2023年5月19日、ダイハツ工業株式会社はハイブリッド搭載のコンパクトSUV「ロッキーHEV」とトヨタ自動車株式会社へOEM供給している「ライズHEV」のポール側面衝突試験に関する認証手続きに不正がはあることが判明したことを公表し、同日から出荷と販売を停止したことを発表した。トヨタも「ライズHEV」の出荷・販売停止を発表している。
●文:月刊自家用車編集部
ポール側面衝突試験において、右側(運転席側)の試験データに対し、左側(助手席側)データを提出してしまった
今回の不正、4月28日に公表された海外向け車両の側面衝突試験の認証申請不正発覚の後の社内点検で判明したものという。
電柱などを模したポールを車両側面に衝突させる試験では、左右の試験を実施する必要で、その試験データの提出が必須だ。「ロッキーHEV/ライズHEV」は、左側(助手席側)は認証機関立会いのもとに衝突試験が実施されたが、運転席側は右側(運転席側)の社内試験データを提出すべきところ、左側(助手席側)のデータを提出してしまったという。
ダイハツ工業株式会社に続き、OEM供給先のトヨタ自動車株式会社(株)も出荷・販売停止を発表した。
「トヨタグループとして、5月12日にグループ各社トップが集まり、『トヨタグループとして誠実にものづくりに向き合う』べくトヨタグループとしての認識を新たにいたしました。現在、弊社も含め各社が全社を挙げて、これまでのガバナンスの在り方などにつき、改めて検討し、徹底的に見直しを始めております。本件についても、ダイハツと共に現場の声に耳を傾けながら、丁寧に対応してまいります。」とプレスリリースでコメント。
ダイハツ工業株式会社もプレスリリース内で、「当社としましては、この度の不正は、車の安全に関わる領域での不正であり、社会的に許されるものではないと考えております。経営マネジメントが現場に寄り添えず、法令遵守や健全な企業風土の醸成が疎かになる中で、正しいクルマつくりを見失い、不正行為を発生させたと考えられます。今回の不正行為を単にひとつの業務行為の問題で終わらせることなく、企業グループ全体の理念、行動指針に結びつけた改革となるよう、まずは全員で立ち止まり、不正行為をせざるを得なくなった背景・環境・真因を徹底的に究明、改善・再発防止に取り組み、膿を出し切ることで、二度と同じ過ちを繰り返さない会社と変える決意で取り組んでまいります。
当社は、第三者委員会による事案の全容解明および真因分析に全面的に協力してまいります。また、経営マネジメントは直ちに現場とのコミュニケーションをとり、本音で話のできる職場つくりに注力してまいります。」とコメントしている。
今後の対応については、現在確認中のため、改めて報告するとしている。
ダイハツ「ロッキーHEV」とトヨタ「ライズHEV」は、2021年11月から販売を開始。2023年5月18日時点の累計販売台数は、「ロッキーHEV」が2万2329台、「ライズHEV」は、5万6111台となっている。
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