
三菱自動車は、欧州市場向けの新型コンパクトSUV「グランディス」を世界初公開した。2025年内に欧州地域で順次販売を開始する予定。なお、生産はスペインのルノー・バリャドリード工場が担当する。
●文:月刊自家用車編集部
ルノーとのアライアンスから生まれたコンパクトSUV
新型「グランディス」は、2023年に欧州で販売を開始したコンパクトSUV「ASX」、コンパクトハッチバック「コルト」に続く、ルノーCMF-Bプラットフォームを採用するコンパクトSUV。
CMF-Bプラットフォームは、日本にも導入が始まったルノー・キャプチャーも採用しているため、グランディスは、キャプチャーと密接な関係を持つモデルといえる。
縦型の10.4インチスマートフォン連携ディスプレイオーディオを配置するインパネレイアウトを採用するなど、内装まわりはキャプチャーに通じる部分も見かけられるが、外装はダイナミックシールドなどの三菱のアイコンが用いられ、ほかにもグランディス専用のパーツが用いられることで存在感のあるスタイリングを実現している。
なお、グランディスの車名は、ラテン語で「大きい」「雄大な」を意味しており、三菱自動車はコンパクトSUVながらも広々とした室内空間と力強いエクステリアデザインを実現していることをアピールしている。安全運転支援機能に関しても、超音波センサーやカメラ、前方レーダーを用いた多数の予防安全技術を搭載。欧州の厳格な安全基準を満たす内容が与えられているなど、競争が厳しい欧州市場で戦える実力派に仕立てられているのは間違いない。
スイッチ操作でガラスの透過と調光の切り替えが可能なパノラマガラスルーフ(調光機能付)も設定。
国内不在のカテゴリーだけに、今後の動きが見逃せない
パワートレーンは、マイルドハイブリッド(MHEV)モデルとハイブリッド(HEV)モデルの2種類をラインナップ。
マイルドハイブリッドモデルは最高出力は103kWを発揮する1.3L直噴ガソリンターボエンジンを搭載。6速マニュアルトランスミッションまたは7速デュアルクラッチオートマチックトランスミッション(7DCT)から選択が可能。
ハイブリッドモデルは、最高出力80kWの1.8L自然吸気4気筒ガソリンエンジン&2つのモーター(36kWの駆動用モーターと15kWの発電用モーター)、エンジンとモーターの最適な動力配分を自動で制御し駆動を最適化するパワーエレクトロニクスボックスが組み合わされる。システム最高出力115kWを発揮する。いずれも環境規制が厳しい欧州市場の需要を満たす、最新設計のパワーユニットが採用されている。
三菱自動車のニュースリリースでは、グランディスは欧州市場向けのモデルとしてアナウンスされているが、2024年に終売したRVR以降、三菱の国内向けコンパクトSUV(全長4m強)にはメインとなるモデルが不在の状態が続いている。
最新ハイブリッドを搭載するパワーユニットや最新の車載IT&安全機能など魅力あふれる内容だけに注目度は満点。インドネシアで発表済みのコンパクトSUV「エクスフォース」と同様に、国内市場での展開を大いに期待したいモデルだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(三菱)
3年ぶりの総合優勝を目指し、3台体制で参戦 今年で30回目を迎えるAXCRは、例年の約2000kmから約2500kmへと総走行距離が延長され、競技期間も8日間に延びるなど、例年以上に過酷な設定で競われ[…]
スノーピークが特別出展「キャンパーの食卓」も登場 スターキャンプは、1991年から続く三菱自動車が主催する名物オートキャンプイベント。これまで1万組以上の家族が参加し、自然の尊さを学びながら、家族や仲[…]
威風堂々、その進化は止まらない。三菱 アウトランダーPHEVが拓く電動SUVの新境地 三菱自動車が世界に誇る電動化技術と、ラリーフィールドで鍛え上げられた四輪制御技術。その粋を結集し、ブランドのフラッ[…]
