試乗インプレッション
現行レヴォーグの見所のひとつとなるのが、スバルとして初めて採用した電子制御ダンパーだ。この電子制御ダンパーは、1.8Lターボ車と2.4L車のSTIスポーツ系に標準装備されており、ドライブモードを選択することでコンフォート/ノーマル/スポーツの減衰力制御特性が設定される。
今回、導入される「e-Tune」は、標準の制御プログラムを変更することで、走りの楽しみの幅を広げてくれる新たな試み。「コンフォート」と「スポーツ」の振れ幅を大きくすることで、より快適に、もしくはスポーティに、というレヴォーグが持つ尖ったキャラをより楽しませてくれるというものだ。
ただ、試乗した印象はちょっと違った。「コンフォート」も「スポーツ」も路面当たり感が穏やかになり、それでいて操舵回頭反応は早く滑らかになっている。このあたりの減衰力の味付けの巧みな制御は、リニアソレノイドを用いた電子制御ダンパーならではのもの。標準設定の「ノーマル」よりも、電子制御ダンパーの潜在力の高さを活かしていると思う。
また、ハンドリングに関しても違いを感じる。標準設定の「コンフォート」では回頭と旋回力の立ち上がりに若干のタイムラグを感じることもあったが、e-Tuneの「コンフォート」は回頭反応が早まるともに、旋回力も遅れなく滑らかに立ち上がってくれる。軽快さは少し薄らいだ感も受けるが、「スポーツ」のマイルド版とも言える特性は、レヴォーグの魅力のひとつである優れたハンドリング感覚も上手に引き立ててくれる。質と安心感が増した印象だ。
正直、e-Tuneを標準にしても良いのでは?とも思ったが、従来の標準設定が持っている、路面感覚の強さや軽快感の演出という面に魅力を感じるユーザーは多いそうで、それゆえに純正アクセサリーとして提供する流れになったとのこと。いずれにせよ、レヴォーグを選ぶならば、e-Tuneも導入したくなる。走りの質を求めるオーナーにとって魅力的な選択肢になるだろう。