「その手があったか…」「考えた人天才かよ」iPhoneに意外すぎる機能が実装!クルマ乗る人全員知っておいた方がいい。車両モーションキューを解説

クルマやバスなどに乗車している際にスマートフォンを操作すると、乗り物酔いを起こしてしまう人に朗報だ。乗り物酔いの不快な症状を防止する機能が、iPhoneに実装されたのをご存知だろうか? 実際のその機能を、車内で使用した感想と設定方法をレポートしよう。

●写真/文:月刊自家用車編集部

そもそも、なぜ乗り物酔いは発生するのか?

人によって程度はあるが、揺れるクルマや船などで本を読んだり、スマートフォンを操作したりすると、吐き気などの症状に見舞われることがある。いわゆる乗り物酔いと呼ばれるものだが、なぜ、このような不快な症状が発生するのか?

乗り物酔いの症状には個人差がある。どんなに揺れても酔わない人もいるのだが…。

内耳(三半規管・耳石器)などから脳へと伝達される揺れの情報と、目(視覚)から脳へと送られる情報にズレが生じた際に起こりやすいのが乗り物酔いだ。三半規管は重力の変化により揺れを感知するが、一方でスマホを凝視していると、視覚からの情報では揺れを感知しない(できない)。この情報のズレにより脳が混乱してしまい、吐き気などの症状が起こると考えられている。

内耳のイラスト。体のバランスを取る上で必要不可欠な器官だ。

乗り物酔いを感じた際に「遠くを見ると楽になる」という対処法を聞いたことがあるかもしれない。つまりは、遠くの景色を見て視覚的に揺れを感知することで、内耳からの情報と同調されれば、脳の混乱が解消されて不快な症状が治まるという仕組みだ。

画面に現れた黒い点。これが乗り物酔いを軽減してくれる

iOS18から実装された機能に「車両モーションキュー」と呼ばれるものがある。簡単に言うと、車酔い軽減機能となる。内耳からの揺れの情報と、揺れを感知しない視覚情報とのズレで乗り物酔いが発生するのであれば、スマホの画面で揺れを表現できれば、2つの情報を同期できて、症状が軽減されるんじゃないか?と、Appleの人が考えたかどうかは定かではないが、ざっくり言うと、そのような仕組みだと思われる。

設定方法は記事の下部に明記するが、この機能をONにすると、スマホの画面に見慣れぬ黒点が現れる。

「車両モーションキュー」機能をONにすると、画面の端に黒点が現れる。

スマホ内の加速度センサーが、乗り物の加速や減速、左右の揺れなどを感知すると、その度合に応じてこの黒点が上下左右に移動。つまり、乗り物の動きと同調して、画面がさも動いているかのうような錯覚を作り出すのである。

実際にクルマ移動中にスマホを操作してみると…?

室内で「車両モーションキュー」をONにしても、ただ黒点が現れるだけで、特に変化はないのだが、移動するクルマの中だと、車両の加減速やカーブなどの動きに応じて、目まぐるしく黒点が移動する。乗り物酔いしがちなスタッフが、実際に移動の車内でこの機能を試してみたところ、ほとんど気持ち悪くなることなく、スマートフォンを操作し続けることができた。やはり、それなりの効果はあるようだ。

車両の動きに合わせて黒点も動く。まるで画面が動いているかのような錯覚を作り出す。

正直、このような黒点だけで本当に効果があるのか?と、あまり期待はしていなかったのだが、機能オン状態とオフ状態、どちらも試したのだが、やはり、オンの状態の方が気持ち悪くなりにくかった。ちゃんと効果を発揮してくれるのは意外だった。

ただし、過信は禁物。あくまでも、車酔いを軽減するための機能なので、どうしても操作しなければならない場合の、予防措置程度に考えておいた方が良いかも知れない。

車両モーションキューはその名の通り、路上を走る車両を前提とした機能なのだが、飛行機や波に揺られる船などでも効果があるのか試してみたいところだ。

iPhoneの車酔い防止機能の設定方法

iPhoneの車酔い防止機能の設定方法は簡単だ。下記の写真の通り設定からアクセシビリティに入り、動作から車両モーションキューを選択。オンに設定すればOKだ。設定後に画面の両端に黒い丸が出現したら設定完了だ。

【乗り物酔い防止機能の設定手順】

歯車のアイコン「設定」から「アクセシビリティ」を選択し「動作」へと入る。

すると「車両モーションキュー」の選択項目が現れるのでタップし「オン」を選択すればOKだ。

ちなみに、車両モーションキューは「常時ON」と自動、2つのモードが選べるので、状況に応じて最適なものを選択してほしい。なお、デフォルトではオフの状態となっている。なお、この機能はiOS18から実装されたようなので、OSをアップデートしていない場合は、設定できない可能性が高いので要注意。

※この記事は、効果を保証するものではありません。また、運転中のスマートフォンの操作は行わないようにしましょう。前を向いて座っている場合に最適に動作するように設定されています。