
家族で過ごす時間の価値が見直される中、レジャーのスタイルもより自由で柔軟なものへと変わりつつある。そんな時代のニーズに応える1台が、ホワイトハウスキャンパーが手がける「デッキワン」だ。ベースには信頼性と快適性を兼ね備えたステップワゴンが採用されており、その広い室内空間と実用的なパッケージングを活かして、家族のための“動くリビング”を実現している。
●文:月刊自家用車編集部
ファミリーカーの顔と、キャンパーの実力を両立
「デッキワン」は、単なる車中泊用のクルマではない。平日はファミリーカーとして活躍し、週末はアウトドアフィールドで「動くリビング」に早変わりする。選べるルーフは標準ルーフとポップアップルーフの2タイプ。特に寝室として使えるポップアップルーフは、ルーフを持ち上げることでまるでロフトのような空間が出現し、大人ふたりが横になっても余裕のあるベッドスペースを確保できる。操作はガスダンパーでサポートされており、軽い力でスムーズに展開可能。家族や仲間とともに、どこでも快適な寝床がつくれるという安心感は大きい。
室内は“快適”と“使いやすさ”を両立したリビング空間
車内には、使い勝手を重視したフルフラットの快適マットが用意されており、昼間はソファとしてくつろげ、夜にはベッドとしてしっかり身体を支えてくれる設計となっている。ダイニングスペースとしても優秀で、サイドテーブルを囲んでの食事や談笑も快適そのものだ。
窓にはすべてプライバシーに配慮した遮光カーテンが標準装備されており、外部からの視線を遮ると同時に、断熱効果も備えている。就寝中の安心感や快眠のサポートにも一役買っている装備だ。虫の多い季節には、スライドドアとリアゲートに装備されたモスキートネットが活躍する。しっかりと虫除けをしながら、自然の空気を感じて過ごすことができる。
本格的なアウトドアキッチンとしても活躍
このクルマのもう一つの強みは、装備が充実した車内ギャレー(キッチン)だ。リアゲートを開ければ、すぐに屋外でも使えるキッチンスペースが出現。給排水タンクはもちろん、電子レンジや18リットルの冷蔵庫といった家電類も揃っており、本格的なアウトドアクッキングが楽しめる仕様となっている。ファミリーキャンプでも手軽に調理ができるため、食の楽しみも広がるはずだ。
寒さも怖くない、エアヒーター完備の快適設計
車中泊のネックとなりがちなのが冬季の寒さだが、「デッキワン」はこの点でも抜かりがない。省エネかつ高効率なエアヒーターが標準装備されており、エンジンを切った状態でも車内を暖かく保てる。燃焼に使うのは微量のガソリンで、作動はサブバッテリーによる独立系統。そのため、排気ガスによる空気の汚れも心配無用で、室内はクリーンかつ安全に保たれる。寒冷地での車中泊や、スキー場での滞在でも安心して過ごすことができる。
必要なオプションも選択可能。自分仕様の1台にカスタム
「デッキワン」はそのままでも高い完成度を誇るが、ライフスタイルや使い方に合わせて各種オプションを追加することもできる。例えば、外部電源と室内用ACコンセントのセットを追加すれば、電化製品の使用の幅がさらに広がる。サイドオーニングを装着すれば、ちょっとした雨や日差しを気にせずに外で過ごせる空間が生まれる。また、ソーラーシステムを搭載することで、長期間のキャンプでもバッテリーの心配が減り、さらに自由度が増すだろう。
加えて、フロントシートを回転式に変更することも可能で、車内レイアウトの自由度を高められる。こうしたカスタマイズ性の高さもまた、「デッキワン」の人気の理由のひとつといえる。
価格と装備のバランスに優れた家族向けキャンパー
価格帯は標準ルーフモデルが約382万円から、ポップアップルーフ仕様は約428万円からとなっている。決して安価とは言えないが、これだけの装備と機能を備え、平日も休日もフルに活用できることを考えれば、コストパフォーマンスは非常に高い。さらにオプションで加えられる快適装備群も含めると、長期的に使い倒せる実用性は申し分ない。
ステップワゴンという信頼性の高いベース車両に、キャンピングカー専門メーカーのノウハウが詰まった装備を融合させた「デッキワン」は、まさに次世代のファミリーキャンパーと呼ぶにふさわしい存在だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
軽トラックをキャンピングカーに仕立てるという逆転の発想 「軽トラで旅をする」。そう聞けば多くの人が、狭くて過酷なイメージを思い浮かべるだろう。しかし、その常識を覆したのがこの一台。ベースとなるのはトヨ[…]
ミニバンベースの8ナンバーキャンパー 「ラクネル・レイ」を理解する上で、まず着目すべきはその基本設計。ベース車両にはマツダ ボンゴバン、あるいはトヨタ タウンエースが採用され、全長4065mm、全幅1[…]
ミドルセダンへの逆境で国内販売は失速したが欧州での評価は不変 初代プリメーラが登場した’90年ごろの日本車は、それ以前の、エンジンパワーや操舵応答性といった数値性能追求型の開発から、味やフィールといっ[…]
キャンピングカー選びのジレンマを、解決すべく開発された 国内キャンピングカー市場は、レジャー需要の深化のみならず、災害時のシェルターやテレワーク拠点としての活用といった多用途性への関心の高まりを背景に[…]
大人の秘密基地が公道を走る?「N-VAN COMPO」が軽キャンの常識を変える 子どもの頃に憧れた秘密基地。その夢を大人になっても持ち続けている人にとって、「N-VAN COMPO」は心くすぐる存在か[…]
最新の投稿記事(全体)
カーナビをスマートフォンにインストール?「COCCHi(コッチ)」ってナンダ? パイオニアがリリースしている「COCCHi(コッチ)」(以下コッチ)は、スマートフォンで使用できるカーナビアプリだ。 「[…]
軽トラックをキャンピングカーに仕立てるという逆転の発想 「軽トラで旅をする」。そう聞けば多くの人が、狭くて過酷なイメージを思い浮かべるだろう。しかし、その常識を覆したのがこの一台。ベースとなるのはトヨ[…]
定番のテールゲートスポイラーには、立体的な造形をプラス ホンダアクセスは、「UNLIMITED GLIDE PLUS SPORTS ESSENCE(アンリミテッド グライド プラス スポーツエッセンス[…]
ブラックルーフの数量限定車を、オンライン販売することも発表 新型プレリュードは、電動化時代における「操る喜び」を継承するスペシャリティスポーツモデル。ホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」をさ[…]
ミドルセダンへの逆境で国内販売は失速したが欧州での評価は不変 初代プリメーラが登場した’90年ごろの日本車は、それ以前の、エンジンパワーや操舵応答性といった数値性能追求型の開発から、味やフィールといっ[…]
- 1
- 2