クルマの部品はそのまま放置しておくと錆が発生して再使用できなくなることも……。それゆえ取り外した部品を保管しておく時には、きちんとした処理が必要。最適なケミカルを正しく用いれば、コスパ良く最良の状態を維持することができる。今回は覚えておきたい3つのポイントを紹介しよう。今回は呉工業から発売している防錆剤3-36を使用した。
●写真/文:オートメカニック編集部
ポイント1【汚れと錆をしっかり落とす】
油汚れが付いたままの方が錆びにくいという意見もあるが、そんな状態では防錆剤の効果をフルに発揮することができない。さらにグリス類は古くなると変質して硬化してしまうため、部品のスムーズな動きをスポイルしてしまう可能性もある。
しっかりと汚れを除去した後に防錆剤を使えば、部品の良い状態を長期間維持することができる。可動部分に関しても使用するときにグリスアップすれば問題ない。
【今回使用する防錆・潤滑剤】
- 金属表面全体に防錆被膜をムラなく形成し、水や酸素による金属腐食をシャットアウト
- 強力な浸透力と清浄力で金属表面に付着したサビ・汚れ・カーボン・油などを浮き上がらせ、同時に潤滑効果を与える
- 石油系溶剤では容易に除去できるため、中間加工品やアッセンブリーパーツの保管に最適
- 有機則規制外商品
- 成分:鉱物油、防錆剤、石油系溶剤
- 容量:430ml
- 製品サイズ:200×Φ66(mm)
- 製品重量:430g
- 消防法分類:第3石油類、危険等級Ⅲ
ポイント2【防錆処理と注油】
部品の汚れを落としたら、防錆剤をスプレーして防錆処理を行う。3-36 はスプレータイプなので、全体に満遍なくスプレーできて便利。金属以外のパーツには防錆剤が付かないように注意しつつ、少し光沢が出るくらい塗布した。なお3-36 には潤滑効果もあるので、回転部や動作部に使用してまったく問題なし。
ポイント3【防湿して保管する】
長期間錆を発生させずに保管するために、できる限り湿気や水分をシャットアウトしたい。小さいパーツならタッパーやファスナー付きの食品保存バッグなどに入れて保管するのがいいだろう。このとき、防錆剤を含ませたペーパーウエスで包んでおくと防錆効果を長持ちさせることができる。また、市販の防錆紙などもあるので、それらを利用して保管するのもいいだろう。
工具の防錆にも注意が必要
工具を雑に使っていると、いつのまにか錆が付着していることも。特にニッパーやラジオペンチは水回りで使うことも多い工具。油断していると真っ赤に錆びて動きが悪くなることもありえる。定期的にしっかり汚れを落として、防錆&潤滑をしておくことをオススメしたい。