
憧れだったクルマに、懐かしいクルマ。知らない人には新鮮に映るかもしれない、愛しき旧車たち。そんな旧車を実際に保有するオーナーに、ご自慢の愛車をご紹介いただこうという本企画。第1弾は初代セリカの兄弟車的存在で、実用性をより考慮したという初代カリーナ。数が少ない上にほぼオリジナルという希少車で、イベントでも注目されまくりだ!
●文/写真:坪内英樹(オートメカニック編集部)
こんなクルマ:特徴的なデザインと軽快な走りで人気に
日本初のスペシャリティカーとなるセリカのプラットホームを用いて、より実用性を兼ね備えたセダンとして1970年に誕生したのがカリーナだ。「足のいいやつ」のキャッチコピー通り、セダンながら軽快な走りを実現。車格的にカローラとコロナの中間的ラインナップとして人気を博したモデルとなる。
ボディは4ドアと2ドアのセダンが基本となり、1974年にハードトップを追加。ヘッドライトやテールランプのデザインに、いい意味でのクセがあるのも初代カリーナの特徴。特に縦長でボディのラインに沿った形状のテールランプなどは、初代カリーナの最たる特徴といえる。
搭載されるエンジンは、当時のトヨタの高性能エンジンユニットとなる1.6L DOHCの2T-Gや2.0L DOHCの18R-Gを筆頭に、1.4-2.0Lのエンジンを用意。ツインカム系の燃料供給はソレックスで、ツインチョークキャブ特有の吸気音も魅力だ。
グレード | 1600・ST | 1400・デラックス | 1400 | |
車両型式 重量 | 車両型式 | TA12-MS(F) | TA10-YD(F) | TA10-Y(F) |
重量(kg) | 910 | 895 | 875 | |
寸法 | 全長(mm) | 4135 | 4135 | 4135 |
全幅(mm) | 1570 | 1570 | 1570 | |
全高(mm) | 1385 | 1385 | 1385 | |
ホイールベース(mm) | 2425 | 2425 | 2425 | |
エンジン | エンジン型式 | 2T-B | T | T |
エンジン種類 | 直列4気筒OHV | 直列4気筒OHV | 直列4気筒OHV | |
排気量(cm3) | 1588 | 1407 | 1407 | |
最高出力kW(PS)/r.p.m. | -/105/6000 | -/86/6000 | -/86/6000 |
オーナーズポイント:猫足的な、粘りある足回り!
そんな初代カリーナの1972年式4ドアGTを1年前から乗り始めたのが、よっちゃんさん。初代セリカとともに、2台持ちの旧車生活を楽しんでいらっしゃるという。
「初めての愛車が初代セリカだったんです。仕事をリタイヤする少し前に、『また乗りたいな』ってなりまして、まずはダルマを手に入れたんです」
注釈を入れるまでもないと思うが、ダルマとは初代セリカの通称だ。
ダルマを手に入れ、旧車ライフを満喫していたよっちゃんさんなのだが「ダルマは人気があるんで、旧車のイベントだと珍しくないんですよ。目立ちたいというワケじゃないんですが、多くの中の1台なんで埋没しちゃうんですよね。だから少し注目される車種に乗ってみたいと思っていた時に、ダルマの兄弟車的な初代カリーナのGTを見つけたんです」
ほぼオリジナルの状態が保たれたカリーナGTは「セリカとは違って数が少ないですから、旧車の集まりでは、かなり注目されますね(笑)」とよっちゃんさんも大満足のご様子。
単に珍しいというだけではなく、ほぼオリジナルのまま美しい状態を保っているのも、注目される理由となっているはず。
「『足のいいやつ』というキャッチコピーどおり、ワインディングロードを走るのが楽しいクルマですね!ダルマとは味付けがしっかり違う足回りなんですよ。ダルマよりもソフト、今どき風に言うと猫足的な粘る足回りが気に入ってます!」
オーナーのよっちゃんさんと奥様。写真のカリーナやダルマセリカで、各地の旧車の集まりにおふたりで参加されているそうだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(旧車FAN)
自動車での物流に先駆け、安価なオート三輪を開発 マツダの自動車製造の第一歩 1920 年(大正9年)、中国地方の山間部で自生していたブナ科の落葉樹「アベマキ」を使用したコルクを製造するメーカーとして、[…]
初代センチュリー(VG20) 政財界のVIPにより認知度を上げていった国産ショーファーカー ショーファードリブン。後席に乗る主役のために運転手つきで運用される大型セダンは、専属の御者が操る貴族の自家用[…]
