
個性豊かなカスタムカーが揃った『東京オートサロン2025』。スポーティーなクルマが多かったものの、キャブコンやバンコンなどキャンピングカーの出品も意外と多かった。その中でも一番気になったのが、この1台。どうみても煙突が突き出しまくってる! ところが不正改造には抵触していない、ちゃんと公道走行可能な軽キャンパーだとか。一体どういうこと?
●文/写真:月刊自家用車編集部(石川) ●外部リンク:CAR FACTORY TARBOW
ポップなカラーがイケてるPANEL VAN Paw Pal
イエローとホワイトの2トーンカラーで塗り分けられたこちらの軽キャンパー「PANEL VAN Paw Pal」。Bug-truckシリーズで知られる青森のキャンピングカービルダー・CAR FACTORY TARBOWが手かけた1台で、ダイハツ ハイゼットパネルバンをベースとしている。バンパーガードもあいまって、迫力を出しているハイゼットジャンボフェイスは、カスタムされたものだ。
ペットとの旅やアウトドアライフを楽しむために設計されたというだけあって、パネルバンの荷台部分を使った居住スペースは、壁や天井がウッド張りのリラックス空間。フロアはストーン調ながら、ペットが過ごしやすい、多少クッション性のある素材が使われている。豪雪地帯のビルダーだけあって、結露やカビの発生を防ぐ、断熱処理も抜かりない。
ベース車にあった、運転席と荷台を隔てるパネルを取り去っていることもあり、軽キャンパーながら、広々とした空間を確保。エアコンはもちろんのこと、エンジン停止時に使えるFFヒーターも完備ということも、うれしいポイントだ。
じつは、特筆すべき暖房機器がもうひとつある。それが、居住スペースで存在感を放っている“薪ストーブ”! 「クルマが燃えちゃうんじゃ…」と思うかもしれないが、そこは青森のビルダーならではの発想。家で薪ストーブが使えてるなら、車内でも問題ないだろうと考えたという。薪ストーブは完全密閉な上に、排気は全部煙突から外に出すので、安全性も問題なし。「一酸化炭素中毒になるんじゃ?」といった心配も無用だ。
とはいえ、「煙突がルーフから突き出てまま公道走行できるの?」といった疑問も出てくる。答えからいえば、“問題ない”のだ。なにせこの煙突、取り外し可能。使わないときは車内で保管できるのだ。外したらルーフに穴が空くんじゃと心配になるかもしれないが、きちんと防雨/防雪も考えられたキャップが付属するのでご安心を。
見ているだけでも楽しくなってくるPANEL VAN Paw Palは税込355万円~で販売中。薪ストーブとペットに癒やされるひとり旅にいかがかな。
スライドドアに少し隠れてしまっているが、ハニカム構造の装飾が施されたアルミプレートは給排気口カバー。この裏にエアコンが設置されている。また、波上の遮熱板裏にあるのが、薪ストーブ。スライドドアに余計な熱が伝わらないように工夫されている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(キャンピングカー)
無骨さが釣り人の心に刺さる! 実用性と快適性を兼備する釣り用キャンピングカー 釣り車ともいうべき車中泊仕様のデモカーをリリースするのは大阪府堺市に本社を構え、大阪、名古屋、埼玉に店舗を展開するユーアイ[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
日常擁護型の本格キャンパー 街乗りの実用性とキャンピングカーの快適性。その両立は多くのモデルが言葉として掲げるが、実際に成し遂げるのは容易ではない。その点、日産のディーラー直営ショップが手掛ける「スペ[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
無骨な角ばったフォルムが生み出す存在感 「Filbert」の印象を一言で表すなら“無骨で愛らしい”。アメリカンレトロをモチーフにしたその外観は、丸みの多い現代の車とは一線を画している。大きく張り出した[…]
最新の関連記事(ハイゼットトラック/カーゴ)
軽トラベースの高規格キャンピングカーを約束する3つの“C” バディ108 C3パッケージLタイプを販売する東和モータースは、輸入キャンピングカーやフィアット•デュカトベースのキャンピングカー、国産キャ[…]
軽トラックから生まれた本格派キャンパー バロッコは「軽キャンパーでありながら本格的なモーターホームを作る」というコンセプトから生まれている。ベースはダイハツ・ハイゼットトラックだが、ただ荷台にシェルを[…]
“遊び心”を忘れない。大人のための軽キャンパー「Chippy」が切り拓く、新しい車中泊スタイル 「車中泊はあくまで手段」と語るコンセプトのもと、Chippyは単なる寝る場所ではなく、“遊ぶためのベース[…]
働く現場を熟知した、実用性とタフネス設計 ハイゼット(アトレー)の設計思想の根幹には、「いかに効率よく、そして確実に荷物を運び、仕事をこなせるか」という、働くクルマとしての明確な目的意識がある。それを[…]
ベース車両はダイハツのハイゼットカーゴ ハイゼットカーゴキャンパーの魅力は、軽自動車ならではの取り回しの良さと維持費の安さにある。コンパクトな車体は狭い路地や駐車場でも扱いやすく、女性ドライバーやシニ[…]
人気記事ランキング(全体)
車内には、活用できる部分が意外と多い カーグッズに対して、特に意識を払うことがない人でも、車内を見渡せば、何かしらのグッズが1つ2つは設置されているのではないだろうか。特に、現代では欠かすことができな[…]
ホイールベース拡大を感じさせない、巧みなパッケージ設計が光る 2012年に登場した初代CX-5は、魂動デザインとSKYACTIV技術を全面採用した、マツダ社内では6世代商品と呼ばれているシリーズの第一[…]
ホンダの電動スポーツは「プレリュード」だけじゃない Super-ONE Prototypeは、「e: Dash BOOSTER」をグランドコンセプトに、日常の移動を刺激的で高揚感あふれる体験へと進化さ[…]
カッコよくなっても、実用面の堅実さはしっかりと継承 低く伸びやかなボンネットから続くボディラインは、フロントウインドウからルーフ、リヤエンドまで優雅な曲線を描く。これは、生活に溶け込んだクルマという従[…]
●SUVの「死角」を減らす注目アイテム 人気のSUVだが、その車高の高さやボディサイズがもたらす「死角」は、ドライバーにとって常に付きまとう課題だ。カローラクロスも例外ではなく、運転席から遠い左前輪付[…]
最新の投稿記事(全体)
TMS2025で、次期マツダ2のスタディモデルを披露 MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)は、マツダ2の後継モデルと目されているコンセプトモデル。 もちろ[…]
「一人のため」に設計された、新時代の「ショーファードリブン」 「センチュリーはトヨタ車じゃないから」とは、随分と昔にトヨタの開発者から聞いた言葉だ。その後も同様の話はたびたび耳にする。つまりセンチュリ[…]
無骨さが釣り人の心に刺さる! 実用性と快適性を兼備する釣り用キャンピングカー 釣り車ともいうべき車中泊仕様のデモカーをリリースするのは大阪府堺市に本社を構え、大阪、名古屋、埼玉に店舗を展開するユーアイ[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
基本を無視すれば、無用のトラブルを引き起こすことも… 整備作業においてボルトやナットの脱着は避けて通れない基本中の基本の作業。それだけに、ソケットレンチやメガネレンチの使用頻度は必然的に高まる。が、ボ[…]
- 1
 - 2
 
























  