「これはスゴいわ…」日本のガレージでとんでもない激レア車両が眠っていた! ピカピカにしてオークション出品すると、スゴい展開に…!│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「これはスゴいわ…」日本のガレージでとんでもない激レア車両が眠っていた! ピカピカにしてオークション出品すると、スゴい展開に…!

「これはスゴいわ…」日本のガレージでとんでもない激レア車両が眠っていた! ピカピカにしてオークション出品すると、スゴい展開に…!

60年以上前に、一般販売された水陸両用車として一部では有名なアンフィカー。某番組で、タレントのヒロミが購入してレストア、オークションに出品したところ、購入金額を大幅に上回る値がつき話題となった。そのアンフィカーが、東京オートサロン2026で展示されたいたので紹介しよう。

●文:月刊自家用車編集部(橘 祐一) ●写真:橘 祐一

60年以上前に市販された、個人用の水陸両用車

皆さんは「水陸両用車」と聞くとどんなクルマを思い浮かべますか? 最近では川や湖、海などがある観光地でバスがそのまま水に入って船になる、観光用の乗り物のイメージがあるかもしれません。

それ以外だと軍事用とか、作業用とか。個人で所有する自家用の乗用車的な水陸両用車なんて、映画や漫画の世界でしか見たことない人が多いのでは? でも実は存在するんです。しかも60年以上前に市販された乗用車が。

1965年に4000台弱が生産。しかしそれ以降、市販「アンフィカー」は存在せず

民生用としては初の水陸両用車「アンフィカー・モデル770」は、ドイツ人デザイナー“ハンス・トリッペル”によって設計され、1961年のニューヨークオートショーで発表された。実業家のハラルド・クアントとの共同で1958年に設立したEurocar GmbHで1961年から1965年の間に3878台が生産されている。

「アンフィカー(Amphicar)」という車名は、「Amphibious(水陸両用)」と「Car(クルマ)」を組み合わせた造語。このモデル770以降も後継車種を開発していたものの、トリッペルが満足のいく開発が進められずEurocar GmbHは解散。その後はドイツ連邦軍にコンサルタントとして勤務し、軍用の水陸両用車両の開発を続けた。モデル770以降に市販化された「アンフィカー」は存在しない。

1965年、ジョンソン大統領がアンフィカーをドライブ。慈善家のユーニス・ケネディ・シュライバー、宣教師のポール・グリンが同乗している。

アンフィカーのエンブレムはアルファベットの「A」が波の上に浮かぶイメージ。

オールスチール製で、あらゆる隙間を溶接で塞ぐ

世界初の市販水陸両用車「アンフィカー・モデル770」は、サブフレームで補強されたスチールモノコックボディを採用。フロアパネルのさらに下側に1.5mm厚のスチールパネルを被せた形で、完全に閉じられたバスタブ状になっている。

現代の小型ボートはFRP製が一般的だが、アンフィカー・モデル770はオールスチール製で、ホイールハウスはもちろん、あらゆる隙間は溶接で閉じられ、灯火類やアクスルにはゴム製のシール(パッキン)が装着されている。ドアには水中走行用にもう一つロック用のハンドルが取り付けられており、ドアに取り付けられたゴムシールにしっかりと密着させることで、水の侵入を防いでいる。

インパネは意外にシンプル。3連メーターの中央が速度、左はアナログ時計、右は燃料とインジケーター。

アクスルシャフトやステアリングシャフトなど、構造上どうしても完全に密封はできないため、エンジンルームには排水用のポンプが装着されている。水上での運行のために、ボンネットの後端には赤と緑に点灯するポジションランプ(航海灯)とシグナルホーンが備えられている。リヤのエンジンフードにも白色のマスト灯が装備されている。

ボンネットの上には赤/緑に点灯するポジションランプ(航行灯)やシグナルホーンが備えられている。

地上での最高速は120km/h、水上では最大6.5ノットという性能を発揮

ボディサイズは全長4330mm、全幅1565mm、全高1520mm、ホイールベースは2100mmで、現代の日本車よりコンパクト。ボディタイプはコンバーチブルのみで、乗車定員は4人。足回りは4輪独立懸架で4輪ドラムブレーキ。ステアリングは水上走行でも機能して舵の役割を担う。

リヤのフロア下には樹脂製のスクリューが2つ取り付けられている。トランスミッションがニュートラル時に動力を切り替えて駆動する。

リヤ側に搭載されるエンジンは、トライアンフ・ヘラルド1200から流用された水冷4ストローク直列4気筒OHV1147ccで、最高出力は38ps(28kW)/4750rpm、最大トルクは80Nm /2500rpmで、エンジンの前方に配置された4速トランスミッションが組み合わされる。これにスクリュー用のギアが追加され、運転席からのレバー操作でスクリューを動作させる。

エンジンは水冷直列4気筒OHVの1200ccで出力は38ps。水上では最高6.5ノットで航行できる。

エンジンはトライアンフ・ヘラルド1200から流用されている。ヘラルドは1960年にモンテカルロラリーにも出場したスポーティなモデル。

地上では最高速度120km/h、水上では最大6.5ノット(約12km/h)の性能を発揮した。発売当初の価格は10,500DM(ドイツマルク・当時のレートで約100万円)で、現代の価値に換算すれば2万8000ユーロ(500万前後)だった。VW TYPE-Ⅰ(ビートル)の約2倍という価格設定だったこともあり売り上げは伸び悩んだ。

水上を航行するアンフィカー。2005年にアメリカで開催されたアンフィカーオーナーズクラブのイベントで撮影されたもの。

1964年には8485DMに値下げされたものの1965年には生産が打ち切られ、1968年までに3878台が販売された記録が残るが、約80%にあたる3046台がアメリカに輸出されている。日本へはウエスタン自動車を通じて5台が輸入され、ヤナセを通じて販売された。

25年以上ガレージで眠っていたアンフィカーが復活

そんな超希少なアンフィカー・モデル770が、今年1月に幕張メッセで開催された東京オートサロン2026で展示されていた。写真を見て気づいた方もいるかもしれないが、この車両は年末のバラエティ特番でタレントが購入してプロの手によりレストアされ、ネットオークションに出品されていたもの。

前から見れば少し車高の高い2ドアオープンカーにも見える。5ナンバーサイズのコンパクトカーより少し小さめ。

北米市場を意識していたためか、リヤにはテールフィンが備わるが、テールランプは小さく全体的なデザインは控えめな印象。

新潟のカーショップ「ワイズスクエア(https://wisesquare.jp/index)」がレストアを行い、現所有者の協力によって展示されたもの。ヤナセを通じて販売された5台のうちの1台で、25年以上ガレージで眠っていた車両だ。

水上走行のためにマフラーの排気口は高い位置に設置されている。喫水線はバンパーより上になる。

タイヤサイズは165/60-13。純正のタイヤはバイアスで6.40-13だった。フロントのタイヤは舵の役割も持っていた。

車両を購入したのはビンテージカーの共同所有サービスで知られるランデヴー。今後、共同所有のラインアップに加えられる予定だとか。気になる方は同社のウェブサイトをチェックしてみてほしい。

バラエティ番組の撮影で使用した救命胴衣やオールが後部座席に。オールには出演者のサインが入っていた。

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