![「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2026/08/Lamborghini_Miura_P400S_1.jpg)
いくらクルマ好きだといっても、不動車を喜んで手に入れる方はレアな存在。鉄くず同然のクルマを引っぱり上げてくるなんて、業者かマニアが部品取りをするのが関の山。ですが、そのポンコツ不動車がランボルギーニだったらどうでしょう。しかも、この世に338台しか存在しないミウラP400Sとなれば、多少ボロでも喜んで手に入れるはず。そんな鉄くず同然のミウラが、1億5000万円と思わず二度見する値段で落札されました。
●文:石橋 寛(月刊自家用車編集部) ●写真:RM SOTHEBY’S
ライバルであるフェラーリを性能で凌駕した“奇跡のモデル”
ランボルギーニ・ミウラはスーパーカー世代でなくとも、クルマ好きなら誰もが憧れる名車中の名車かと。
1966年にP400(ちなみに、PはPosteriore=ミッドシップを表すとされています)は、ジャンパオロ・ダラーラとパオロ・スタンツァーニという天才的エンジニアによって設計され、スタイリングはカロッツェリア・ベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニという奇跡のようなモデルです。
クルマのオークション大手、RMサザビーズにて96万7500ドル(約1億5000万円)で落札された1969年製ランボルギーニ・ミウラP400S。事故でフロントフードを失っている。
横置きV12エンジンは当初350馬力とカタログに記載され、1968年に発表されたP400Sでは4つのウェーバー 40IDL-3Lキャブによるものか、370馬力までパワーアップされました。なお、ライバルのフェラーリがミウラに対抗するモデルをリリースしたのは、1973年デビューの365GT4BBとさえ言われています。
1978年から倉庫で眠っていた事故車
アメリカの自動車専門誌「ロード&トラック」が1970年4月号でP400Sをテストした際、0-60mph加速5.5秒、最高速度168mph(約270km/h)を記録していますが、同年8月の「オートカー」誌によるテストでは最高速度172mph(約277km/h)を記録。パフォーマンスも超一流と認めざるを得ません。
が、ランボルギーニのテストドライバーだったボブ・ウォレスによれば「高速域はややナーバス」というコメントもあり、黎明期のミッドシップスポーツらしい荒々しさ、じゃじゃ馬ぶりも垣間見えるかと。それゆえ、貴重なミウラが事故で消失してしまった例は少なくない数に上がるとか。
一見したところフレームのダメージは少なく、現代の技術ならば修復はさほど難しくはないだろう。
今回ご紹介するのは、そんな事故を起こして長期間ヤードで眠っていたサンプルです。1968年モデルのP400Sで、1978年にアメリカで衝突事故を起こして以来、修復されることがないまま保管されていたとのこと。
見つけ出したのは、ルディ・クラインというその道では有名な「鉄くず好き」。なにしろ、ヤードならまだしも砂漠に埋まっていたクルマや、朽ち果ててフレームの一部しか残っていないようなクルマをサルベージ(救助)して、オークションに出品するのです。
4リッターのV12エンジンが残っているのも値打ちの出る理由。むろん、出荷時のパーツナンバーも一致している。
朽ちたまんまでも価値は上がり続ける
そんなクライン・コレクションの中では、このミウラはだいぶましな方でしょう。たしかに、フロントフードは影も形もありませんが、エンジンやインテリア、あるいは超希少な純正マグネシウムホイールまで残っているのです。
メタリックブルーも工場出荷時のもの。ボディカラーをはじめ、各部が出荷時のオリジナルというのは価値が高い。
さらに、残っているだけでなくエンジンをはじめとした各所のナンバーマッチングも認められる(積換でない証拠)とのこと。もちろん、出荷時のボディカラーそのままであり、このあたりの書類、記録もしっかり残っているそうです。
ならば、後はフロントフードを見つけてきて、板金をはじめとしたレストア作業で復元もいけるはず。と思いきや、「このままがいい」という専門家もいるというのが驚きです。見つかった時の状態をさらに保持することで、値下がりどころかグイグイ値上がりするとのこと。
ボディの傷みは見るも無残なもの。とはいえ、ランボルギーニの代表的モチーフ、ハニカムグリルも健在。
つまり、株の塩漬けと同じく、下手に触らないで「ミウラのタマ」が枯渇した頃に売りさばくといった魂胆。実際、こうしたプレミアムな鉄くずはレストアして、さらなる高値が付くものもありますが、朽ちた状態で取引されることも少なくないのだそう。
いずれにしろ、鉄くずオークションの世界は奥が深い。マニアでなくとも、お宝ニュースから目が離せそうにありません。
同じく1969年製の健全なミウラP400S。リフトアップライト周辺にまつ毛と呼ばれるフィンがP400と区別するポイント。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(旧車FAN)
ライバル車から、大きく遅れて登場したコペンは、ビミューな”快挙(怪挙?)”だった スポーツカーという商品は、メーカーにとっては意外とやっかいな存在だ。実用車のようなシンプルなメカニズムでは満足してもら[…]
制約という「逆境」から生まれた世界初のミッドシップオープン、ホンダ・ビート 日本人というのは、制約があってこそ創意工夫の実力を発揮する民族なのかもしれない。狭い国土に人がひしめき、多くが山岳地で耕作面[…]
デートカー全盛期に現れた、美しきスペシャリティクーペ 5代目となる日産 シルビア(S13型)が発売されたのは1988年5月。日本がバブル景気へと突き進み、若者のライフスタイルが華やかさを増していた時代[…]
RR+2ストローク3気筒。59年前とは思えない意欲的なメカニズム 現在の軽自動車は、大人4人が乗れる室内空間と、高速道路を無理なく走れる性能を備えています。しかし、360cc規格が定着した1950年代[…]
