
トヨタ自動車が次世代技術の実証都市として建設してきた「ウーブンシティ」では、自動運転や自律走行ロボット、電動小型モビリティなどの新技術が「人が生活するテストコース」の中で実証実験される。この街では、多くのインベンター(発明家)が様々な社会的な取り組みに挑むことになるが、“モノを運ぶ”物流分野で注目されているのが、トヨタ自動車東日本が開発に取り組む、自律搬送ロボット「cocomo(ココモ)」だ。
●文:月刊自家用車編集部
買い物カゴを運ぶ、次世代ロボットの進化を促す
「cocomo(ココモ)」は、単独で走行が可能な自律走行ロボット。
人の手を介することなく、衛星測位システムや障害物センサーを活用することで、指定した目的地まで安全に走行でき、ユニット内には買い物かごをまるまる1個入れられるスペースが設けられているなど、買い物支援など“モノ”を運ぶ分野での実用化が期待される次世代モビリティになる。
自律搬送ロボット「cocomo(ココモ)」。宮城県産業技術総合センターなどと連携して機体構造の見直しや材料置換、トポロジー最適化(材料配置)や金属3Dプリンタ活用による機体の軽量化を進め、運用効率の向上を図る。この技術を東北地域のものづくりにも活用してもらうことで、地域に貢献していくとのこと。
「cocomo」の内部には買い物カゴがまるまる1個入るスペースがあり、ここにスーパーなどで購入した商品を積み込むことができる。
もともとは、東日本大震災の被害地で、人や物の移動の課題解決を目指す「東北モビリティ・プロジェクト」から生まれたロボットであり、すでに宮城県女川町や愛知県みよし市で実証実験は実施済み。この未来都市には、さらなる進化改良を目指して持ち込まれる。
人工衛星の電波(GPS)が届きにくい場所や目印がない広い場所など「cocomo」のレーザー計測が難しい環境でもスムーズに走行させるため、小型ロボットへの搭載に最適化したLiDARとRTKなど、さまざまなセンサーを融合した自律走行システムの開発に取り組むという。
ウーブンシティでは、通信が途切れた際に安全な場所に自動移動する機能などの実証が行われるほか、GPSが届きにくい場所や目印がない環境でもスムーズに走行できるよう、小型ロボットに最適化したLiDARやRTKといった、さまざまなセンサーを融合したシステムの開発が進められる予定。
Toyota Woven City内の道路や横断歩道を使い、「cocomo」との通信が遮断された時に自動的に安全な場所に移動し、通行の妨げにならないようにする機能などの実証実験が行われる。
すでに7月からウーブンシティ近隣の公道でも立証実験が実施されており、実際の公道を走行させることで得られる、各種データの蓄積・技術を習熟することで、実用化のステップも大きく進むことになる。
ウーブンシティでは、自由に安心して楽しめる電動小型三輪モビリティによるシェアサービスも実証される。モノはもちろん、人の移動の可能性も模索されることになる。
タグボートのようにクルマを導く、自律走行ロボット(Guide Mobi)によるシェアカーの自動搬送サービスも実証予定。
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