運転しながらのスマホ操作は、もちろん違反。だけど食事をしながらの運転ってどうなのよ? ということで、この記事では運転中の食事行為について掘り下げて紹介してみよう。
●文:月刊自家用車編集部
運転中の食事(お茶/飴/パン/おにぎり等)はすべて違反になるのか
運転中の食事は法律によって厳密に禁止されているわけではないため、すべてが違反行為とはなりません。
しかし、食事をすることで運転手の手が塞がってしまうため、ハンドル操作ができなくなる可能性があることや、注意散漫につながり、交通事故を引き起こす可能性が高まるという理由から避けることが望ましいとされています。
また、食事中に食べ物がのどに詰まる危険性があり、その場合、運転手が咳き込んでしまい、視界が悪くなるなどのトラブルが生じる可能性もあります。
そのため、食べるものがおにぎりであるのかパンであるのか、飴であるのか、また飲料であるのかという点によって罰則が変わるというわけではありません。
ただし、運転が妨げられる/注意散漫になる/交通事故を引き起こすなどの行為により、道路交通法や道路交通法施行令に基づき、罰則が科せられる可能性があります。
具体的には、過失運転致傷罪や道路交通法第63条に違反した場合には、罰金や懲役刑が科せられることがあるのです。
知っておきたい、ながら運転の罰則について
ながら運転とは、運転中にスマートフォンやタブレット端末を使用する/テレビ視聴/食事など、何かをしながら運転することを指します。
ながら運転は、交通事故を引き起こす原因となり、交通安全上の重大な問題とされているため、道路交通法では、車両の運転に関して必要な注意を怠り、もって交通の秩序を乱すおそれのある行為を禁止しています。
ながら運転をした場合には、警察官から注意・警告を受けたり、違反点数が科せられたりすることがあります。
とくに、運転中のスマートフォンの使用については、2019年12月に道路交通法の改正が行われ、厳罰化されました。
運転中の通話やスマホの画面を注視した場合には、「携帯電話使用等(保持)」の違反に該当し、違反点数3点、反則金(普通車の場合)1万8000円、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が課せられます。
また、ながら運転が原因で交通事故を引き起こした場合には、過失運転致死傷罪においても、重大な罰則が科せられる可能性があります。
ながら運転に対する取り締まりは厳罰化されており、罰則が科せられる違法行為となっているため、運転中には安全運転を心がけ、運転に集中することが重要です。
【運転中の食事など…ながら運転に対する対処法とは】
これから行楽シーズンに入っていく中で、食事をはじめとしたながら運転を防止する対策としてどんなことができるのでしょうか。
まず、運転中にスマホや携帯が必要になる場合には、事前に必要な情報を確認してから運転に臨むようにしましょう。
また、同乗者がいる場合には案内を頼み、カーナビや音声アシスタントを活用して聴覚から情報を取り込み、視線を前方に向けたまま運転できる状態を作ることがおすすめです。
飲食やメイクについては、特に片手でハンドル操作ができる飲料や軽食には注意が必要です。常に万全の状態で運転ができるよう、サービスエリアやコンビニを活用し運転中に飲食やメイクをしなくてもいい状態にしておくなど、事前に備えるようにしましょう。
また、必要があれば休憩を取るということも重要で、長時間の運転中には、疲れがたまって集中力が低下することがあります。
ながら運転に限らず、必要であれば、定期的に休憩を取るなど体調を整えるという点も意識しましょう。
運転中におにぎりやパンを食べること、飴を舐めたり、お茶を飲むことは、法律として厳密に禁止されているわけではありません。
しかし、ながら運転など、運転中における危険行為に該当する、危険運転を引き起こす可能性がある場合には、食事の内容に関わらず、罰則が課せられる可能性があります。カップラーメンや弁当は、もはや両手がハンドルから離れますし、言わずもがな。
このくらいならいいだろうと思わず、運転中には運転に集中できるよう事前に準備してから運転するようにしましょう。
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