軽量+ハイパワー+4WDという最強クラスの組み合わせが誕生 三菱「ランサーエボリューション」が誕生したのは1992年である。 三菱は1967年に初めて国際ラリーへ参戦して以来、モータースポーツを単なる[…]
人気記事ランキング(全体)
雨の日に意外と困る「ドアミラーの水滴」 雨天時の運転では、フロントガラスならワイパーで視界を確保できる。サイドウインドウも、走行中であれば風によってある程度水滴が流れ、どうしても見えにくければ窓を一度[…]
ブレーキを踏ませない! クルマを物理的に動かせなくする盗難対策 リレーアタックやCANインベーダーなど、自動車盗難の手口が巧妙化するなかで、改めて注目したいのが物理的な盗難対策である。 カーメイトが2[…]
大人2人がゆったり横になれる、広々フラットベッドが嬉しい このモデルを手掛けるのは、島根県のビルダー「スマイルファクトリー」。エブリイをベースとした多種多様なバンコンを得意とする専門店で、地元中国地方[…]
2026年8月 スポーツカーランキングTOP5 2026年8月のスポーツカーランキングでは、ロードスターが938台で首位。コペンが601台で2位、シビック タイプRが551台で3位と続く。 4位はトヨ[…]
手のひらサイズのコンパクト設計。配線不要でポン付け完了 どうしても必要というわけではないが、なぜか惹かれるガジェットがある。今回紹介するコンパクトな後付けディスプレイもそのひとつだ。 現在のクルマには[…]
最新の投稿記事(全体)
「共感型AI」の研究成果が気になるところだ マツダが10月13日から幕張メッセで開催されるビジネスイベント「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2026」に参画する。他企業や研究機[…]
新型エルグランド、受注1万台突破! 購入者の中心は40~50代 新型エルグランドの累計受注台数は、10月4日時点で1万300台となり、1万台を突破した。では、実際にどのようなユーザーが新型エルグランド[…]
時代を超えてアップデート!令和の「のってカンガルー」とは? デジタル化が進む昨今、クルマ探しのスタイルも大きく様変わりした。WEBやSNSで膨大なスペック比較や口コミを手軽に調べられるようになった反面[…]
スズキのヘリテージと最新EV技術が融合したデザイン&パッケージ 新型「e SKY」は、軽自動車ならではの親しみやすさにEVらしい先進性をプラスしたスタイリングも特徴のひとつ。 エクステリアには、スズキ[…]
新型エルグランド、受注1万台突破!10月4日時点で1万300台 新型エルグランドは、2025年10月に開催されたJapan Mobility Show 2025で先行公開されて以降、注目を集めてきた。[…]
- 1
- 2
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2026/01/miura2-768x512.jpg?v=1769104060)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車のフロント部分|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/2-3-768x512.jpg?v=1741684451)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車のエンジン|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/7-2-768x512.jpg?v=1741684626)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車の右側面|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2026/01/miura3-768x512.jpg?v=1769105141)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車の左テールランプ|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/4-2-768x512.jpg?v=1741684491)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車の車内|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/5-2-768x512.jpg?v=1741684570)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車の車内|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/6-1-768x512.jpg?v=1741684583)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車のフロント部分|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/8-2-768x512.jpg?v=1741684618)
![1969年製ランボルギーニ・ミウラP400Sの事故車のタイヤとホイール|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/9-2-768x512.jpg?v=1741684707)
![1969年製の健全な状態のミウラP400S|「倉庫のボロ車がまさか…」鉄クズ同然の事故車両がとんでもない価格で落札。フェラーリをも凌駕した幻のモデルがなぜここに…。奇跡のモデル[ランボルギーニ・ミウラP400S]](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/03/10-1-768x512.jpg?v=1741684723)














