冬は車内の温度が極端に低くなるため、適切に車内を温める必要がありますが、そんなとき頼りになるのがカーエアコン。しかし、正しい使い方を知らずに利用すると、逆に快適さを損なってしまうこともあります。今回は、カーエアコンの正しい使い方や注意点についてみていきます。
●文:月刊自家用車編集部
車内を暖かく! カーエアコンの正しい使い方とは?
車内を快適な温度に保つために必要な、カーエアコンの正しい使い方を4つのポイントから見ていきましょう。
まずひとつ目のポイントは、カーエアコンの起動タイミング。車内が寒いからといって、クルマのエンジンをかけてすぐにカーエアコンをフルパワーで起動することは避けるのが無難です。なぜなら、カーエアコンの暖房はエンジンの排熱を利用しているので、エンジンが温まっていない状態では温風が出ないからです。効率的に車内を温めるためには、エンジンが温まってからカーエアコンを起動する必要があります。
2つ目は、適切な温度設定です。エアコンの温度設定は個人の好みに左右されるものですが、あまりにも高い温度に設定すると快適な範囲を超え、余計なエネルギーを消費し燃費に影響してしまいます。
ちなみに、日本の大手自動車部品メーカーであるマレリが公表する情報によれば、最適な設定温度は日本車で25℃、欧州車は22℃が最適とされているようです。寒いからといって温度設定を高くしすぎないように注意しましょう。実際に筆者の妻は温度を上げがちなので、それとなく指摘したところ「これダメかー」と温度を下げていました。
3つ目のポイントは、A/Cボタンの使用についてです。A/Cボタンを使用することで、車内を除湿できます。言い換えると、窓ガラスが曇ってしまったなどの除湿が必要なタイミングでない限り、A/Cボタンを使用する必要はないということです。
またA/Cボタンを押してエアコンコンプレッサーを使用すると、燃費にも影響を与えることも念頭に置いておくとよさそうです。そもそもA/Cボタンが何を意味するのか知らなかったという方も少なくないはず。
そして4つ目は、内気循環と外気循環の切り替えについてです。カーエアコンでは、ボタン操作で空気循環の方法を変更できます。外気を取り入れない内気循環はエネルギー効率の面において、燃費の向上に寄与する場合があります。
しかし、長時間使用を続けると酸素濃度が低くなり、頭痛や眠気の原因となってしまいます。適切に空気を入れ替えるためにも、1時間に1回程度の頻度で外気循環モードを利用することがおすすめです。
カーエアコンを使うときの注意点はある?
では、カーエアコンを正しく使用するにあたってどのような点に注意すればよいのでしょうか。
まずひとつ目の注意点は湿度低下についてです。カーエアコンには加湿機能が備わっていないため、車内の空気を温めると相対的に湿度が低下してしまいます。
湿度が低下するとウイルスが遠くまで飛散してしまうため、風邪やインフルエンザなどの感染リスクが高まります。車内という密閉された空間ではリスクがさらに高まるため、クルマ用の加湿器や濡れタオルなどを使用して車内の湿度を一定に保つことが重要です。
ふたつ目の注意点として、温風による乾燥が挙げられます。
温風を直接浴びてしまうと、その部分が極度に乾燥してしまいます。また肌や髪だけでなく目も乾燥してしまうため、肌荒れやドライアイの原因になってしまう可能性もゼロではありません。カーエアコンを使用する場合は、直接風が当たらないように風向を調節しましょう。
なお冷たい空気は下にいくため、車内を温める効率を考えた場合にも、風向は足元に向けておくことがおすすめです。
そして3つ目の注意点は、フィルターの清掃と交換を怠らないことです。カーエアコンのフィルターは定期的な清掃や交換が必要です。メンテナンスを怠ると、送り出される空気の質が低下するとともに、エアコンの効率が悪化します。
また、カビが発生してしまっていた場合には、送られる温風が臭くなってしまったり、人体に影響を及ぼしたりする可能性があるので、定期的に掃除して快適な車内を保ちましょう。
寒冷な季節でも快適なドライブを楽しむためには、カーエアコンの正しい使い方と注意点を把握することが不可欠です。適切な使用タイミング/温度設定/注意点の実践などにより、快適な車内環境を保ち、安全かつ心地よい運転を実現しましょう。