
トヨタ自動車は、新型「ランドクルーザー“FJ”」を世界初公開した。10月30日(木)から11月9日(日)にかけて開催されるジャパンモビリティショー2025に実車が出展される。日本での発売は2026年年央頃を予定している。
●文:月刊自家用車編集部 ●写真:澤田和久/トヨタ自動車株式会社
原点回帰の先に生まれた、愛すべき弟分
ランドクルーザーFJには、純正カスタマイズパーツも多数用意される予定。楽しく弄れる一台になりそうだ。
新型「ランドクルーザー“FJ”」は、250シリーズに続く、ランクルの原点回帰を強く意識して開発されたモデル。「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として信頼性・耐久性・悪路走破性の継承と進化はそのままに、自分らしく楽しむ自由「Freedom & Joy」という新たな価値を提供して世に送り出される。
エクステリアデザインは、歴代ランクルが重視した居住性と積載性を考慮したスクエアなキャビンを意識したシルエットを踏襲しつつ、サイコロをモチーフとした直方体ボディと角をそぎ落とした面取り構成で、無駄のない強い塊感と楽しさを表現。
全長4575mm、全幅1855mm、全高1960mm、ホイールベース2580mmというランクルとしてはコンパクトなサイズながら、ランクルにふさわしい信頼性と悪路走破性を実現。
ユニークなリヤビューも印象的。スペアタイヤ中央にはバックモニターのカメラが内蔵される。
撮影車両にはミシュラン・プライマシーSUVを装着。タイヤサイズは265/60R18。
オフロードでの見え方&操作感にこだわった、実用最優先のキャビン
インテリアデザインは、車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネルや、機能をそれぞれ集約したモニター・スイッチ類など、様々な環境で運転する時でも瞬時に認知・操舵ができるコクピットレイアウトを実現。
視点移動が少なくなるよう機能をそれぞれ集約したモニターやスイッチ類、自然な操作ができるシフトレバーにより、様々な環境で瞬時に認知&操舵できるコクピットレイアウトを実現。
ランクルらしい無骨なシフトレバー。ドライブモードセレクターはダイヤル式となる。
低く設計されたカウルとインストルメントパネル上面、ベルトラインを用いたことで、見通しのいい前方視界を確保する。プリクラッシュセーフティなどの先進機能を付与した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を採用することで、安全性能も大きな進化を遂げている。
シートレイアウトは、2列シート5人乗り仕様。運転席・助手席は、ホールド感のあるデザインで、長時間の運転でも快適性を維持できるタイプ。3人掛けのリヤシートは右6:左4の分割可倒式でスライドも可能。
鍛え抜かれたシャシーで、コンパクト化とタフネスを両立
IMVシリーズで鍛えたプラットフォームを活用し、地上高やアプローチアングルの確保、70シリーズと同等のホイールアーティキュレーションを用いることで、優れた悪路走破性を実現。ホイールベースは、250シリーズ比で270mm縮小されたことで、最小回転半径5.5mの取り回しの良さとオフロードでの機動性を確保される。加えて、床下へのプレース追加や、ボディの高剛性化により、操縦安定性にも一定の配慮がなされている。
現時点で採用がアナウンスされているのは、2.7Lの直4ガソリンエンジンのみ。国内向けモデルはモノグレード展開となる予定。
また、今後、歴代のランクルを彷彿とさせる丸目型ヘッドランプや、多様な用途に応じた荷室空間を提供するモールパネルなど、カスタマイズの楽しさが拡がるオプションが順次導入される予定。
電動モビリティも同時開発「LAND HOPPER」も投入へ
電動パーソナルモビリティ「LAND HOPPER」
そのアプローチを象徴するアイテムとして、ランクルでたどり着いたさらにその先のトレイルなどのオフロードの楽しさを体感でき、日常使いだけでなく旅先でのツーリングなど移動の楽しみを拡大する電動パーソナルモビリティ「LAND HOPPER」も開発される。
ランドクルーザーFJ”主要諸元(プロトタイプ) | |
全長(mm) | 4575 |
全幅(mm) | 1855 |
全高(mm) | 1960 |
ホイールベース(mm) | 2580 |
乗車定員 | 2列シート5人乗り |
エンジン | 2TR-FE 2.7Lガソリンエンジン |
駆動方式 | 4輪駆動(パートタイム 4WDシステム) |
トランスミッション | 6 Super ECT |
最高出力 | 120kW(163PS) |
最大トルク | 246N・m |
写真ギャラリー
海外カスタマイズ仕様・プロトタイプ。
海外カスタマイズ仕様・プロトタイプ。
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