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[画像 No.12/16][懐かし名車旧車] トヨタ スポーツ800:航空機造りのノウハウが注がれた、壮大なる実験車

【戦闘機さながらのスライドキャノピーを採用した初期型試作車】トヨタスポーツ800の出発点となったパブリカスポーツ(開発コード145A=開発初期の関東自工での名称)は、大衆車パブリカの部品を使って、いかにして最大限の性能を発揮できるかをテーマとした壮大なる実験車両だった。開発主査の長谷川龍雄氏は、その航空機技術者としての経験から、徹底した軽量化と空気抵抗の低減に取り組み、1962年の全日本自動車ショーに同車を参考出品させる。フロアパネルを二重にしたサンドウィッチ構造、丸みを帯びた曲面ボディは、複数のデザインスケッチの中から戦闘機さながらのスライドキャノピー案が採用された。ちなみに長谷川氏は、パブリカスポーツ以前の1957年にも、FRPボディで飛行機のようなデザインの2人乗りスポーツカー「23A」という研究実験車を手がけている。