
コンパクトなバンをベースに、驚くほど快適な空間を実現した1台が紹介しよう。室内にはベッドや収納、テーブルをしっかり備え、まさに“動くプライベートルーム”といえる仕上がり。日常の延長線で使える気軽さと、旅先でもくつろげる本格性を両立しており、ライトユーザーから本格派まで幅広い層にフィットする。キャンプをしない人にも刺さる、新しいタウンエースのかたちだ。
●文:月刊自家用車編集部
コンパクトなのに本格派。街にも自然にも似合う一台
「小さくても本格的なキャンピングカーが欲しい」「普段使いできて、週末には自然の中でくつろぎたい」——そんなニーズに真っ向から応えるのが、KATOMOTORが手がける「メリル」だ。ベース車両は信頼性の高いトヨタ・タウンエース。扱いやすいボディサイズながら、中身はしっかりキャンピングカーとして設計されている。全長4メートルちょっと、幅1.6メートル台という小柄な寸法は、都市部での運転も苦にならない。さらに、日常のスーパーや送迎といった使い方にも違和感なくなじむ。このサイズ感でありながら、週末には車中泊旅やアウトドアライフを楽しめる一台となっている。
ポップアップで世界が広がる。高さが生む自由とゆとり
最大の注目ポイントのひとつが、オプションで選べるポップアップルーフだ。ルーフを跳ね上げることで、就寝定員が2名から最大4名へと倍増。天井高も大きく拡張されるため、車内での着替えや移動も圧倒的にラクになる。日中は立って動ける開放感、夜はベッドとして使える実用性。限られたスペースを最大限に活用する、まさに都市型キャンパーの理想形だ。ポップアップしないノーマルルーフでも、全高は1930mmに収まるので立体駐車場も問題なし。普段はすっきりと、必要なときにだけ広げるという、このフレキシブルさが魅力となっている。
くつろぎを最優先に設計されたリビング空間
室内に入ると、まず目に入るのは対面式のダイネットだ。セカンドシートとサードシートを向かい合わせに配置することで、4名が向き合ってくつろげる空間を実現している。ミニバンベースのキャンピングカーでは、シートのレイアウトに自由度が少ないケースもあるが、メリルはリアスペースを最大限に活用し、しっかりとした“リビング”としての機能を持たせている。両側スライドドアというタウンエースの利点も活きていて、左右どちらからも乗降が可能。狭い駐車場やキャンプ場でもストレスなく出入りできる。使いやすさと居心地の良さを両立した設計が光っている。
ベッド展開は一瞬。用途に応じた“使い分け”も可能
シートを倒せば、あっという間にフルフラットのベッドスペースが完成する。2人までの就寝が可能で、マットの厚みやフラット感もしっかり確保されているのが嬉しいポイントだ。さらに面白いのは、テーブルを残したままでもベッド化できる点。これにより、いわゆる“こあがり”のようなスタイルで足を伸ばして休むことができる。くつろぎ方にバリエーションがあるのは、長旅でも飽きが来ない重要な要素だ。日中はダイネットとして会話を楽しみ、夜にはそのまま寝床に早変わり。キャンピングカーならではの快適性が、コンパクトボディの中にしっかり詰まっている。
キッチン装備も抜かりなし。日常も、旅先も快適に
リア左側には取り外し可能な11リットル冷蔵庫を装備。小型ながらもしっかり冷えるこの冷蔵庫は、飲み物や軽食のストックに最適だ。特筆すべきは“持ち運びできる”という点。車外に持ち出して使えるため、アウトドアシーンでも活躍する。簡易的なキッチンユニットも備えており、ちょっとした湯沸かしや簡単な調理にも対応。ガチの料理まではできなくとも、旅先で温かいコーヒーや軽い朝食を楽しむには十分すぎる設備が整っている。日常使いでも、買い物帰りの冷蔵品の一時保管など、意外と活躍の場面は多い。普段と非日常、その両方に寄り添う装備だ。
街乗りもアウトドアも一台で完結。まさに“ちょうどいい”旅グルマ
エンジンは1.5リッターのガソリンユニットを搭載し、駆動方式は2WDと4WDの両方を用意。4ATという設定も相まって、誰にでも扱いやすく、安心して旅に出られる足まわりだ。コンパクトな車体でありながら、しっかりと装備が整っていて、日常の延長線上に“旅”がある、そんな世界観を具現化している。大型のバンコンやキャブコンに比べて、維持費も抑えられるうえ、普段の駐車スペースにも困らない。キャンピングカーに興味はあるけど、現実的なサイズ感や使い勝手が気になるという人にとって、この「メリル」は非常にバランスの良い選択肢になってくれる。
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