大阪の商人らしい、「商いのうまさ」で誕生したコンパーノ コンパーノは、ダイハツが戦前から築き上げてきた商用車メーカーとしての地位から、乗用車市場へと本格的に参入する転機となった記念すべきシリーズモデル[…]
2代目ローレルは、ケンメリスカイライン(4代目)とシャシーを共有する兄弟車だった 2代目のローレルは1972年の4月に発売されました。この頃のローレルの日産内の立ち位置は“高級GT”といった感じで、ス[…]
「未来の国からやって来た」挑戦的なキャッチフレーズも話題 初代の「A20/30系セリカ」は1970年に登場しました。ちょうどこの時期は、モータリゼーション先進国の欧米に追い付けという気概で貪欲に技術を[…]
最新の関連記事(トヨタ)
初代センチュリー(VG20) 政財界のVIPにより認知度を上げていった国産ショーファーカー ショーファードリブン。後席に乗る主役のために運転手つきで運用される大型セダンは、専属の御者が操る貴族の自家用[…]
ミニバンの可能性を拡張する、スマートなキャンピングカー「DAYs」 街乗りにもキャンプにも使える“ちょうどいい”サイズ感と、独自開発の回転シートやロフト空間といった遊び心ある装備。これまでのキャンピン[…]
タウンエースベースが生む、扱いやすさと拡張性 「Plaything Ace SP」のベース車両は、トヨタ・タウンエース。取り回しの良さと荷室の広さを両立したミドルサイズバンで、日常使いでも不便を感じに[…]
メモリアルモデルにふさわしい、特別な内外装加飾を装着 特別仕様車「“THE 70th”」は、日本の風景との調和を意識した特別なバイトーンのボディカラー(プレシャスメタル×プレシャスホワイトパールとプレ[…]
ハイエースの常識を変える。“大人2段ベッド”の実力 ハイエースのスーパーロング・ワイド・ハイルーフは確かに広い。しかし全長が5mを超えるため、都市部では駐車場に収まらないことも多い。スーパーロングでな[…]
人気記事ランキング(全体)
トラブル時にも対応可能。万が一に備えて安心ドライブ 車に乗っていると、どうしても避けられれないトラブルに遭遇することがある。どれだけ用心していても、不可抗力で発生することもある。例えば、釘やネジを踏ん[…]
ミニバンの可能性を拡張する、スマートなキャンピングカー「DAYs」 街乗りにもキャンプにも使える“ちょうどいい”サイズ感と、独自開発の回転シートやロフト空間といった遊び心ある装備。これまでのキャンピン[…]
触らず、傷つけず、瞬時に汚れが落ちちゃうなんて… 今回注目したいのは、ドライアイス洗浄機ブランド「Dry Ice Energy」の製品だ。クルマのボディに付着する汚れに向けてドライアイスを噴射すること[…]
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
初代センチュリー(VG20) 政財界のVIPにより認知度を上げていった国産ショーファーカー ショーファードリブン。後席に乗る主役のために運転手つきで運用される大型セダンは、専属の御者が操る貴族の自家用[…]
最新の投稿記事(全体)
ブリザック史上「断トツ」のICEコントロール性能を獲得 今回発表された「BLIZZAK WZ-1」は、ブリヂストンの「ENLITEN」商品設計基盤技術を乗用車用スタッドレスタイヤとして初めて採用。ブリ[…]
自動車での物流に先駆け、安価なオート三輪を開発 マツダの自動車製造の第一歩 1920 年(大正9年)、中国地方の山間部で自生していたブナ科の落葉樹「アベマキ」を使用したコルクを製造するメーカーとして、[…]
触らず、傷つけず、瞬時に汚れが落ちちゃうなんて… 今回注目したいのは、ドライアイス洗浄機ブランド「Dry Ice Energy」の製品だ。クルマのボディに付着する汚れに向けてドライアイスを噴射すること[…]
初代センチュリー(VG20) 政財界のVIPにより認知度を上げていった国産ショーファーカー ショーファードリブン。後席に乗る主役のために運転手つきで運用される大型セダンは、専属の御者が操る貴族の自家用[…]
消えゆくロータリー車を救え!部品供給と未来への挑戦 このイベントで注目となるのは、「RE Club Japan」の狙いだ。過去、日本だけでなく世界中に、ロータリー・エンジン車のオーナーのためのクラブは[…]
- 1
- 2