前身となるジープBJ型の登場から数えれば70余年、トヨタ・ランドクルーザーは国産車の中でも屈指の歴史を綴り続けているモデル。世界にも向けて「日本車」の優秀さを発信した最初のクルマともいっていい。その長い歴史の中で覚えておきたいモデルを紹介しよう。
●まとめ:月刊自家用車編集部(ハラ)
1951 前身となるジープBJ型が誕生。1954年からモデル名を「ランドクルーザー」に変更
いまやおなじみの「ランクル」の始まりとなったのが、1951年に開発されたトヨタ・ジープBJ型だ。梯子型シャシーにリーフリジットのサスを与えられた硬派なメカニズムで、パワートレーンは3.4L直列6気筒ガソリンエンジンを搭載。当初の目的だった自衛隊への納入は逃したものの、消防のポンプ車や警察などの業務用として着実な実績を重ねていた。
そして1954年に名称を“ランドクルーザー”へ改名。このランドクルーザーは、翌年の1955年に登場したクラウンよりも古い、トヨタ最古のブランド名でもある。
1955 初のフルモデルチェンジを実施。2代目ランドクルーザーが登場
1955年に登場した2代目ランドクルーザー(20系)は、頑健な作りと走破性が海外でも認められ、トヨタの海外進出のパイオニアとして機能した。
初代と異なり民間向けを意識したデザインを採用。ホイールベースも2,285mm、2,430mm、2,650mmと3タイプが用意されるなど、より幅広い用途に応えることができるバリエーションが用意される。駆動方式も4WDのほか警察車両向けにFR仕様、ボディタイプもソフトトップ、ピックアップ、2ドアバン、4ドアバン、さらに1959年にはワゴンも追加されている。
1960 3代目の「ヨンマル」は、24年間もの長きの間、愛され続けた功労車
1960年に登場した3代目モデルは、前年に投入された20系ワゴンのブラッシュアップモデルともいえる立ち位置で、ソフトトップ、2ドアバン、4ドアバン、ピックアップなどを設定。シャシーは20系のものを踏襲されており、ホイールベースが異なるショート2,285mm、ミドル2,430mm、ロング2,650mmの設定も同じだ。1973年にはランドクルーザー初となるディーゼル車(3.6L直列6気筒)も投入されている。
強靭なシャシー性能に加えて、副変速機を増設&ギア比の変更といったトランスミッションの改良を加えたことで、高速性能と快適性が強化。特に海外での評価が高く、「ヨンマル」の愛称で長らく活躍した。
1984年に70系にフルモデルチェンジされるまで生産されるなど、ランドクルーザーを不動の地位に押し上げた功労車だ。
1984 ランドクルーザーの系譜を受けづくヘビーデューティがフルモデルチェンジ。70系が登場
ランドクルーザーは、伝統を色濃く受け継ぐヘビーデューティ仕様の40系のほかに乗用車寄りの派生モデルとしてステーションワゴン(50系、60系など)も登場させていたが、24年ぶりのヘビーデューティ仕様としてフルモデルチェンジされたのが、この70系だ。
スタイルは40系を踏襲しているがフロントに曲面ガラスを採用するなど乗用車色も強まった。室内は居住空間を拡げ実用性を向上。幌タイプ、バンタイプに加えてFRPトップ車も設定される。多用途に対応させるためにホイールベースは2,310〜3,180mmまで、5タイプの仕様を用意している。
国内向けモデルは2004年に終了したが、その後、2014年に突如として発売30周年を記念する1年半の期間限定車として復刻。V6の4Lガソリン車のみだが、往年のタフで実用的なランドクルーザーを求めるマニアから大喜びされた。この復活した70系は、4ドアバンのほか、ダブルキャブ5人乗りのピックアップもラインナップしている。
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