
2024年、ホンダの人気コンパクトミニバン「フリード」が待望のフルモデルチェンジを果たし、3代目として新たに生まれ変わった。グランドコンセプトは「スマイルジャストライトムーバー」。日々の生活に笑顔をもたらす、“ちょうどいい”サイズと使い勝手を追求した1台だ。
●文:月刊自家用車編集部
SUVライクな外観で差別化された「クロスター」
新型フリードの中でも注目されるのが、SUVテイストを加えた個性派モデル「フリード クロスター」。専用のデザインや装備を備え、街乗りからアウトドアまで幅広いシーンに対応する多目的ミニバンとして仕立てられている。
新型フリード クロスターのエクステリアは、タフな印象を与える専用の加飾が目を引く。フロントグリル、バンパー、15インチアルミホイールなどはすべてクロスター専用デザインとなっており、高輝度シルバーのドアミラーやアウタードアハンドル、リアライセンスガーニッシュも専用装備だ。
さらに、アウトドアギアを思わせるアルミ製ルーフレールも標準装備。全体として、ミニバンの枠を超えた“ギア感”あふれるスタイリングが完成している。ボディカラーは「デザートベージュ・パール」や「プラチナホワイト・パール」など、全8色を展開。
サイズ・スペック:取り回しやすさと室内空間を両立
新型フリード クロスターのボディサイズは、全長4,310mm、全幅1,720mm、全高は1,780mmというバランスの良い寸法だ。ホイールベースは2,740mmで、室内空間の広さを確保しつつ、最小回転半径は5.2mに抑えられているため、狭い街中でも小回りが効く。最低地上高は150mmで、アウトドア用途でも安心感があり、車両重量はグレードにより1,560kgから1,580kgの範囲に収まっている。サイズと軽量設計の両立により、快適な取り回しと燃費性能の向上が図られている点も魅力だ。
インテリア:アウトドア感と快適性の両立
室内はブラックとカーキを組み合わせたカラーリングで、アクティブな印象を演出。水平基調のインパネにより前方視界が広く、運転に集中しやすいデザインとなっている。
1列目には「ボディスタビライジングシート」を採用し、骨格を支えるような設計で長距離移動でも疲れにくい。2列目のキャプテンシートは自然な着座姿勢が取りやすく、3列目も大人がしっかり座れる足元スペースを確保。窓も大きく採光性に優れ、開放感がある。
注目すべきは床面のフラット構造だ。燃料タンクや車内各部の設計を見直すことで、1列目から3列目まで段差のない床を実現。乗員全員に快適な移動空間を提供する。
2列シート仕様も選択可能
クロスターのみの特徴として、3列目シートを廃し、荷室空間を優先した「2列5人乗り仕様」が用意されている。これにより、アウトドアギアや大型荷物の積載性が飛躍的に向上。多用途なカーライフを求めるユーザーにとって、大きな魅力となるだろう。
パワートレーン:走りの質を高めたe:HEVと1.5Lガソリン
搭載されるパワートレーンは2種類。1.5L i-VTECガソリンエンジンと、モーター走行を主体としたe:HEV(ハイブリッド)をラインナップする。
e:HEVモデルにはリアルタイムAWDが組み合わされ、滑りやすい路面でも優れた走行安定性を発揮。ブレーキやトラクション制御との緻密な協調制御により、雪道やウェット路面での発進時も安心感がある。
加えて、「アジャイルハンドリングアシスト」により、ステア操作に応じて内輪にブレーキをかけることで、滑らかで安定感のあるコーナリングを実現。下り坂での速度制御や加速時のレスポンスも上々で、ストレスなく走れる印象だ。
Honda SENSINGを全車標準装備、安全性も万全
先進の運転支援システム「Honda SENSING」は、新型フリード クロスターの全グレードに標準装備されている。広角のフロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーにより、車両の周囲を高精度で検知し、ドライバーの安全運転をサポートする。渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロールや、衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、さらに急アクセル抑制機能などが搭載されており、高速道路での巡航から市街地での取り回し、駐車時の安全確認まで、多様なシーンに対応した支援を実現。クルマに不慣れなドライバーやファミリーユースにおいても、安心感は非常に高い。
多彩なユーティリティとアレンジ性
