「コレはあり…?」「想像を超えてるわ」超高級車メーカーがとんでもないデザインのモデルを発表して話題騒然。「まさかのパターン…」[メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ]

かつて20世紀初頭に誕生し、紆余曲折を経てダイムラーグループの超高級車ブランドに転生した「マイバッハ」。これまでにメルセデス・ベンツのトップクラスをベースとしてリリースされてきたが、ついにSLクラスをフィーチャーした史上最もスポーティなマイバッハ「メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ」が都内でアジアプレミアを迎えた。至るところにマイバッハのシグネチャーを配し、内外装ともに最高級の装備をもつ超高級車、もはや石油王にしか買えない!?

●文:月刊自家用車編集部 ●写真:メルセデス・ベンツ日本(※写真は本国仕様車です)

各界のセレブに向けてお披露目された豪華モデル

毎年8月、世界中から新旧の名車が集うペブルビーチ・コンクール・デレガンスは、近年では自動車メーカーの新車発表の場としても注目されているが、2024年の目玉になったのがメルセデス・ベンツの最上級ブランド「メルセデス・マイバッハ」のニューモデルだった。

世界中のセレブが注目したこのニューモデル「メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ」は、アメリカに次ぐ高級車の一大マーケットに成長した中国を差し置き、日本でアジアプレミアが実施された。

これはメルセデス・ベンツにとって日本がいまだアジア圏における最優良市場と見なされていることの証左でもあろう。

今回開催されたアジアプレミアは、世界屈指の自動車ブランドであるメルセデス・マイバッハに相応しい舞台が演出され、シリーズに用意される「レッドアンビエンス」がお披露目された。

8月にペブルビーチ・コンクール・デレガンスにてワールドプレミアされたメルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズが都内でアジアプレミアを迎えた。会場には「レッドアンビエンス」と名付けられた真紅のモデルが展示された。

全身に与えられた「MAYBACH」のモノグラム

エレガントかつスポーティなオープン2シーター、SLクラスをベースとするメルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズの正式名称は「メルセデス・マイバッハ SL 680 モノグラムシリーズ 」。

マニュファクチュール・ガーネットレッドメタリックの上にオブシディアン・ブラックメタリックを配した新しいツートーン塗装を施したバージョンの「レッドアンビエンス」は鮮烈で情熱的な印象を与え、同様にオブシディアン・ブラックメタリックとマニュファクチュール・オパライト・ホワイトマグノをまとった「ホワイトアンビエンス」はエレガントかつクールな佇まいを見せる仕様になる。

いずれもボディカラーはツートーン構成とし、ボンネット上に付された無数の「MAYBACH」を表すモノグラムが特別感を煽る。このプリントパターンは一部手作業で施される繊細なもので、ボンネットにベースコートを塗って手作業でサンディングしたうえ、そこにマイバッハパターンをプリント後、さらにクリアラッカーで仕上げられている。

遮音性に優れたソフトトップはライトブラックのファブリック製を用い、マイバッハのアイコンをアンスラサイトでさりげなくあしらうほか、クローム仕上げのラジエーターグリルの輪郭にはイルミネーションを施して「MAYBACH」のレタリングを表現するなど全身くまなく「MAYBACH」のフィロソフィーで埋め尽くす。

特徴的なブラックアウトされたボンネット上やソフトトップ、フロントグリルほか、全身隙間なく「MAYBACH」のアイコンが施される。足元には5ホールまたはマルチスポークの21インチホイールを装着する。

車名に「モノグラムシリーズ」と謳うように、細かいディティールも逃さずマイバッハのアイコンが備わる。前後スカートもブランド専用のデザインとなり、マイバッハのデザインがない箇所を探すのが困難なほどの徹底ぶりだ。

インテリアには輝く専用のクリスタル・ホワイトレザーを採用

インテリアには、マイバッハ専用装備となるクリスタル・ホワイトレザーを採用。このナッパレザーは持続可能な方法でなめされ、ドアパネルやセンターコンソール、そしてブランドを象徴するコンフォートシートにも採用されている。

シート表皮には新しいフローラルデザインを施し、シート後方のスペースもホワイト・レザーで仕上げるなどインテリア全体を華やかに演出している。

また、フルデジタルのメーターディスプレイと電動調整式センターディスプレイにはマイバッハを象徴するスタートアップアニメーションとディスプレイスタイルが採用され、ステアリングホイール、ステンレス製ペダル、ステンレス製ドアシルトリムもマイバッハブランドを過剰なまでにアピールしたもの。

白で統一されたインテリア。フルデジタルメーターディスプレイはマイバッハ専用のスタートアップアニメーションが備わり、ステアリングホイールやペダル類、ドアシルトリムにもマイバッハの意匠が施される。

常に環境問題を考慮した製品つくりを行うメルセデス・ベンツらしく、純白の専用クリスタル・ホワイトレザーは持続可能な皮革なめしによって製造。外から丸見えなオープンカーらしく、クローズドルーフの車両では見えないヘッドレスト裏にもマイバッハのエンブレムを装着する。

エグゼクティブに相応しい豪華絢爛な2シーターオープン

欧州メーカーはカーボン・ニュートラルを積極的に進めており、マイバッハブランドでもSUVのトップクラスであるGLクラスをベースにしたEV「メルセデス・マイバッハ EQS SUV」をリリースしたのも記憶に新しいが、サステナブルとダウンサイジング最優先と思わせながら、最新のマイバッハは大排気量の内燃エンジンを採用してきた。まだまだ化石燃料を使う自動車を根絶する気はないようだ。

メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズではパワートレインに4リッターV8ツインターボを搭載し、9速ATを介して4輪を駆動する4マチックを選択。最高出力は430kW(585hp)、最大トルクは800Nmに及び、0-100km/h加速は4.1秒、最高速度は260km/hを計上する。

とはいえ、メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズのウリは内燃エンジンではない。これまでのメルセデス・マイバッハがそうであったように、世界一上質な自動車を目指した内外装の特別な設えが最大の目玉であり、最高級の自動車ブランドを所有する悦びをユーザー(富裕層限定だが)に提供することこそが使命なのだ。

主な車両諸元
■    メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ
全長4,705mm、全幅1,915mm、全高1,353mm、ホイールベース2,700mm、排気量3,982cc、V型8気筒ガソリンツインターボ・エンジン、エンジン最高出力430kW(585hp)/5,500-6,500rpm、エンジン最大トルク800Nm/2,500-5,000rpm、複合燃料消費率13.7L/100km。

メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ。

メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ レッドアンビエンス。

メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ ホワイトアンビエンス。

メルセデス・マイバッハ SL モノグラムシリーズ。