アメリカの流れを日本も踏襲、ただし日本では独自条件が…
こうした基準の多くはアメリカの規制を参考にしており、排気温度警告灯の存在もその流れの中で導入されたものだ。そしてアメリカでは平成7年、ある大きな転換が起きる。それがOBDII(車載故障診断)システムの普及だ。
OBDII、もしくはそれと同等の機能を持つシステムが搭載されている場合、排気温度の異常検知を含めた診断機能を備えていると見なされるようになった。さらに、不完全燃焼によって触媒が過熱状態になった際に燃料カットを行う機能を持つ車両については、従来のような排気温度警告灯を装備しなくてもよいと認められたのである。
この流れを受け、日本でも同様の考え方が導入されることになる。ただし、日本の“道路運送車両の保安基準”では独自の条件が加えられた。それが「無接点式断続器採用エンジン車」に限定して、排気温度警告灯の装着義務を除外するという内容だ。
これが排気温センサー。初代ホンダ オデッセイのもの。不完全燃焼による排気(触媒)温度の異常上昇を監視している。
無接点式断続器とは、いわゆるフルトラやデスビレス・コンピューター制御の点火システムを指す。一方で、従来の接点式(ポイント式)は経年劣化によって点火タイミングがずれたり、失火が発生する可能性があった。
それに対し無接点式は構造上、接点の摩耗による経年変化が起こりにくく、点火ミスによる不完全燃焼のリスクが低いと考えられた。この前提により、触媒の異常過熱が発生する可能性も低減されると判断され、排気温度警告灯の装着が不要とされたのである(もちろん、プラグコードなどの不具合による失火は完全には防げない)。
現行のクルマには、それらしい警告灯は表示されていない。
こうした背景を受け、平成9年5月1日以降は、条件を満たす車両において排気温度警告灯の装着義務が緩和された。このタイミングを境に、警告灯および排気温度センサーを省略した車両が徐々に増えていくことになる。
さらにこの法改正では、触媒マフラー周辺に装着されていた遮熱板についても、同様に取り付け義務が緩和された。ただし、これらはあくまで無接点式断続器を採用したエンジン車に限定されるものであり、接点式断続器を用いた車両は対象外とされていた。