荷室はフロアが低く、積み下ろししやすい設計。シートアレンジも多彩で、フラットモードや荷室拡大モードなど用途に応じて自在に対応可能だ。さらに「ユーティリティサイドパネル」を採用しており、棚やフックを取り付けて荷室を自分好みにカスタマイズできるのも嬉しいポイントだ。
撥水加工の施された専用ファブリックシートは、汚れが拭き取りやすく、小さな子どもがいる家庭でも安心。アウトドア帰りの汚れにも対応する実用性重視の設計となっている。
アレンジ性の高さから「そんな使い方もアリなのか…」といった独自のカスタマイズを目指したくなる。
本当に「ちょうどいい」理想的な1台
新型ホンダ フリード クロスターは、SUV的なデザインと多用途性を兼ね備えたコンパクトミニバンとして、ファミリー層やアウトドア志向のユーザーにとって理想的な1台だ。
都市部での取り回しやすさ、広く快適な室内空間、充実した先進安全装備、そして用途に合わせて選べる2列・3列仕様。まさに「スマイルジャストライトムーバー」というコンセプトを体現した、日常とレジャーをシームレスにつなぐ一台である。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(大人気商品)
侮るなかれ、さまざまな効果が得られる空力パーツ 先日、知り合いからユニークなカーグッズを紹介された。細長いプラスチックパーツが12個並べられているパッケージ。一見すると、どんな用途でどのように使用する[…]
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
座るだけでクールダウン 夏のドライブが快適になる最新カーシート 夏の車内は、ただでさえ暑い。長時間の運転や渋滞に巻き込まれたとき、背中やお尻の蒸れが不快感を倍増させる。そんな夏の悩みを一気に解消するの[…]
引っ張るだけでOK、瞬時にセット完了 ロール式サンシェードの最大の魅力は、その操作の簡単さにある。取り付けは非常にシンプルで、工具も必要なくサンバイザーに専用パーツを固定するだけ。その状態でロール部分[…]
奥まで届く薄型設計で内窓掃除が快適に 近年の車はフロントガラスの傾斜が鋭角になり、従来の内窓ワイパーでは掃除しづらいケースが増えている。特にプリウスなど一部車種ではダッシュボード付近に大きなモニターや[…]
人気記事ランキング(全体)
様々な用途に対応する、INNO ルーフギアケース720 SUV系のクルマのルーフによく積まれている細長いボックスを見たことはないだろうか? 実はコレ、ルーフボックスと呼ばれる人気のカー用品。中でも、カ[…]
固く締まって外せないネジ…。一体どうすれば? クルマのメンテナンスを自分で行う場合、ドライバーでネジを外すというのは基本中の基本の作業となる。もちろん、車両メンテナンス以外でも、ネジを外すという作業は[…]
普段使いにも“ちょうどいい”コンパクトカーベースのキャンピングカー キャンピングカーのベース車はワンボックスのバンや軽バンが人気だが、前者は大型で価格的にも予算オーバー。後者はウチの家族構成には小さす[…]
軽トラックから生まれた本格派キャンパー バロッコは「軽キャンパーでありながら本格的なモーターホームを作る」というコンセプトから生まれている。ベースはダイハツ・ハイゼットトラックだが、ただ荷台にシェルを[…]
軽キャンパーでも広がる快適空間 軽自動車をベースにしたキャンピングカーと聞くと、どうしても手狭なイメージを持ちがちだ。しかしピッコロキャンパー+のポップアップルーフ仕様は、その印象を大きく覆してくれる[…]
最新の投稿記事(全体)
コンパクトボディに詰め込まれた“暮らせる”装備 ZEROの最大の特徴は、ベース車両としてハイエース(キャラバンも選択可)を採用しながらも、車内での生活をしっかり支える装備を詰め込んでいる点にある。走行[…]
便利な機能を持った、実用的なカーカーバー 今回紹介するのは、車種別の便利なカー用品を多数リリースしている、クラフトワークスのカーカバーだ。同社の特長としては、車種別にピッタリとフィットするように設計さ[…]
担当者に聞く、ドライブレコーダー選びのポイントとは? 日々、新聞やテレビ、ネットのニュースで絶えることのないあおり運転や逆走運転によるトラブル。また万が一の交通事故でもその前後の「証拠」が重要視されて[…]
「12R」は、最高出力200PSを誇り、フルバケットシートなどの専用装備を備えた200台限定のメーカーコンプリートモデルになる。 「ロードスター 12R」は商談予約抽選を実施 両モデルとも、スーパー耐[…]
パワートレーンは、アイシンの売上の約6割を占める中核事業 アイシンは、トヨタなどに部品を納入する、いわゆるティア1と呼ばれるサプライヤーだ。取り扱う製品はパワートレーンをはじめ、サンルーフなどの車体関[…]
- 1
- 2