
いすゞ自動車とトヨタ自動車は、次世代燃料電池路線バス(次世代FC路線バス)の実用化に向け、共同開発を進めることで合意した。この連携強化により、商用車分野におけるゼロエミッション化がさらに進むことになる。
●文:月刊自家用車編集部
最新技術が投入されたFC路線バスの利用拡大を目指す
今回の共同開発では、いすゞと日野自動車が2024年度に市場投入したBEV(バッテリーEV)フルフラット路線バスのプラットフォームをベースに、トヨタの燃料電池システム(FCシステム)を組み合わせるという内容。
いすゞが2024年に発売したバッテリーEV(BEV)路線バス「エルガEV」。このモデルのシャシーをベースにトヨタの第3世代FCシステム(大型商用車向け)を搭載した、次世代FC路線バスが開発される。
日野自動車からも、いすゞとの共同開発モデルとなるバッテリーEV(BEV)フルフラット路線バス「日野ブルーリボン Z(ズィー) EV」が発売されている。
FCバスは、水素を燃料とし、走行時にCO2を排出しない究極のエコカー。特に、路線バスのように走行距離が長く、一度に多くのエネルギーが必要となる大型商用車にとって、短時間での燃料充填(水素充填)が可能で航続距離の確保が容易なFC技術は、極めて有効なソリューションとして注目される。
トヨタは「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の各領域で水素利活用を推進しており、今回の提携はいすゞの持つ商用車・バスのノウハウと、トヨタの先進的なFC技術が結集することで、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩となる。
トヨタが開発を進める第3世代FCシステムは、耐久性能の向上や燃費性能の向上、セル設計、製造プロセスの革新によるコストの大幅削減を実現。次世代FC路線バスには、大型商用車向けが搭載され、ディーゼルエンジン並みの耐久性や高出力とユニットの小型化が図られる。
次世代FC路線バスは、2026年度から量産開始
またこの連携により、BEVとFCEV(燃料電池車)の部品共通化が実現し、開発・生産コストの低減が図られることも、水素社会実現においては極めて有効になる。
なお、共同開発で生まれる次世代FC路線バスは、いすゞと日野が共同出資するジェイ・バス株式会社の宇都宮工場(栃木県宇都宮市)が担当。2026年度より生産を開始する計画になる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トヨタ)
二人旅を前提にしたレイアウト 銀河の最大の特徴は、夫婦二人旅にフォーカスしたレイアウトにある。常設二段ベッドとダイネット、独立したキッチン、トイレルームを通路でつなぎ、使いやすさを重視した構成だ。ベッ[…]
買い物カゴを運ぶ、次世代ロボットの進化を促す 「cocomo(ココモ)」は、単独で走行が可能な自律走行ロボット。 人の手を介することなく、衛星測位システムや障害物センサーを活用することで、指定した目的[…]
トヨタ・レクサス・GRの純正オプションを車両購入後に正規販売店で「後付け」できるサービスが「UPGRADE SELECTIONS by KINTO FACTORY」。愛車のアップデートが可能というとこ[…]
第二の我が家を目指した設計思想 コンパスグランドのコンセプトは「第二の我が家」。旅先で過ごす時間が特別であると同時に、普段と同じように安心して眠り、くつろげる空間を提供することを目指している。従来のキ[…]
住民と発明家が共創する「カケザン」で、様々な社会課題の解決を目指す ウーブンシティでは、新しい製品やサービスを開発・実証する企業や個人を「インベンター(発明家)」と呼び、それぞれの強みや専門性を掛け合[…]
最新の関連記事(ニュース)
ファンに愛された「コペン」。スペシャルイベントは2026年4月以降、全国で開催 ダイハツ・コペンは、気軽に楽しめる本格的なオープンスポーツカー。2002年に発売されて以来、軽自動車としては初となる電動[…]
どこでも洗車できる電動洗車バケツ。充電式の電動ポンプを内蔵 折り畳み式電動洗車バケツ「G-MSWH01-SET1」は、充電式の電動ポンプを内蔵しており、水栓からの給水が一切不要で、バケツ型の12L大容[…]
買い物カゴを運ぶ、次世代ロボットの進化を促す 「cocomo(ココモ)」は、単独で走行が可能な自律走行ロボット。 人の手を介することなく、衛星測位システムや障害物センサーを活用することで、指定した目的[…]
トヨタ・レクサス・GRの純正オプションを車両購入後に正規販売店で「後付け」できるサービスが「UPGRADE SELECTIONS by KINTO FACTORY」。愛車のアップデートが可能というとこ[…]
人気記事ランキング(全体)
ドアミラーに吊り下げるように設置するサポートミラー 筆者は運転があまり上手くないほうだと自覚している。特に駐車に関しては、今でも一発で綺麗に停められないこともある。毎日のように駐車している自宅の駐車場[…]
専用設計で違和感のない装着感。「まるで純正品みたい…」 クルマを運転する際に、安全確認などで絶対に必要な装備品、それがルームミラー。車線変更時の後続車の確認や駐車時の後方確認など、ドライバーは常にルー[…]
簡単接続と優れた操作感! 煩わしい接続作業も必要なし データシステム「U2KIT」は、多彩なオンラインコンテンツに対応していることが強み。YouTubeなどの最新の映像コンテンツを車内で楽しむことがで[…]
第二の我が家を目指した設計思想 コンパスグランドのコンセプトは「第二の我が家」。旅先で過ごす時間が特別であると同時に、普段と同じように安心して眠り、くつろげる空間を提供することを目指している。従来のキ[…]
車中泊を安全にかつ快適に楽しみたい方におすすめ! 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー向けに、提供す[…]
最新の投稿記事(全体)
アルファ ロメオの情熱と美学を体現する限定モデル 「INTENSA」は、イタリア語で「強烈な」「情熱的な」「力強い」といった意味を持つ、アルファロメオの情熱と美学を象徴するモデルネーム。欧州では今年2[…]
ファンに愛された「コペン」。スペシャルイベントは2026年4月以降、全国で開催 ダイハツ・コペンは、気軽に楽しめる本格的なオープンスポーツカー。2002年に発売されて以来、軽自動車としては初となる電動[…]
最新技術が投入されたFC路線バスの利用拡大を目指す 今回の共同開発では、いすゞと日野自動車が2024年度に市場投入したBEV(バッテリーEV)フルフラット路線バスのプラットフォームをベースに、トヨタの[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
安全機能と運転支援システムを強化 今回実施される一部仕様変更(アップデート)では、アウディA3スポーツバック/セダン(S3およびRS3を含む)の全モデルを対象に安全性と運転支援システムを強化。 具体的[…]
- 1
- 2