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[多くの人が勘違い]タイヤ交換時にやりがちなNG行為。正しい手順を解説

クルマのメンテナンスはディーラー任せというカーオーナーでも、いざというときのトラブル対応として、タイヤ交換の正しい手順を知っておいても損はないだろう。ビギナーでもできる、基礎知識を解説していこう。

●写真/文:月刊自家用車編集部(オートメカニック)

ビギナーのためのタイヤ着脱の基礎知識

基礎知識といっても、長々と解説してもわかりにくくなるだけなので、ある程度ポイントを絞って紹介しよう。ちなみに、ジャッキアップについては、以前に解説しているのでそちらの記事を参照して頂きたい。

まず、ホイールナットの緩め方についてたが、ジャッキアップ前に行うのが基本。理由は簡単で、ホイールナットを緩める際にタイヤを空転させないためだ(ブレーキを踏むという方法もあるが…)。ただし、ジャッキアップ前に緩める程度は、1/2〜1回転で十分だ。

同様に、ホイール装着時の本締めも、タイヤ接地状態で行うのが基本だ。これを知っているだけでも、タイヤ着脱がかなりスムーズに、そして確実に行えるはず。では、具体的に、タイヤ着脱時の手順を解説していこう。

タイヤを外す場合の手順解説

ホイールナットの締め・緩めには、やはりクロスレンチがベストだ。まず、ジャッキアップする前のタイヤ接地状態で、各ナットを1/2〜1回転程度緩める。それ以上は緩めないように注意。

タイヤ接地状態で、各ナットを1/2〜1回転緩める。

ホイールナットが固くて回らない場合は、写真のようにレンチの片側を支えるように車載ジャッキをセットして、レンチが外れないよう気を付けて蹴り込む。延長パイプを差し込んでもいいだろう。

ナットが固い場合は写真のように車載ジャッキを利用して足で蹴り込む。

タイヤを装着する際の手順解説

ホイール・ハブの接触面を掃除してホイールをはめる。ナットはてで回せるのが当たり前、手で回せないほどシブい場合は、ネジ面に汚れや損傷の可能性が考えられるので、一度チェックした方が良いだろう。

ジャッキアップ中にタイヤホイールをセットしナットを取り付ける。

ホイールナットの締め付け力は、一般的に10kgf/cm程度とされている(各メーカーや車種でことなるので、既定値は各車両で確認して下さい)。レンチに乗っかり全体重をかけて締め付けるというのは、締めすぎなのでご法度! 絶対にやってはいけない。飽くまでも目安だが、手で力一杯回す程度で十分だろう。

レンチに乗っかって締め付けるのは明らかに締めすぎなのでご法度。

ナットの締め付け順序

ホイールナットの締め付け順序は、4穴や6穴は対角線の順番に、5穴は写真の矢印で示した順番で締め付ける。理由は、この順序で締め付けた方がパーツの座りが良いため。実はこの順序、ホイールに限らず、ネジの締め方の順序の基本だと言えるので、覚えておきたい。

4穴、6穴タイプは対角線の順序でナットを締め付ける。

5穴の場合は、矢印の順序でナットを締め付けていこう。

いかがだっただろうか? たかがタイヤ交換、されどタイヤ交換、実は確実に行うにはノウハウが存在するということをご理解いただけただろうか? 正しい着脱方法をマスターしておけば、万が一のトラブル時でも慌てず、冷静に対処できるはず。是非、この記事を参考にしてみてほしい。

クルマのメンテナンステクニックも満載の臨時増刊号

本記事は、オートメカニック特別編集の臨時増刊号『クルマのDIYガイド 工具&道具の正しい使い方』に掲載されているものから抜粋・加筆している。同書には、役立つDIYテクニックが満載なので、興味のある方は是非、手にとって見てほしい。