
大分県オートポリスで開催されたSUPER GT第7戦で、今年がラストイヤーとなるCIVIC TYPE R-GTが表彰台を独占。STANLEY CIVIC TYPE R-GTが優勝したことでCIVIC TYPE R-GTが初優勝を飾ることとなった。
●文/写真:松永和浩(月刊自家用車編集部)
予選は日産フェアレディZ勢がワンツー独占
2025年SUPER GTシリーズ第7戦は、10月18日(土)-19日(日)に大分県のオートポリスで開催されました。このラウンドは「オートポリスGT3Hours RACE」と銘打たれた3時間耐久レース形式で、GT500クラスは全14台が参戦。ポールポジションは日産勢が独占するなど、予選から波乱含みの展開となりました。
ポールポジションの3号車Niterra MOTUL Z
GT500クラスの予選は18日に行われ、GT500クラスのQ1は15時33分にコースオープンとなります。小雨がぱらつく天候でウェット宣言も出されていることから、各チームとも早めのコースインとなります。ここで速さを見せたのが64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT。
GT500クラス唯一のダンロップタイヤがコースや天候状況にマッチしたようで、大草りき選手は1分32秒623を記録。Q1をトップで通過します。
Q1トップの64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT
GT300クラスのQ2でクラッシュがあったためにGT500クラスのQ2は開始時刻が遅れ、16時17分にコースオープンとなります。天候はかなりの雨模様。路面はヘビーウエットな状態となります。
ここで赤いフェアレディZの2台がタイムを競い合うこととなります。
予選2番手の23号車MOTUL AUTECH Z
最初にタイムを出してきたのは23号車MOTUL AUTECH Zで、千代勝正選手が1分39秒845を出してきますが、その直後、3号車Niterra MOTUL Zの佐々木大樹選手が1分39秒460でトップに躍り出ます。
Q2の時間内にこのタイムを超えることが出来るライバルがいなかったため、3号車Niterra MOTUL Zがポールポジションを獲得。
2番手は23号車MOTUL AUTECH Zとなり、決勝グリッドのフロントローを赤いフェアレディZの2台が独占することとなりました。
2回のピットインが明暗を分け、ついにCIVIC TYPE R-GTが優勝へ!
19日に行われた決勝レース。天候は曇りで路面はドライと昨日の予選の様な悪い条件ではなく、まずまずの交代でスタート進行が行われた。
ポールポジションの3号車Niterra MOTUL Z
フロントローにフェアレディZが2台、セカンドローにGRスープラ勢というスターティンググリッドで、CIVIC TYPE R-GT勢はと言えば、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTの8番手が最上位。
前戦のSUGOや8月の鈴鹿で連続ポールポジションだった16号車ARTA CIVIC TYPE R-GT #16は、11番手と低迷しています。
16号車ARTA CIVIC TYPE R-GT #16
13時10分に大分県警察の白バイやパトカーが先導する交通安全啓発パレードランが始まり、フォーメーションラップを経てスタートが切られます。
スタートラップの第3セクター
このスタートラップの第一コーナーで38号車 KeePer CERUMO GR Supraと12号車 TRS IMPUL with SDG Zが接触し、38号車 KeePer CERUMO GR Supraがスピン。GT300の隊列の後ろからのレース復帰となり、名実ともに最下位に転落。しかし、ここからが38号車 KeePer CERUMO GR Supraと大湯都史樹選手の見せ場となります。
38号車 KeePer CERUMO GR Supra
ものの数周でGT300クラス全車をパスすると、いよいよGT500クラスにかみついていきますが13周目、ここで7番手争いをしていた64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTと24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zが接触し、リアライズコーポレーション ADVAN Zがコースアウトからタイヤバリア激突しリタイアとなります。ここでセイフティーカーが導入され38号車 KeePer CERUMO GR SupraはGT500クラスの車列に追いつくこととなりました。そして1回目のピットインを早めに行いライバルが全車ピットインを終えるころには4番手争いのポジションまで順位を上げていったのです。
100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT
ピットインと言えば、給油時間を短縮して上位にポジションを上げてきたのは100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT。1回目のピットインではドライバーチェンジを行いながらも給油は最小限にとどめピット作業時間を短縮。2回目のピットインでは給油時間を減らし、他チームのパッと作業時間より10秒も短くしてのコース復帰によりトップとなります。
続くトヨタGRスープラ勢の37号車 Deloitte TOM’S GR Supraと1号車 au TOM’S GR Supraがエアクリーナーの詰まりによるリタイアとなってしまい、1位と2位の差は大きく開いていきました。
終盤の2位争い
この時点で2位は16号車ARTA CIVIC TYPE R-GT #16、3位は64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTとなりその差は1秒未満。ともに今季の表彰台は無く、どちらが表彰台の高い位置に乗るかがかかった激しいバトルは、なんと残り時間55秒で64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが2位浮上で決着となりました。
優勝したSTANLEY CIVIC TYPE R-GT
優勝は100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT、2位に64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT、3位に16号車ARTA CIVIC TYPE R-GT #16が入り、CIVIC TYPE R-GTが表彰台を独占。
CIVIC TYPE R-GTラストイヤーに初勝利を収めることとなりました。
GT500クラスの表彰式
この優勝で100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GTはポイントが52ポイントとなり、ランキングトップの1号車 au TOM’S GR Supraとのポイント差は8.5。チャンピオンの可能性を色濃く残したまま、最終戦もてぎへとコマを進めます。
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