ドライバーでネジを外そうとしたら、ナメてしまって外せなくなった経験、誰もが一度は味わう失敗だろう。自動車整備・修理において、ナメたネジをどうやって外すのか? 実は、簡単な方法があるので、ご紹介しよう。
●写真/文:月刊自家用車編集部(オートメカニック)
ネジはナメやすい! だからこそ、ちゃんとした外し方をマスター
まず断っておきたいのが、本記事で紹介するテクニックは、自動車整備を前提にしている。それ以外のシチュエーションは想定していないのでご注意頂きたい。
クルマいじりだけでなく、すべてのDIY作業に通ずる基本的なテクニックに「ネジ回し」がある。そして、経験的に多くの人が知っているはず…そう、「ネジはナメやすい」ということを! 日常生活でネジはそこかしこに多用されているにも関わらず、実はやっかいな存在になる場合もある。そこでまず、ネジの正しい外し方を解説しよう。
ドライバーの正しい扱い方「ネジを外す」
ドライバーは整備用途に限らず家庭内にも必ず1本や2本は存在する。棚やカーテンレール、そして電気機器と、何をするにしても最低限必要となる工具といえる。しかし、家庭向けの製品は強度が低く仕上げが雑、それにサイズ自体がいい加減という例もある。整備には整備向けドライバーを用いるのが原則だ。
ネジの頭の溝にピッタリはまるサイズを選定し、ネジに対して垂直な状態を維持。グリップ後端を常に押し込むように力を入れて回す。これがドライバーの使い方の基本。なお、ナメる間には「グニュ…」とした感触があるので、そう感じたときはただちに止めることが肝心だ。
※モノクロ写真をカラー化しています
[基本解説]ドライバーは押すように持つ
グリップ後端を手の平のくぼんだ所に当てがい、そのまま指を曲げていって4本の指でグリップを包み込むようにして支える。そして、親指をグリップ上面から押さえつけるように添えつつ人差し指で挟みこむようにして握る。
ナメたネジにも対応する「専用ドライバー」がある!
正しいドライバーの使い方を実践していても、ネジがナメてしまうことはある。そんな際に便利なのが、ナメたネジを外すための専用ドライバーだ。潰れたネジ溝のリカバリー機能を有しており、先端が特殊な形状をしているのが特徴。
【ナメたネジにも新しいネジにも両方に使えるドライバー】
使い方は、潰れた溝にドライバーの先端部分をまっすぐに押し当て、グリップの後端をハンマーで強く叩くだけ。これにより潰れてしまった(ナメてしまった)ネジの溝が再生され、ガッチリと食い込んでくれる。あとは、上記で説明している「ドライバーの正しい扱い方」を実践し、外すだけでOK!
作業時のコツとしては、ネジに対して軸が垂直に立つようあてがい、グラつかないようガッチリ保持しながらグリップ後端をハンマーで強く叩く。万が一の際の備えとして、このドライバーの存在を知っておく、あるいは常備しておくという手もありだろう。
工具&道具の正しい使い方満載!
本記事は、オートメカニック特別編集の臨時増刊号『クルマのDIYガイド 工具&道具の正しい使い方』に掲載されているものから抜粋・加筆している。同書には、役立つDIYテクニックが満載なので、興味のある方は是非、手にとって見てほしい。