
トヨタ自動車が構想を発表し、ウーブン・バイ・トヨタと開発を進めてきた実験都市「ウーブンシティ」が、9月25日に本格始動(オフィシャルローンチ)した。ウーブンシティでは、企業・個人が様々なプロダクトやサービスの実証を開始するとともに、モビリティカンパニーへの変革に向けた、人々が実際に生活する「テストコース」として、様々な社会課題を解決していく活動が行われていく。
●文:月刊自家用車編集部
住民と発明家が共創する「カケザン」で、様々な社会課題の解決を目指す
ウーブンシティでは、新しい製品やサービスを開発・実証する企業や個人を「インベンター(発明家)」と呼び、それぞれの強みや専門性を掛け合わせることで、これまで存在しなかった価値を生み出す「カケザン」を目指すことが目的のひとつ。
また、インベンターに加えて、ウーブンシティに住む居住者や訪問者を「ウィーバーズ(織り手)」と呼び、彼らもカケザンによる発明に参加。ウィーバーズは、イベンターが開発した製品やサービスを実際に試して使い勝手や感想を伝え、インベンターはそのフィードバックを発明に活かしていく。
すでにウーブンシティには、2025年9月からトヨタ関係者とその家族数世帯がウィーバーズとして居住を開始しており、今後は300名程度の居住を目指すという。
ウーブンシティは、様々なプロダクトやサービスの実証を行う「テストコース」として、企業や個人が新しい価値を生み出す「カケザン」の場となることを目指している。
ナオト・インティライミが、テーマ曲「ウーブンシティ」を初披露
インベンターとウィーバーズを招き、ウーブンシティで開催されたオフィシャルローンチを記念するイベント(「Woven City Official Launch Weaving the Future: Day 01」)では、ともにモビリティの未来に挑戦する仲間への感謝が伝えられたほか、初のアーティストのインベンターとしてカケザンに加わることになったシンガーソングライターのナオト・インティライミ氏が、ウーブンシティのテーマ曲となる「ウーブンシティ」を初披露。
9月25日夕方に開催されたローンチイベント「Woven City Official Launch Weaving the Future: Day 01」では、ウーブンシティに集うインベンターとウィーバーズが集まり、新たな街の誕生を祝福。なお、一般ビジターの受け入れは、2026年度以降を予定しているとのこと。
ウーブンシティのマスターウィーバーズである豊田章男会長は、
「Master Weaverの豊田でございます。Woven Cityで起こしていくのは『カケザン』です!掛け算は一社だけだと成り立ちません。最低でも2社必要です。みんなで笑顔の2をかけていきましょう。たくさんの笑顔の未来をつむげる気がしてきませんか?」というコメントを述べている。
マスターウィーバーズを務める豊田会長もイベントに参加。
なお、ウーブンシティで開始する立証実験には、現時点で20のインベンターの参画が決まっており、ウィーバーズもPhase1の段階で300名程度が居住する予定。9月8日からはウーブンシティで試したい「カケザン」のアイディアを募る、アクセラレータープログラム「Toyota Woven City Challenge – Hack the Mobility -」の募集も開始(2025年10月14日まで)されている。
初のアーティストのインベンターとなるナオト・インティライミ氏が、ウーブンシティのテーマ曲「ウーブンシティ」を熱唱。イベントに華を添えていた。
ウーブンシティの概要&実証実験について
街全体が「テストコース」
ウーブンシティは、未来のモビリティ社会の実現に向け、街そのものがテストコースとして設計されていることが特徴。地上の道は「歩行者専用の道」「歩行者とパーソナル・モビリティが共存する道」「モビリティ専用の道」の3種類に分類され、さらに地上の道に加えて、天候や気温に左右されずに実証実験ができるよう、地下には4本目の道も整備されている。
街全体に導入された信号システムは、モビリティと連動して信号の切り替えタイミングを制御し、交通安全を目指す。街路灯や信号柱としての機能を持つ多機能ポールには、実証実験で使うセンサーやカメラを取り付けることができ、様々な技術の検証を可能としている。
e-PaletteやPersonal Mobility Vehicleなどの電動モビリティが、街の「テストコース」で未来の社会を形作るための実証が進められる。
e-Paletteは、さまざまなモビリティサービスに活用できるバッテリーEV。ウーブンシティでは、移動手段のほか、飲食の提供などサービスプラットフォーム機能の実証も行われる。
多様な実証テーマと参加企業
ウーブンシティでは、様々な分野のイベンターがユニークな実証テーマに取り組むことになる。
| インベンター | ウーブンシティ実証テーマ |
| ダイキン工業株式会社 | 「花粉レス空間」や「パーソナライズされた機能的空間」に関する実証実験 |
| ダイドードリンコ株式会社 | 自動販売機を通じた新たな価値創造 |
| 日清食品株式会社 | 新たな「食文化」創造に向けた食環境の構築とその環境が及ぼす 影響の検証 |
| UCCジャパン株式会社 | コーヒーが人々の創造性や生産性に与える影響を実証 |
| 株式会社増進会ホールディングス | データ活用による先進的な教育スタイル及び新しい学びの場の実現 |
| インターステラテクノロジズ株式会社 | ロケットの製造体制強化 (Woven City内での実証ではなく、トヨタ・WbyTのモノづくりに関するノウハウ・人的リソー スをインターステラテクノロジズ株式会社に提供し開発支援) |
| 共立製薬株式会社 | ペットと人の「より良い共生社会のあり方」を探る |
| ナオト・インティライミ | 音に関する実証 |
| トヨタ自動車 | 1. e-Palette:様々なモビリティサービスに活用できるバッテリー EV。飲食の提供などサービス提供のプラットフォーム機能を実証 2. Personal Mobility Vehicle (PMV):自由に安心して楽しめる電動小型三輪モビリティによるシェアサービスを実証 3. Summon Share:自律走行ロボット(Guide Mobi)によるシェ アカーの自動搬送サービスを実証 |
| ウーブン・バイ・トヨタ | Smart Logistics: モノの移動を簡単にする配送プラットフォーム を活用し、将来はクリーニングやストレージサービスなど生活を支えるサービスを実証 |
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