
角ばったボディにスクエアなライト、大型グリルが印象的な「Filbert」は、トヨタ・タウンエースをベースにしたアメリカンクラシックスタイルのバン。無骨でどこか懐かしいデザインが、現代の車では味わえない“所有する喜び”を呼び起こす。実用性と遊び心を兼ね備えたこの1台は、街でもアウトドアでも存在感を放ち、バンライフの原点を思い出させてくれる。
●文:月刊自家用車編集部
無骨な角ばったフォルムが生み出す存在感
「Filbert」の印象を一言で表すなら“無骨で愛らしい”。アメリカンレトロをモチーフにしたその外観は、丸みの多い現代の車とは一線を画している。大きく張り出したグリル、四角いヘッドライト、直線的なボディライン。それらが組み合わさることで、無駄のない力強さと懐かしい温もりを同時に感じさせる。
タウンエースという信頼のベースを活かしつつ、クラシックなスタイルを現代の感覚で再構築。いわば“今どきの旧車”のような佇まいが、見た瞬間に心を奪う。華美ではないが、どこか人懐っこいデザインだ。
アメリカンレトロに宿る実用性と遊び心
このFilbertが特別なのは、見た目のかっこよさだけではない。ルーフラックやオーニングといったアウトドア志向のオプションが充実しており、デザインと実用性を両立している点にある。クラシックな雰囲気の中にも、確かな“今”が息づいている。
外観には後方視認性の高いLEDテールランプを採用し、安全性にも抜かりがない。グリル下部にはエアフローを考慮したダクトを設け、走行性能も犠牲にしていない。つまり、見た目重視ではなく、走りも機能も含めた“完成された美学”が詰め込まれているのだ。
細部までこだわった造形と質感
フロントフェイスに鎮座するSantaRosaエンブレムは、クラシカルな金属の輝きで存在を主張する。この小さなパーツひとつが、全体の印象をぐっと引き締める。さらにGLグレードではリアバンパーもマットブラックで仕上げられ、統一感あるスタイルを実現。
ボンネットガードやフェイスチェンジキットなど、標準装備のひとつひとつがデザインと機能を両立しており、単なる“ドレスアップカー”では終わらない完成度を誇る。クラシックを再現するための努力が、ディテールから伝わってくる。
タウンエースが持つベースとしての信頼性
Filbertのベース車となるトヨタ・タウンエースは、実用バンとしての信頼性が高い。小回りが利き、街乗りでもストレスがないうえに、荷物の積載性にも優れている。安全装備としてスマートアシストを搭載しており、クラシックな外観に反して中身はしっかりと現代的だ。
この組み合わせこそがFilbert最大の魅力であり、“古くて新しい”という言葉が最もふさわしい。クラシックデザインを纏いながら、最新の安全性と実用性を備えるという矛盾を、見事に成立させている。
都会にも自然にも似合うバランスの良さ
Filbertは、街中で乗っても自然に溶け込むバランスを持っている。直線的で端正なデザインは、アーバンシーンでは個性として映え、キャンプ場ではアウトドアギアの一部として馴染む。見る人によって印象を変える“二面性”が、この車の大きな魅力だ。
また、オプションで用意されたルーフキャリアを装着すれば、まるで旅仕様のクラシックバンのようなシルエットに変化する。まさに自分らしいバンライフを演出するための“キャンバス”として、Filbertは存在している。
自分らしいバンライフを描くためのベース
Filbertは完成されたデザインを持ちながらも、ユーザーの手でさらに磨き上げる余白を残している。ルーフラックやキャリア、オーニングといった装備を追加することで、旅のスタイルに合わせたカスタムが可能だ。
インテリアオプションも豊富に用意され、木目調のパネルや収納ユニットを加えれば、よりクラシックな空気感を楽しむこともできる。アウトドアだけでなく、日常の移動すら特別な時間に変えてしまう――そんな魔力を持つクルマだ。
所有すること自体が“スタイル”になる一台
Filbertを選ぶ理由は、機能やスペックを超えた“感性”にある。無骨さの中にある美しさ、懐かしさの中にある新しさ。どこかで見たようで、どこにもない。その独特な存在感が、オーナーの価値観を映し出す。
街角に停めても、キャンプサイトに並べても、Filbertはまるで映画のワンシーンのように映える。所有することが自己表現となり、走らせることが体験になる――それこそがこのクルマの真の魅力だ。
※掲載写真は2023年6月時点のもので、現在販売されているモデルとは内容が一部異なることがあります。
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