日産自動車株式会社は、12月22日に日産グループである学校法人日産学園 日産・自動車大学校の学生が制作したカスタマイズカーを、「東京オートサロン2024」に展示することを発表した。若い学生ならではのアイデアを盛り込んだ3台のコンセプトカーを出展する。
●文:月刊自家用車編集部
日産・自動車大学校の中でも車体系の課程を有す愛知校・京都校の学生たちが授業の集大成として制作
日産・自動車大学校は、全国に栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校と5校あり、自動車整備の国家資格取得を目指す学科に加え、モータースポーツ系や車体系(板金・塗装)の課程をもつ自動車整備専門学校だ。今回カスタマイズカーを制作したのは車体系の課程を有す愛知校・京都校の学生たちで、授業の集大成として制作した3台の車両を出展する。
最初に紹介するのが、日産京都自動車大学校の自動車整備・カスタマイズ科4年生が制作した「ELGLAND GLASSIER」だ。制作期間は6ヵ月。車両コンセプトは、「紡ぐ」で、両親と二人の兄弟と祖父母、仲の良い6人家族に乗ってもらうことをイメージ。キャンプなども楽しんで、笑顔が絶えない車を目指しながら、アウトドアを満喫して家族の絆を深めて欲しいという思いも込められている。
「ELGLAND GLASSIER」は災害時に悪路走行することも想定して、車高はベース車両のエルグランド(E52)から4cmアップ。ルーフには大型テントも設定されている。そしてなんと言っても特徴的なのは、オフロード感を出すために「エクストレイル(T33)」のフェイスを採用しているという点。エルグランドをベースにしながらも見事に一体化させている。
リヤは「今ドキ感」を感じさせる一直線のテールランプをあしらい、ボディカラーには学生がオリジナルで調色した、夜明けをイメージしたグリーンを採用。リップスポイラーやサイドステップ、インテリアには朝焼けの雲に照らされるオレンジを差し色として使用している。
2台目が「キューブ(Z12)」に「ブルーバード(410)」のフロントフェイスとテールランプをあしらった「SETO」だ。「ELGLAND GLASSIER」と同じく日産京都自動車大学校の自動車整備・カスタマイズ科4年生が制作し、制作期間も同じ6ヵ月。コンセプトは「過去と現在の架け橋」で、前述の仲の良い6人家族の姉(22歳)がお洒落なカフェや都会のナイトライフをクルマと共に楽しむシーンをイメージとかなり細かい設定だ。
「キューブ(Z12)」に「ブルーバード(410)」という異なるクルマのフェンダーとボンネットを自然な形でつなぎあわせるべく、溶接・パテ造形の調整を何度も繰り返し、見事に調和させているのが特徴で、ヘッドランプには「現在」感を意識してLEDを取り付けている。
「SETO」は、姉が友達と自由気ままな旅行に行くシーンを想定し天井にバケットを装着。ボディカラーは、学生が考案した淡い紺色で、姉が友人とナイトライフを楽しむべく、夕方の青から漆黒の夜にむけて出かけるシーンを表現したカラーにしたという。
そして3台目が、日産愛知自動車大学校自動車整備・カーボディーマスター科3年生が制作した「Adonis SKYLINE」だ。ターゲットはクルマ好きな20代男性で、仕事もプライベートも充実した若者が普段使いするシーンを想定。
ベーストとなるのはその名の通り「スカイライン(ER34)」。スカイラインの流麗なボディラインはそのままに、持ち主の充実ライフを表現すべく、5㎝ワイド化して堂々としたフォルムを実現。制作過程では、ボディラインのゆがみが出ないよう、位置合わせや修正に多くの時間を費やしたという。
インテリアはダッシュパネルの表面も変更し、落ち着いた車内空間を演出し、ボディカラーには「Adonisホワイト」と名付けた、学生オリジナルのフレッシュな調色を施してコンセプトである美少年を表現している。
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