
普段使いのミニバンが、ひと晩過ごせる「旅の空間」へと変わる。ロッキー2が手掛ける「フリード+ MV」は、ホンダ・フリードをベースにしたコンパクトキャンパーだ。コンパクトながら広々としたベッド、対面でくつろげるダイネット、電装設備まで備え、日常とアウトドアを自在に行き来することができる。小さなボディの中に、旅の自由と安らぎを凝縮した一台だ。
●文:月刊自家用車編集部
家族のミニバンが、心地よい旅グルマへ
「フリード+ MV」は、ホンダのコンパクトミニバン「フリード+」をベースにしたキャンピング仕様。もともと使い勝手の良い車内空間をベースに、旅にも日常にもフィットするよう架装が施されている。見た目は普段のファミリーカーそのままだが、内装にはリビングのようなくつろぎを生むダイネットと、フルフラットベッドが隠されている。
街乗りも高速移動もストレスなくこなし、駐車場にも困らないサイズ感。大きなキャンピングカーに手を出すにはハードルが高い、そんな人にこそぴったりの一台だ。
対面でくつろぐ、ミニリビングのようなダイネット
「フリード+ MV」の車内でまず印象的なのが、対面対座のダイネットスペース。セカンドシートとサードシートを向かい合わせに配置し、中央にテーブルを設置することで、リビングのような空間が生まれる。旅先で食事を楽しんだり、夜に語り合ったりと、日常の延長線上にある穏やかな時間が流れる。
テーブルは取り外し式で、リアゲート側に移設すれば外でも使用可能。海辺や森の中でも“外カフェ”気分を味わえる。限られたスペースをシーンに応じて柔軟に使い分けられる点が、この車の魅力だ。
大人2人がしっかり眠れるフルフラットベッド
ベッドモードに切り替えると、全長1800mm、全幅1270mmの広々としたベッドが現れる。コンパクトミニバンの枠を超えるゆとりで、大人2人がゆったりと横になれるサイズだ。ベッドフレームはストッパーでしっかり固定され、安定感のある就寝環境を確保している。
また、セカンドシートが2人掛けと1人掛けのセパレートタイプになっており、片側だけをシングルベッドとして展開することも可能。もう片側はそのまま乗車状態にしておけるため、長距離の旅でも快適に過ごせるレイアウトだ。
優しい木目が映える、シンプルで上質な内装
車内の随所に使われた木目調の素材が、あたたかく上品な雰囲気を演出している。サイドシェルフテーブルはスライド式で、使わないときはすっきりと収まり、上部のラックには小物を置くこともできる。シンプルながらも心地よさにこだわったデザインで、自然の中でも自宅のようにくつろげる空間だ。
照明にはやわらかなスポットライトを採用し、タッチセンサーで明るさを調整できる仕様も用意されている。夜の車中をやさしく照らす灯りが、旅のひとときをより穏やかに彩る。
充実の電装システムで快適な滞在をサポート
小型ながら、電装システムも本格的だ。サブバッテリー、インバーター、AC100Vコンセント、USBポートなどを装備し、スマートフォンの充電やPC作業、照明の使用にも対応。電装は一括で管理できるパネルに集約され、直感的に操作できる。
床下には電装品やFFヒーターをコンパクトに収納。ベッド下には十分な荷物スペースを確保しており、キャンプ用品や旅行バッグもすっきりと収まる。限られた空間を効率的に使う工夫が随所に光る。
コンパクトボディだからこそ広がる自由
全長4.3m前後というサイズのフリード+は、街中でも扱いやすく、狭い道でも安心して走れる。家族の送迎、買い物、アウトドア、車中泊――どんなシーンにも柔軟に対応する。旅先での取り回しの良さはもちろん、普段の生活にも自然に溶け込む。
さらにホンダ独自の安全装備を備えており、長距離ドライブでも安心感が高い。快適さと安全性を両立した一台として、初めてキャンピングカーを検討する人にもおすすめできるモデルだ。
自分仕様に仕立てる“旅の道具”
「フリード+ MV」は、ユーザーのライフスタイルに合わせてアレンジできる懐の深さも魅力だ。FFヒーターやソーラーパネル、断熱加工など、旅をさらに快適にするオプションも豊富に揃う。自分だけの“旅の基地”として仕立てていく過程もまた、キャンピングカーの楽しみのひとつだ。
日常の延長線上に、ほんの少しの非日常を。そんな想いを形にしたのが、このフリード+ MVである。小さなボディに詰め込まれた自由の可能性が、これからの旅のスタイルを変えていく。
なお、現在この「フリード+MV」は旧モデルのフリードをベースとしているため、すでに車両を所有している場合は持ち込みでの架装に対応している。愛車をそのまま理想の旅グルマへと仕立てたい人にとって、これは絶好のチャンスだ。
写真ギャラリー
ベースとなる車両はホンダのフリード。
ベースとなる車両はホンダのフリード。
ベースとなる車両はホンダのフリード。
車内はボックスシートとなっている。
背もたれとテーブルを動かしてフルフラットにすることも可能だ。
シート下は収納スペースとなっており、長い荷物も積載可能だ。
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