
古いクルマはもちろんだが、新車でも路面から伝わる振動やノイズがまったくゼロというわけにはいかない。そこで、この振動やノイズをもっと低減してくれるグッズが発売された。しかも、振動が伝わりやすい部分の結合部に金属製のリングを挟み込むだけ。クルマのメンテナンス経験のある人なら、簡単に取り付けが可能だ。走行中の振動やノイズが気になる方におすすめ!
●文:月刊自家用車編集部
ショックレスリングとは?
一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果が得られるというもの。この素材は、高い寸法精度が求められる工作機械(マシニングセンタ)内部や基盤の微振動除去に使用されている。
ショックレスリング
主な施工箇所としては、シート固定ボルト、サスペンションのアッパーマウント取り付けボルト。それぞれの固定ボルトを外し、リングを挟み込むだけでOK。工具一つでカンタンに取り付けることができる。
リングの向きは、スリットが入っている側が上にくるようにセッティングする。また、ボルトの形状やサイズ、使用数なども確認しておく必要がある。
振動が伝わりやすいサスアッパーマウントやシートの取り付けボルトに挟み込むだけ!
最近のクルマは、遮音性能が格段に向上しているため、外の音があまり気にならなくなった⁉︎ と思っているアナタ、まだまだあま〜い! 少なくなったとはいえ、意外とロードノイズ&振動は車内に入り込んできているのだ。エンジンやタイヤから伝わる振動やノイズは、クルマのボディ、ハンドル、床下そしてシートを介して伝わってくる。それらを低減し快適なドライブを実現するスグレモノが今回紹介するエーモンから発売された「SHOCKLESS RING(ショックレスリング)。
これは、一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果が得られるというもの。簡単に説明すると、振動が伝わりやすいボディとの結合部分(取り付けボルト)に、この特殊制振合金を使用したリングを挟み込むことで、このリングが走行中の振動を吸収して熱エネルギーに変換するというもので、メーカー調べでは、路面凹凸通過時の突き上げによる振動が、装着前に比べて約40%低減されている(一定条件のテスト結果から)。ちなみにこの素材となる特殊金属は、高い寸法精度が求められる工作機械(マシニングセンタ)内部や基盤の微振動除去に使用されているものなのだ。
取り付けも簡単。フロントシートの場合、シートを固定しているボルトを外して、このリングを挟み込み、再度ボルトを締め付けるだけでOK。サスペンションアッパーボルトも同様に交換するだけでOKなのだ。ただし、クルマによってはサスペンションアッパーボルトが外しにくいものもあるので、その場合は整備工場などにお願いしたほうが無難だろう。
ちなみに、このリングは500℃の環境下でも制振性能に影響を及ぼすことのない耐熱仕様なので、エンジンルームでの使用にまったく問題は生じないのだ。
特殊制振合金が振動を吸収し熱エネルギーに変換
ショックレスリングに採用している制振合金は、一般的な金属とは異なり原子の規則相と不規則相が存在している。それらの境目で結合が伸縮し力を吸収することで制振効果を得ることができるのだ。
ショックレスリングが振動を吸収するメカニズム。
サスペンションアッパーマウントに施工した測定値
路面凹凸通過時の突き上げによる振動は、ショックレスリングの装着後では、装着前の約40%低減している。※ 実車比較試験(一般道の同一ルートを50km/hで走行した場合の同一区間の計測)による結果
装着前後の振動計測。
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