
オープンカーと聞くと、夏の風を感じながらドライブする楽しさを想像する人は多いでしょう。ではもしも運転中に雨が降ってきた場合、オープンカーの屋根を閉じる代わりに傘をさして運転することは、違反にあたるのでしょうか。
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
傘をさしたままオープンカーで走行!これってアリなの?
オープンカーの魅力は開放感や自由さにあるといっても過言ではないでしょう。特に夏の時期は風を感じながら海沿いをドライブするなど、オープンカーでしか味わえない体験ができます。
しかし夏になると大気の状態が不安定になり、夕立/ゲリラ豪雨など突然大量の雨が降り出すことがあります。そのような状況において、濡れることを避けるために一時的にでも傘をさすことは認められるのでしょうか。
そもそも傘は風にあおられやすく、車の運動と風速により急に変形する可能性があります。これによってドライバーの視界を遮るだけでなく、強風で傘が飛ばされてしまうという危険性を孕んでいます。
これは交通法における安全運転義務違反に該当する可能性があり、罰金や免許停止といった厳しい罰則が科せられる場合があります。
傘をさして走行する行為への違反可否はないが、安全運転義務違反にあたる可能性がある。
実際に道路交通法第70条において、”車両等のドライバーは、ハンドル、ブレーキなど確実に操作し状況に応じ運転しなければならない”と定められています。そのため、オープンカーで傘を差したまま走行するのは、安全面から見て推奨できる行為とは言えません。
なお、もしも安全運転義務違反が適用された場合は違反点数2点に加え、大型車が1万2000円/普通自動車が9000円の反則金が科せられます。また、反則金を支払わなかった場合は3ヶ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金を科せられることになってしまいます。
では、ドライバーではなく助手席の人が傘をさした場合はどうなのでしょうか。結論から言えば、ドライバーと同様に助手席の人が傘をさした場合でも危険であることから、推奨できる行為とは言えないでしょう。
前述のように傘が飛ばされると、後続車に影響を及ぼす恐れやドライバーの集中力が妨げられる可能性があります。
また道路交通法第71条においては、”乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること”という記載もあります。
開放感と爽快感が魅力のオープンカー。
ドライバーが傘をさしていない場合でも、安全運転義務違反に該当する可能性があることを念頭に置いておくと安心です。
基本的に多くのオープンカーは、突然の雨に対応できるように電動ルーフを備えています。車体の形状によっては雨天時の走行でもあまり影響がないものもありますが、雨や風から運転席を守る際は、電動ルーフを活用することが最善策となります。
なお、車種によってはルーフが電動でない場合があるので、そういった場合は安全に停車したうえでルーフを閉めましょう。閉じるまでの間にドライバーを含め車内が多少濡れてしまうかもしれませんが、オープンカーに乗っている以上許容しなければならないデメリットと言えます。
雨の日でも安全にオープンカーを楽しむためには、事前に天候をチェックし、適切な判断をすることも重要です。
また、天候予報を頻繁にチェックすることで雨の降り始めを予測し、ルーフを閉じる時間を確保できるかもしれません。オープンカーの雨の日の運転には傘を使わず、電動ルーフを利用することで安全性を確保できます。
これは交通安全法違反のリスクを回避するだけでなく、自身や他のドライバーに危険を及ぼす可能性を軽減するために重要な手段と言えるでしょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
日本車が手本とした、美を優先する伊デザイン。その代表が117クーペ 日本において、商品のデザインが売れ行きを大きく左右することに最初に気づいたのは、松下電器器具製作所(後の松下電器産業、現パナソニック[…]
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
前席は快適でも、後席は意外と暑くて不快な場合も… まだまだ強い日差しが照りつけるこの季節、車内の冷房の稼働は必須と言える。クルマに乗り込んで、涼しい風に当たって「はぁ〜涼しい…」と、ひと息ついていると[…]
2人旅に特化したゆとりある空間 TR540S Joinの魅力は、まず「2人旅に特化」と割り切った設計にある。就寝人数を2名(乗車人数は5名)に絞ったことで、車内レイアウトに余裕を生み出し、広々としたダ[…]
最新の投稿記事(全体)
スズキのBEV世界戦略車が国内導入 新型eビターラは、2024年11月にイタリア・ミラノで初公開された、スズキのBEV世界戦略車第一弾となるモデル。 「Emotional Versatile Crui[…]
剛性の積み重ねが生む一体感 2024年に実施されたゲームチェンジャーとまで言われた20式から24式への進化。その革新的な変化と比べると、24式から25式への進化は「ブラッシュアップ」と表現するのが妥当[…]
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
プロポーショニングバルブの開発で、ブレーキ液圧を適正に制御 クルマは様々な要因で荷重変化が起こり、それによってタイヤの接地性が変化し、制動力が左右される。これを防ぐために開発されたのが前後のブレーキ液[…]
日本車が手本とした、美を優先する伊デザイン。その代表が117クーペ 日本において、商品のデザインが売れ行きを大きく左右することに最初に気づいたのは、松下電器器具製作所(後の松下電器産業、現パナソニック[…]