快適装備で本気のアウトドアを。走破力と居住性を両立した「デリカMV」という選択 三菱のオールラウンドミニバン「デリカD:5」をベースに、快適な車中泊を可能にする専用装備を架装したこのモデルは、“遊びの[…]
環境の時代を見据えたFF2BOX+省エネ技術 頑強だが垢ぬけない三菱車のイメージを一変させたデザイン クルマの売れ筋のトレンドは、時の世界情勢にも左右される。現在では地球環境保護や気候変動抑制という課[…]
最新の関連記事(ニュース)
バッテリートラブルは夏場でも多く発生する バッテリートラブルって、寒い冬場に起きるものだと思っているユーザーが多いのではないだろうか。だが、実はエアコンなどをフル稼働させる夏場のほうがバッテリーを酷使[…]
後側方警戒機能を全グレードに標準装着 今回実施された改良で、ボディカラーに「シトロンイエロー・パール」が追加されたほか、「緊急時プリクラッシュステアリング」や「スバルリヤビークルディテクション」、「エ[…]
専用サイトを通じて最新情報は随時更新予定 「e VITARA(以下e ビターラ)」は、EVらしい洗練された先進性とSUV特有の力強さを兼ね備えたデザインが与えられた、スズキの世界戦略モデル。 今後、グ[…]
上質感のある内外装が、子離れ層を含む幅広い世代に支持されている ダイハツ・ムーヴは、1995年の誕生以来、30年にわたり販売されている軽ハイトワゴンのロングセラーモデル。 今回で7代目となる新型は「今[…]
大阪オートメッセでお披露目されたDパーツが、待望の製品化 今回発売されるカスタムパーツは、2025年2月に開催された大阪オートメッセのエーモンブースにて初お披露目された、新ブランド「BANDIERA([…]
人気記事ランキング(全体)
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
引っ張るだけでOK、瞬時にセット完了 ロール式サンシェードの最大の魅力は、その操作の簡単さにある。取り付けは非常にシンプルで、工具も必要なくサンバイザーに専用パーツを固定するだけ。その状態でロール部分[…]
たった1秒でサンシェード。ロール式で驚きの簡単操作 ワンタッチサンシェードは、サンバイザーにベルトで固定しておけば、あとはシェードを引き下ろすだけ。駐車するたびに取り出す必要はない。収納もワンタッチで[…]
奥まで届く薄型設計で内窓掃除が快適に 近年の車はフロントガラスの傾斜が鋭角になり、従来の内窓ワイパーでは掃除しづらいケースが増えている。特にプリウスなど一部車種ではダッシュボード付近に大きなモニターや[…]
2代目ローレルは、ケンメリスカイライン(4代目)とシャシーを共有する兄弟車だった 2代目のローレルは1972年の4月に発売されました。この頃のローレルの日産内の立ち位置は“高級GT”といった感じで、ス[…]
最新の投稿記事(全体)
バッテリートラブルは夏場でも多く発生する バッテリートラブルって、寒い冬場に起きるものだと思っているユーザーが多いのではないだろうか。だが、実はエアコンなどをフル稼働させる夏場のほうがバッテリーを酷使[…]
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
暗所の映像も鮮明に記録。2つのカメラにSTARVIS技術搭載センサーを採用 ドライブレコーダーのトップブランド、コムテックが新たにリリースした新機種、ZDR-850Rは、前後2つのカメラで全方位を記録[…]
座るだけでクールダウン 夏のドライブが快適になる最新カーシート 夏の車内は、ただでさえ暑い。長時間の運転や渋滞に巻き込まれたとき、背中やお尻の蒸れが不快感を倍増させる。そんな夏の悩みを一気に解消するの[…]
大阪の商人らしい、「商いのうまさ」で誕生したコンパーノ コンパーノは、ダイハツが戦前から築き上げてきた商用車メーカーとしての地位から、乗用車市場へと本格的に参入する転機となった記念すべきシリーズモデル[…]
- 1
- 2