ベンツのベストセラーSUVが初のフルモデルチェンジ! Sクラス譲りの最新技術を採用した新型GLCを発表

メルセデス・ベンツは、プレミアムミドルサイズSUVの新型モデル「GLC」を発表し、予約注文の受付を開始した。デリバリーは3月下旬頃を予定している。

●文:月刊自家用車編集部

ベストセラーSUVモデル

GLCは2015年にデビューし、2020年と2021年では全世界での累計販売台数260万台を販売するベストセラーのプレミアムミドルサイズSUVモデルだ。新型GLCは、伸びやかで美しいシルエットの中にスポーティかつ洗練された要素を取り入れたエクステリアと、リアルウッドインテリアトリムを採用した質感の高いインテリアを併せ持つSUVモデルとして、今回初のフルモデルチェンジを果たした。

エクステリアデザイン

先代モデルと比較しホイールベースを15mm、全長を50mm伸長し、伸びやかでスポーティなシルエットを獲得。全幅は先代モデルと同じ1,890mmとなっている。

デザインを見てみると、標準仕様ではフロントグリル周囲を縁取るクロームトリムとアンダーガード調のワイドなクロームトリムによって、フロントマスクを上質かつスタイリッシュに仕上げ、AMGラインでは斬新なスターパターングリルを採用。

Dピラーに向けて緩やかに上昇するウインドウラインは、スタイリングにスポーティな躍動感を与えているサイドデザインも魅力的だ。

リアは、力強く張り出したフェンダーと水平基調のリアバンパー、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムな新型リアコンビネーションランプにより、リアエンドをよりワイドでシャープに見せるデザインを採用。リアバンパーにもクロームのアンダーガード風のデザインを採用するとともに、クロームトリムが左右のエグゾーストエンドと一体化した力強い造形とすることで、リアエンドに新型GLCのだけの個性が見て取れる。

インテリアデザイン

ダッシュボードは上下2つに分かれており、上部は翼のような形状に、航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の新デザインの角型エアアウトレットを配置。下部には大きなインテリアトリムが広がり、標準仕様でもオプション選択時でもリアルウッドインテリアトリムを採用し、質感の高い室内空間を演出している。

また、ダッシュボードと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度、ドライバー側に傾けた新しいデザインを採用し、ドライバーの視認性を向上させているのは嬉しいポイントだ。運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは3つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック)と4つのモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス、オフロード)を選択することが可能。ダッシュボードの両端を囲むドアパネルは目を惹きつけるシンプルでモダンなデザイン。

新型GLCには、最新世代のステアリングホイールも採用している。ナビゲーションやインストルメントクラスター内の各種設定や安全運転支援システムの設定を全て手元で完結できる機能を有しており、さらに、従来はタッチコントロールボタンへの接触やステアリングホイールにかかるトルクで判定していた、ディスタンスアシスト・ディストロニック使用時のハンズオフ検知機能のために、リムに静電容量式センサーを備えたパッドを採用した。これにより、ステアリングホイールにかかるトルクがなくとも、ドライバーがステアリングホイールを握っていることが認識され、ディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手が向上している。

AMGラインを選択すると、よりスポーティーな左右、中央のそれぞれのスポークがツインスポークとなるステアリングホイールが装備される。ラゲッジルームは620L~1,680Lと大容量を備え、実用性が大きく向上。また、カーゴポジションを標準装備し、リアシートのバックレストを約10度起こすことでラゲッジルームの容量が先代モデルより約70~80L増加している。

パワートレイン

エンジン単体で197PS(145kW)、440N・mを発生する、2.0リッターのクリーンディーゼル直列4気筒ターボエンジンの「OM654M」を採用。エンジンとトランスミッションの間に配置されるマイルドハイブリッドシステムのISGによって、短時間、最大で23PS (17kW)、200N・mのブーストが可能で、高トルク、省燃費が売りのクリーンディーゼルエンジンに、電気による緻密なサポートが組み合わさることで、さらにスムーズな加速感と、燃費の低減を実現。可変タービンを採用した水冷式ターボチャージャーにより、きわめて速やかなレスポンスと優れたパワー伝達も獲得している。

スイッチ操作1つでエンジンやトランスミッションの特性を切り替えるDYNAMIC SELECTの中に「OFFROAD」モードを加えており、「OFFROAD」モードでは、トランスミッションがオフロードモードに切り替わり、雪道や悪路での走破性を向上させている。また、「DSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)」も備えており、急な下り坂での安定した走行をサポートしてくれる点も魅力だ。

その他Sクラス譲りのメルセデス・ベンツの最新技術を多数採用している。サポートの精度を高めた安全運転支援システムの採用や、SUV初3AR(拡張現実)ナビゲーション、生体認証(指紋、声)によるシートポジション等の設定、片側130万画素の高機能ヘッドライト、良好な取り回しと優れたハンドリングを実現するリア・アクスルステアリングなども特筆点だ。

価格

モデルステアリングエンジン価格
GLC 220 d 4MATIC
(ISG 搭載モデル)
2.0L 直4直噴ディーゼル ターボ8,200,000円

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