自動車用バイオエタノール燃料の製造研究に向け、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合に糖化酵素を供給へ

  • 花王株式会社(ニュースリリース)[PR TIMES]

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花王株式会社(社長・長谷部佳宏)は、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(理事長・中田浩一)と「バイオエタノール生産研究設備における糖化酵素使用に関する合意書」を締結しました。今後、非可食バイオマスを原料とした「第二世代バイオエタノールの生産研究設備*1」での糖化酵素使用に向けて、両者で取り組みを進めていきます。
*1 次世代グリーンCO2燃料技術研究組合より日鉄エンジニアリング株式会社(社長・石倭行人)が設計・調達・建設を受注し、福島県双葉郡大熊町に設立するバイオエタノールの生産研究設備 https://www.eng.nipponsteel.com/news/2023/20230602.html

次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(研究組合)とは 

ENEOS株式会社、スズキ株式会社、株式会社SUBARU、ダイハツ工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、豊田通商株式会社、マツダ株式会社による研究組合。カーボンニュートラル社会実現のため、バイオマスの利用及び効率的な自動車用バイオエタノール燃料の製造に関する技術研究を進めています。

 持続可能性社会に向けた花王の糖化酵素技術 

カーボンニュートラルの観点から、自然由来のバイオマスを利用したバイオエタノールが注目されていますが、バイオマスの利用にはバイオマスを分解する酵素が必要不可欠です。花王は、洗剤用酵素から始まり、30年以上にわたって酵素の研究開発を行ってきました。特に、食料競合回避や環境調和の観点から、一般的には分解が難しいとされている非可食バイオマス*2の利活用を重視しており、高効率で分解できる酵素を研究してきました。

このたび花王の酵素技術が認められ、研究組合が行うバイオエタノール生産研究において、非可食バイオマスを糖に分解する酵素として花王の糖化酵素が導入されることになりました。

*2 トウモロコシやサトウキビなどの可食バイオマスに対して、食用以外の植物や農業残渣(ざんさ)などを利用したバイオマス。

 研究組合のバイオエタノール生産設備での花王の糖化酵素利用に向けて 

研究組合は、福島県大熊町に生産研究設備を建設し、非可食の植物を原料としたバイオエタノールの研究を行う計画です*3。バイオエタノールは、①バイオマスに前処理を行い、②バイオマスを糖化酵素で糖に分解、③糖を酵母菌*4で発酵させてエタノール発酵液を製造、④エタノール発酵液を蒸留・精製することで製造されます(図1)。花王が独自に開発した糖化酵素は②のバイオマスを糖に分解するための工程で使用される予定です。

*3  大熊町及び次世代グリーンCO2燃料技術研究組合、企業立地に関する基本協定を締結

*4  トヨタ自動車株式会社が開発した酵母菌(TOYOTA XyloAceTM)

図1. バイオマスからエタノールを製造するプロセス図1. バイオマスからエタノールを製造するプロセス

まとめ 

花王は、独自酵素の開発やその製造方法についての研究開発を行い、その成果を自社製品に応用してきました。昨今のバイオマス利用の広がりと、それに伴う高性能な糖化酵素へのニーズの高まりを受け、今後はバイオエタノール燃料製造に必要な糖化酵素を国内外の顧客要望に応える形で提供していく予定です。これにより、産業界におけるCO2排出量削減と、サステナブルな社会の実現への貢献をめざしていきます。

関連情報 

・次世代グリーンCO2燃料技術研究組合のホームページ https://rabit.or.jp/ 

・花王ケミカル事業部門に関するお問い合わせ https://kaochem.my.site.com/inquiry/s/