現代であればホンダ N-BOXや、トヨタ プリウス、アルファードあたり。日本にはその年代ごとに、「どこに行っても見かけるクルマ」が存在している。月間数千台〜は売れているであろう国民車や、皆が欲しがる人気車たち。それはある意味、その時代を映す鏡のような存在かもしれない。今回は2000年代に照準を合わせ、当時よく見かけたアツい国産5モデルを見ていこう。
●文:松村 透/月刊自家用車編集部
1:トヨタ ハリアー[30系/2代目]
- デビュー:2003年2月
都市型SUVというジャンルを切り拓いた「ハリアー(初代)」の後継モデルとしてデビュー。
初代モデルが掲げた「高級サルーンの基本性能を備えたSUV」というコンセプトを踏襲しつつ、2代目では「ハンドリング性能と先進の安全性」を追求した。
エンジンは当初、直列4気筒2.4リッターとV型6気筒3リッターの2本立て。トランスミッションは4速AT(2.4リッター)/5速AT(3リッター)、駆動方式はFFと4WD仕様が用意された。
2005年3月には「ハリアー ハイブリッド」が追加され、2009年1月にはレクサスブランド版となる「レクサス RX」がデビューしたが、ハリアー自体も、2013年7月まで生産を継続されるほどのロングセラーモデルとなった。
2:ニッサン ノート[E11系/初代]
- デビュー:2005年1月
ニッサンのコンパクトカーとしてすっかりおなじみとなった「ノート」の初代モデルは、「これまでのコンパクトカーになかった爽快な走りと、使いやすい装備で自在に楽しめるコンパクトカー」をコンセプトに掲げ2005年1月にデビュー。
デビュー時のエンジンは直列4気筒1.5リッターのみ。駆動方式はFFと4WD、トランスミッションはCVT(FF)と4速AT(4WD)が用意された。
しっかり四隅に広いスペースを確保しつつ、ボディサイズは全長×全幅×全高:3990×1690×1535mmと、5ナンバー&立体駐車場に停められる使い勝手の良さ。そして車両本体価格が100万円台という手の届きやすさでも、人気を博した。
3:ホンダ フィット[GD系/初代]
- デビュー:2001年6月
今でこそ見慣れたフォルムだが「フィット(初代)」がデビューしたときのインパクトはとても大きかった。
メルセデス・ベンツAクラス(W168型/初代)にも似た丸みのあるフォルムをまとい、燃料タンクを車体中央に配したセンタータンクレイアウトを採用。
ボディサイズは全長×全幅×全高:3830×1675×1525mmと、当時のホンダの乗用車のなかでもっともコンパクトでありながら、前後サスペンションのコンパクト化や、フロアの低床化を実現。
車両本体価格が100万円台前半という手軽さもあり、空前のヒット作となった。搭載されるエンジンは当初、直列4気筒1.3リッターのみで駆動方式はFFと4WD、トランスミッションはCVTを採用し発売。
4:スバル レガシィ[BP/BL系/4代目]
- デビュー:2003年5月
「走りと機能と美しさの融合」を開発テーマに、「レガシィ」シリーズとしては4代目にあたる「BP/BL系」が、2003年5月/6月にデビュー。
ツーリングワゴンがBP型、B4(セダン)がBL系となる。同年10月には「アウトバック(BP系)」も追加された。
ツーリングワゴンおよびB4ともに全幅が1730mmとなり、全車3ナンバーとなった。Cd値もツーリングワゴンで0.30、B4で0.28という優れた空力性能を誇る。
初代レガシィのフォルムを継承しつつ磨きをかけてきた端正なフォルムや、軽量なボディは、高い評価を受けた。
また、5代目となるBM/BR系が大柄なボディとなったこともあり、BP/BL系をしてレガシィシリーズの完成形なんて評する声もあった。
5:マツダ デミオ[DY系/2代目]
- デビュー:2002年8月
当時のマツダの危機を救ったともいわれる初代「デミオ」の後継モデルとして、2002年8月にデビューしたのが2代目となる「DY系」だ。
「心地よいインテリア」と「走る楽しさ」がもたらす「解放感」をテーマに、1クラス上の上質感と、初代同様に立体駐車場に停められることを重視して開発された。
搭載されるエンジンは、直列4気筒1.3リッターおよび1.5リッター。駆動方式はFFのみ(後に4WDも追加)、トランスミッションは4AT(5MTも追加)が用意された。
メーカーオプションで電動ホワイトキャンバストップ仕様が用意された他、当時人気絶頂の女優だった伊東美咲をCMに起用。本人の意見を採り入れたという特別仕様車「デミオ スターダストピンク」も発売され、話題となった。