパッドでソファのようにくつろげる。
またフルフラットを展開するベッドルームモードでは、硬めの面が上面になり、就寝時にリアの平置きベッドと違和感のない心地良いスペースがうまれる。
2列目シートは表と裏でクッションの硬さが異なる2in1シートを採用。ドライブ、リビング、ベッドの3モードで居心地の良さを追求。
2in1シートをベッドルームモードにし、2枚のボードを並べれば、車内はフルフラットのベッドルームに早変わり。
ベッド長1840mm、ベッド幅1200mmで2人就寝でも十分なスペースだ。ベッドから天井までの高さも955mmあり、就寝時の圧迫感もさほど感じないはずだ。一人旅なら片側はリビングルームモードで、片側は常設ベッドという使い方も可能だ。
平置きベッドのボードは取り外して、2in1シート(2列目シート)後側にすっきり収納でき、ベッド収納時は広大な荷室がうまれる。
2in1シートをベッドルームモードにすればフルフラットのベッドが展開できる。
スライドテーブルは取り外し式でサイドの溝にはめるだけ設置できる。スライドとロックも簡単に行え、天気の良い日はリアゲートを開け、ベッドルームモードのごろ寝スタイルでくつろぐのも気持ちよさそうだ。
取り外したスライドテーブルは平置きベッドのボードとまとめて2in1シート(2列目シート)後側に収納できる。
食事や趣味の作業で便利に使えるスライドテーブル。
電化製品も使える! 部屋ごと出かける大人の秘密基地のようなキャンパーだ
荷室の両サイドには収納ボックスを装備。ブランケットなどすぐに取り出したい小物や、リビングルームモードやベッドルームモードで外した2列目シートのヘッドレストもここに収納できる。
また収納ボックス内にはAC100V出力コンセントを装備。ポータブル電源から給電し、電化製品の使用も可能だ。収納ボックスの扉上部には隙間があり、扉を閉めても配線が可能だ。またAC100V外部電源入力システムも装備し、電源付きオートキャンプ場やRVパークにも対応する。
部屋のような居心地の良さは夜を迎えても変わらない。
ルーフ中央には木目調のパネルにスポット照明を設置。調光機能付きでリモコンが収納ボックス内に置かれている。木目調ルーフサイドトリムには間接照明があり、やわらかな光が車内に広がる。
照明を落としてリアゲートを開け、星空や夜景を眺めるといった非日常の空間も楽しめそうだ。
食事やくつろぎの時間などTPOで雰囲気を変えられる調光機能付きスポット照明と間接照明を装備。
NV200バネット マイルームの乗車定員は5名だが、車中泊を考えると一人ならのびのび、二人にはぴったりのサイズ感。
キャンプで焚き火を眺めたり、釣りや写真、天体観測など趣味に没頭したりと、部屋ごと出かけて自分のため時間を過ごす。大人の秘密基地として活躍してくれるに違いない車中泊仕様の特装車だ。価格は475万3100円~(消費税込)。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ブレードバッテリー搭載軽EVが、ワールドプレミア ジャパンモビリティショーで参考出品される軽EVは、BYDにとって初めての海外専用設計モデルで、日本の軽規格に準拠している。BYDの企業理念である「地球[…]
給油の際に気付いた、フタにある突起… マイカーのことなら、全て知っているつもりでいても、実は、見落としている機能というもの、意外と存在する。知っていればちょっと便利な機能を紹介しよう。 消防法の規制緩[…]
洗ってもツヤが戻らない理由は「見えない鉄粉」にあった どんなに高性能なカーシャンプーやコーティング剤を使っても、ボディ表面のザラつきが消えないときは鉄粉汚れが原因の可能性が高い。走行中のブレーキングで[…]
家族のミニバンが、週末には旅の相棒になる 「DAYs」はノア/ヴォクシーをベースにしたミニバン型キャンピングカー。普段は家族の送迎や買い物など日常の足として活躍し、休日になればそのままキャンプや車中泊[…]
原点回帰の先に生まれた、愛すべき弟分 新型「ランドクルーザー“FJ”」は、250シリーズに続く、ランクルの原点回帰を強く意識して開発されたモデル。「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として信[…]
最新の投稿記事(全体)
最新改良で、使い勝手や安心機能がアップデート トヨタ最小ミニバンとして、誰もが安心して快適に過ごせる”やさしいクルマ“を基本的価値として進化してきたシエンタ。 今回も日常での使い勝手や安心機能がきめ細[…]
進化したデザインと快適性、“やさしさ”で磨かれた走り 西暦2011年。ハイブリッドカーがまだ高価だった時代に、手の届く価格で登場した初代アクアは、低燃費世界一を実現し“身近なエコカー”という新しい価値[…]
走行中の制限を解除することでいつでもTV画面を表示可能に 最新の純正AVシステムやディスプレイオーディオは高機能だが、安全上の理由から走行中はテレビ表示やナビ操作が制限されてしまう。せっかくの高機能モ[…]
ピラーに装着されたエンブレムやバッジの謎とは? 今のクルマはキャビン後部のCピラーには何も付けていない車両が多く、その部分はボディの一部としてプレーンな面を見せて、目線に近い高さのデザインの見せ場とな[…]
環境負荷を意識したコンセプト。長く乗り続けられる一台を生み出す 生産が終了した今もなお、多くの人から愛されている人気の車両、トヨタのランドクルーザープラドの前モデル。この人気車種を扱う、トヨタ・コニッ[…]
- 1
- 2



















