軽トラックを購入して2年。「荷台の上でキャンプをしたら快適そうだな」と感じていたのですが、試す機会がないまま今日まで過ごしていた筆者、高木はるか。今回は意を決し、荷台の上で車内泊ならぬ「車上泊」にチャレンジしてみました。快適な寝心地から思いもよらぬトラブルまで、まるっと正直にお伝えいたします!
●文/写真:高木はるか ●まとめ:月刊自家用車編集部
軽トラックで車上泊しよう!
カブを載せて遠出をするために購入し、2年間での走行距離は1万5000kmほど。当初の狙い通り大活躍をしてくれています。
ある日、ふと「軽トラックの荷台って、平らだし広いし寝心地がよさそうだなぁ…」なんて考えが頭をよぎりました。ハイゼットジャンボの荷台は1650mm×1410mm(フロア長は1990mm)。背の高い方はまっすぐ寝転がることができませんが、身長156cmの筆者であれば余裕のサイズです。
デコボコで雑草だらけな地面であっても荷台の上なら影響を受けないので、きっとどんなテントよりも快適な寝心地が待っている予感がします…!まずは検証のため、オートキャンプ場で1泊してみることにしました。
寝床を用意しよう
車上泊をするために工夫すべきポイントのひとつが、荷台の床面です。
今回の撮影をしたのは2023年12月。キャンプ場の夜の気温は0度近くに下がります。荷台は金属でできているため底冷えで寝られなくなってしまいますし、さらに言えば床面の凹凸が邪魔になってしまいます。
幸い筆者の軽トラックの荷台には、既に木の板とゴムシートが敷いてあります。
これは、以前スパイクタイヤ(雪上を走るために金属製のピンを取り付けたタイヤ)を履かせたスーパーカブを積載したためで、荷台を平らにして滑りにくくし、そしてピンでひっかき傷がつくのを防ぐ目的がありました。
木の板もゴムシートもホームセンターで購入し、ジャストサイズにカットして使用しています。すべて揃えて1万~1万5000円ぐらいになるかと思うので、特に冬季に車上泊する方にはおすすめですよ。
さて、それでは住居スペースを作っていきましょう。新しいピクニックシートを敷いて土足厳禁エリアを作ったら、
コット(組み立て式の簡易ベッド)を組み立てます。
自宅で何度も練習して来たのですが、全長1900mmのコットを荷台の上で組み立てるのは至難の技。ポールを組み立てるだけでもあっちへゴン、こっちへゴンとぶつけてしまいます。
最終的に「窓ガラスにだけはぶつけないように…!」と、なるべく後ろ側へとはみ出すようにしながら組み立てました。
コットを組み立てたら、見た目は早くも住居らしくなりました!
さらに日光・雨・露などを防げるようにタープを張れば…
軽トラックの車上泊スタイルが完成です!
実際に設営をしてみた感想としては、思っていたほど荷台は広くなく、コットとテーブルを置けばそれでいっぱいになってしまいました。
加えて筆者の場合はバイクを積載するためのラダー(梯子のようなもの)をウッカリ積みっぱなしにしてしまったため、更にスペースが狭くなる結果に。テーブルを置けば、コットをチェア代わりに座った状態で膝を曲げてようやく座れるほどスペースです。
奥に置いたラダーがなければもう15cmほど広くはなりますが、特に背が高い方は長時間過ごすのは辛いかもしれません。スペースを広くしたい方はコットを使わずマットのみで寝たり、食事などの際には車外にテーブルとチェアを置いて使用したりといった工夫が必要になりそうです。
また木の板やゴムマットを敷いても、冬の荷台は冷え込みます。テントブーツなどを履いて対策するのがおすすめですよ。
お手軽キャンプ飯を作ろう!
キャンプではなるべく簡単に料理を済ませたい。そんな方にピッタリなのが、ローソンで買える冷凍ホルモン鍋です。
火にかけるだけで、お酒にもご飯にも合うちょっと濃いめの味噌味ホルモン鍋が完成!下処理不要で味もしっかり染みているため、自分で作るよりも断然美味しいんです。
今回はアレンジとして、ネギと白菜を追加してクタクタになるまで煮込みんだり…
締めにご飯と卵で雑炊を作って、お腹いっぱいになるまでホルモン鍋を堪能しちゃいました!
雑炊を作れば、残ったスープを捨てなくてよいので一石二鳥。味が薄くなってしまうので、塩・醤油・七味などをチョイ足しすると更に美味しく締められますよ。
食後のひとときはお酒とおつまみをいただきます。この日選んだのは、キムチ味するめとチャミスル(韓国の焼酎)のマスカット味。
音楽を聴きながらランタンの火を眺めてリラックスしたり、お気に入りの動画を見たり、果てはやり残した仕事を進めたりと4時間以上も荷台の上で過ごした後に就寝したのでした。
夜中のトラブルで緊急避難!
荷台での寝心地は快適そのものでした。タープのおかげで直風も露も当たることなく、コットのおかげで底冷えの影響も受けません。ストンと眠りに落ちたまま朝を迎えるかと思っていました。
…ところが。タープを激しく叩く雨の音で目が覚めたのは午前4時ごろのことでした。この日の天気は小雨のち曇りの予報だったのですが、バチバチと響く大きな音は「大雨」と呼べる状況です。
慌てて枕もとに置いていたライトを点灯すると、既に雨が降り始めて時間が経っていたのか、荷台が浸水しつつあるではないですか…!
雨雲レーダーを確認すると、このあと数時間は同じ勢いで雨が降り続ける予報が出ています。「このままではマズい!」と、すぐさま荷台を出て運転席へと避難しました。
幸いなことに筆者は過去に何度も軽トラックでの車内泊をしていたため、その後は目覚めることなく朝までぐっすりと寝ることができました。
軽トラックの車内は座席2つの窮屈なものですが、それでも心の底から「車があって助かった…」とホッとしました。
車上泊=ほぼタープ泊
一晩過ごしてみて、荷台での宿泊は「快適だけど天候不良に弱い」ということを改めて感じました。軽トラック車上泊は、タープ泊と同じ条件と考えてほぼ間違いはありません。
タープに対して優れている点は、
・地面の状況に影響されない
・動物の被害を受けにくい
・土足厳禁にしやすい
・荷台に荷物を広げっぱなしでも帰れる
・悪天候時に避難できる(ただし、乗用車+タープ泊には劣る)
といったところです。
「浸水さえしなければ朝まで快眠だっただろうなぁ」と考えると、小雨の予報を甘く見て出かけた点と、雨への対策が甘かった点が悔やまれます。
荷台の上は多少狭いものの、慣れさえすれば秘密基地のような空間が広がっています。天気にさえ気を付ければそれほどハードルは高くないため、皆さんも是非試してみてくださいね!
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