
日常の運転中、突如として現れる「覆面パトカー」。その存在は多くのドライバーの肝を冷やしますが、実は見分け方にはいくつかのコツがあると言います。一見すると普通の車両のようにしか見えない覆面パトカーですが、どこをチェックすれば見分けられるのでしょうか。
●文:月刊自家用車編集部
覆面パトカーの見分け方とは?
覆面パトカーは交通違反の取り締まりや捜査活動に使用される警察の車両で、一般の自動車と同様の外観をしており、日常の運転中に見分けるのは難しいとされています。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、覆面パトカーを見分けられる可能性があります。緊急の場合などでも安全に対応できるよう、その判別の仕方を見ていきましょう。
まずは、覆面パトカーに多く採用されている車種から理解しましょう。日本では、トヨタのクラウン/日産のスカイラインなど、中型から大型のセダンが覆面パトカーとして使用されることが多いようです。これらの車種は一般に人気が高いことに加え、多くの場合でシルバー/黒/白といった地味なボディカラーを採用しているため、一見して警察車両と判断しづらい外観をしています。なおごく少数ですが、ワゴンタイプやSUVをベースとした覆面パトカーもあると言われています。
また、特徴的な運転方法も覆面パトカーを判断する方法のひとつ。覆面パトカーは主に高速道路や一般道での交通違反の監視に使用されるため、法定速度を守りつつ周囲の流れに溶け込んでいるのが特徴です。高速道路や主要道路において、常に一定速度で走行/車線変更の頻度が少ないなど、一般のドライバーとは異なる走り方をしている車両があれば、覆面パトカーの可能性が高いと言えます。
ワゴンタイプの覆面パトカーイメージ。
また、クルマのナンバープレートも注目すべきポイントのひとつです。警察は管轄の地域が決まっており、管轄外の地域まで出向くことはほとんどないと言われています。そのため、走行しているクルマのナンバーに書かれた地域名と、現在走行している地域が一致する場合は、覆面パトカーかも? と、少し慎重に考えてもいいでしょう。「アレはまさか?」と思った車と並走したタイミングで「あぁ、やっぱりね」となることもあるだろう。
セダンタイプの覆面パトカーが一般的だが、中にはワゴンタイプのものも。
そのほかの見分ける方法のひとつとして、リアウィンドウのスモークの濃さがあげられます。覆面パトカーは、リアウィンドウに濃いスモークフィルムを貼っているケースが多いため、通常の車両と比較して窓ガラスのスモークが明らかに濃い車両を見かけた場合、それは覆面パトカーである可能性が高いと言えます。ただし、これは地域や採用されている車両によって異なる場合があるため、一概に全ての覆面パトカーに適用されるわけではありません。
ちなみに覆面パトカーには通常、2人の警察官が乗車しており、これは取締まり活動における標準的な人数です。こちらも服装に関してはバラつきがあり、制服とヘルメットを着用しているケース/制服のみでヘルメットは着用していないケース/私服のケースなどがあるので、パッと見での判断は難しいかもしれません。
そして最後の判断方法は、車両上部の赤色灯です。普通の警察車両とは異なり、覆面パトカーは一般の車両に溶け込むために赤色灯を屋根(ルーフ)部分に収納しています。そのため、車高の高いクルマに乗っていると、赤色灯が出てくるフタ部分の切れ込みを確認することができます。
これらの情報は覆面パトカーを見分けるのに役立ちますが、あくまで参考程度で必ず見分けられるとは限りません。覆面パトカーの詳細な特徴は警察から公開されているわけではないので、覆面パトカーを探すことよりも、普段から交通ルールを守ることのほうが大切です。
覆面パトカーは通常のパトカーと業務内容は同じ?
覆面パトカーと通常のパトカーは、見た目だけでなく、担う業務内容も一部異なるようです。交通違反を取り締まるという観点ではどちらも同じですが、通常のパトカーはその明確な警察車両の外観により、公衆の安全を確保し犯罪の抑止力としても機能しています。
これに対し、覆面パトカーはその存在を隠しながら活動することが主な目的であり、交通違反の取り締まりや内偵捜査など、目立たずに行動する必要がある任務に特化しているのが違いです。例えば、交通違反取締りにおいて、覆面パトカーは一般の車両と見分けがつかない外観をしているため、スピード違反や危険運転をしているドライバーを自然な状態で捉えることが可能です。
覆面パトカーには赤色灯が装着されているのが特徴だ。
一方、通常のパトカーはその明確な外観から、一般ドライバーが警察車両を認識し行動を改めることが多く、防犯や公衆の安全確保に直接的に寄与しています。通常のパトカーが持つ「見せる」機能とは対照的に、覆面パトカーは「隠れる」機能を最大限に活用することで成り立っています。
したがって、覆面パトカーと通常のパトカーは、それぞれが警察活動において重要な役割を果たしていますが、その方法や目的は似て異なると言えるでしょう。
このように、覆面パトカーを見分けるにはいくつかのコツが存在します。高速道路や幹線道路を走っている際に、突如として現れる覆面パトカーに驚かされることも多いでしょう。しかし、見分ける技術を身につけることも大切ですが、それ以上に、常に法を守り注意深く運転することが、事故や違反を避ける最善の方法であることを忘れないでください。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
給油中に気づく違和感と、キャップを巡る小さなストレス 給油という動作は、慣れてしまえば機械的にこなしてしまう作業だ。セルフ式スタンドの普及で、自らノズルを握る機会は確実に増えた。ところが、燃料キャップ[…]
ショックレスリングとは? 一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果[…]
コルドバクルーズが描く“大人二人の贅沢な旅”の世界観 トイファクトリーが送り出す「CORDOBA CRUISE」は、名前からして旅情を刺激する。スペインの世界遺産都市・コルドバの優雅さをモチーフにした[…]
広大なハンドル前のスペースを有効活用 愛車の車内を見渡してみると、うまく活用できそうなスペースが存在することに気づく。「ちょっとした収納とか作れそうな場所があるな…」と。しかし、DIYはちょっと面倒、[…]
受注再開は、2026年夏ごろが有力 カローラクロスは、2025年5月の改良時にフェイスリフトの実施やガソリン車の廃止、スポーティなGRスポーツの追加など、過去最大規模の大きな変更が加えられた。改良前か[…]
最新の投稿記事(全体)
「ダットサン・フェアレディ1600」がベースのスペシャリティクーペ 初代の「シルビア(CSP311型)」が誕生したのは、いまから60年も前の1965年です。型式名が表すように、ダットサン「フェアレディ[…]
部品供給の不安を解消するべく、新たなサービスをグローバルで展開 「Honda Heritage Works」サービスは、販売終了となった部品を復刻し、グローバルに供給する「Honda Heritage[…]
ショックレスリングとは? 一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果[…]
給油中に気づく違和感と、キャップを巡る小さなストレス 給油という動作は、慣れてしまえば機械的にこなしてしまう作業だ。セルフ式スタンドの普及で、自らノズルを握る機会は確実に増えた。ところが、燃料キャップ[…]
MAZDA CX-3 XD Vivid Monotone Ⅱ グレードを整理することで、選び方がシンプルに 今回の機種体系変更では、好評な装備を追加したほか、ラインナップをガソリンモデルの「15S U[…]















