
軽バンの実用性と、快適な車中泊機能が融合した1台が登場した。ベースはダイハツのアトレー。ATV群馬が手掛けたこの「RS1XX」は、維持費を抑えつつ、ベッドキットやナビ、充実のオプションによって、まさに“使える”旅グルマへと仕上がっている。リースではなく自分の所有車としてカスタムできるのも魅力で、理想のモバイルライフを実現する軽キャンの注目株だ。
●文:月刊自家用車編集部
軽バン×キャンピングカーという選択肢
街乗りのしやすさや維持費の安さから、軽バンは根強い人気を誇るが、そこにキャンピングカー的な機能を加えたのが「RS1XX」だ。ベースとなっているのはダイハツのアトレー。全車ターボ・CVTという現代的な仕様で、走行性能も申し分ない。
RS1XXは、車両本体にベッドマットとカロッツェリア製の楽ナビ、さらに諸費用をすべて込みにしたパッケージで提供される。だからこそ、納車後すぐに車中泊旅に出ることができるのだ。1万円リースのような制限もなく、車体そのものが自分の所有物となる安心感も大きい。
ベッドマットのクオリティに妥協なし
軽キャンパーにおいて重要なのは、やはりベッドの寝心地。RS1XXに搭載されるベッドマットは、ATV群馬が上位モデルであるハイエースベースの「RSプレミアム」と同等の高品質仕様。適度な硬さと質感の良さ、縫製の丁寧さが際立ち、寝返りを打っても安定感がある。
色や素材を自分好みにオーダーすることも可能で、見た目にも満足度が高い仕上がりになる。ベッド下は収納スペースとしても活用でき、クッションマットも立てて格納できるなど、使い勝手の良さが徹底されている。
ポータブルバッテリーで電源問題も解決
キャンピングカーに欠かせないのが電源設備だが、RS1XXではポータブルバッテリーによるシステムが用意されている。エンジン停止中でも電化製品が使えるようになり、快適性が飛躍的にアップする。
調光式のLEDダウンライトを組み合わせれば、就寝時も眩しすぎず、空間全体の居心地も向上。外部100Vコンセントやシガーソケットも用意されており、スマホ充電や調理家電の使用にも困らない。配線はフロント/リアどちらにも接続できるので、用途に合わせた使い方が可能だ。
収納も映像も、欲張りに楽しめる空間演出
限られた空間をどう有効活用するか。その点でもRS1XXは手を抜かない。天井棚やルーフボックスの設置で収納力を大幅にアップ。特にルーフボックスは、車内スペースを犠牲にせず荷物を持ち運べるため、長旅には欠かせないアイテムだ。
映像や音楽を楽しみたい人には、15.6インチのフリップダウンモニターやリアサテライトスピーカーも用意。サイバーナビと組み合わせることで、Wi-Fi環境下なら動画配信サービスも車内で楽しめる。自宅のリビングのような快適さを、軽バンで再現できるのは驚きだ。
自分仕様に仕上げられる柔軟な設計
RS1XXの魅力は、完成度の高さだけでなく、拡張性にもある。オプションは多岐にわたり、調光式ライトからトノボード、電源スイッチBOX、各種断熱材まで幅広く対応。脱着式のパーツも多く、必要に応じて載せ替えができる。
また、助手席背もたれテーブルや収納型の踏み台といった“痒いところに手が届く”アイテムも見逃せない。日常的に使う上での不便を感じさせない設計は、実用性重視のユーザーにも響くだろう。
軽バンキャンパーの理想形がここにある
RS1XXは「とりあえず車中泊がしたい」人にも、「じっくり旅を楽しみたい」人にもフィットする万能選手だ。軽自動車ならではの取り回しの良さや維持の手軽さを持ちながら、快適性や拡張性も妥協しない。
選べるベースグレードに加え、オプションで自分だけの1台に仕上げていく楽しさもある。RS1XXは、まさに今の時代に求められる軽バンキャンパーの完成形と言えるだろう。
写真ギャラリー
車内はフラットシートがメインとなったレイアウト。
バックドア側から見た車内。スッキリとしていてフラットスペースの広さがよくわかる。
フラットシートは広々としており、大人が横になっても余裕がある広さ。
車外に設置できるテーブルはアウトドアの際には非常に便利。
ルーフキャリアも備えており、こちらにも荷物を積載することが可能。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
軽トラックをキャンピングカーに仕立てるという逆転の発想 「軽トラで旅をする」。そう聞けば多くの人が、狭くて過酷なイメージを思い浮かべるだろう。しかし、その常識を覆したのがこの一台。ベースとなるのはトヨ[…]
キャンピングカー選びのジレンマを、解決すべく開発された 国内キャンピングカー市場は、レジャー需要の深化のみならず、災害時のシェルターやテレワーク拠点としての活用といった多用途性への関心の高まりを背景に[…]
ミニバンベースの8ナンバーキャンパー 「ラクネル・レイ」を理解する上で、まず着目すべきはその基本設計。ベース車両にはマツダ ボンゴバン、あるいはトヨタ タウンエースが採用され、全長4065mm、全幅1[…]
ミドルセダンへの逆境で国内販売は失速したが欧州での評価は不変 初代プリメーラが登場した’90年ごろの日本車は、それ以前の、エンジンパワーや操舵応答性といった数値性能追求型の開発から、味やフィールといっ[…]
大人の秘密基地が公道を走る?「N-VAN COMPO」が軽キャンの常識を変える 子どもの頃に憧れた秘密基地。その夢を大人になっても持ち続けている人にとって、「N-VAN COMPO」は心くすぐる存在か[…]
最新の投稿記事(全体)
軽バン×キャンピングカーという選択肢 街乗りのしやすさや維持費の安さから、軽バンは根強い人気を誇るが、そこにキャンピングカー的な機能を加えたのが「RS1XX」だ。ベースとなっているのはダイハツのアトレ[…]
こだわりの内装、そして充実装備を搭載した快適空間 岡山に本社を置く、軽キャンパー専門のショップ、クレストビークル。同社は、クオリティの高い内装と、実際に使ってみて実感できる利便性の高い充実装備で、ユー[…]
カーナビをスマートフォンにインストール?「COCCHi(コッチ)」ってナンダ? パイオニアがリリースしている「COCCHi(コッチ)」(以下コッチ)は、スマートフォンで使用できるカーナビアプリだ。 「[…]
軽トラックをキャンピングカーに仕立てるという逆転の発想 「軽トラで旅をする」。そう聞けば多くの人が、狭くて過酷なイメージを思い浮かべるだろう。しかし、その常識を覆したのがこの一台。ベースとなるのはトヨ[…]
定番のテールゲートスポイラーには、立体的な造形をプラス ホンダアクセスは、「UNLIMITED GLIDE PLUS SPORTS ESSENCE(アンリミテッド グライド プラス スポーツエッセンス[…]
- 1
- 2