トヨタ カローラクロス
●価格帯:199万9000〜319万9000円
9月14日に発売開始した新型カローラクロス。事前予約の段階で1万3500台の初期受注を集めるなど、予想を超えるスタートを切ったようだ。これからの秋冬商戦でも大きな注目を集めるであろう人気SUVのベストな選び方をお教えしよう。
●文/まとめ:自家用車編集部(ハラ)
ガソリン車の安さに惑わされるなかれ
●ガソリン車
- G “X”199万9000円
- G 224万円
- S 240万円
- Z 264万円
●ハイブリッド車
- HYBRID G 259万円(FF) 279万9000円(4WD)
- HYBRID S 275万円(FF) 295万9000円(4WD)
- HYBRID Z 299万円(FF)319万9000円(4WD)
カローラクロスのラインナップを眺めると、ガソリン車のベーシックグレード「G “X”」の価格(199万9000円)が200万円を切ることに驚くユーザーもいるはずだ。同じGA-Cプラットフォームを採用しているC-HRのガソリン車のベーシックグレード「S-T」の価格(238万2000円)と比べると40万円近い価格差がある。一つ下のヤリスクロスやライズよりも高めの設定とはいえ、Cセグ級のコンパクトSUVの中では圧倒的な安さを感じることができる。
ただ、この「G “X”」がカローラクロスのベストバイかといえば、必ずしもそうとは言えない。カローラクロスを選ぶ上で見逃すことができない2つの大きなポイントを見極める必要がある。
コスパ重視ならばハイブリッド車が一歩リード
まず1つ目は、ハイブリッド車とガソリン車の性能差が相応にあることだ。
「G “X”」が選べるのはガソリン車。搭載している1.8リッター直4エンジンは、長らくトヨタのCセグモデルに採用され続けている信頼性の高いパワーユニットだが、その最高出力/最大トルクは140PS/17.3kg・mに留まる。どちらかというと回してパワーを稼ぐタイプのエンジンであるため、高速道路での追い越しや登り坂でパワー不足を感じるシーンも目立つ。市街路や郊外路をゆったりと走らせる分には特に不満も感じないのだが、次世代のダイナミックフォースエンジンと比べると物足りなさは否めない。
さらにハイブリッド車と比べてしまうと、モーターによるアシストが加わるハイブリッド車の方が明らかにパワフル。ハイブリッド車も1.8リッターエンジンをベースにしているが、熟成が進んだTHS Ⅱの巧みな協調制御のおかげもあって、ガソリン車よりも1ランク上以上の力強さを体感できる。燃費に関してもガソリン車が14.4km/ℓ(WLTC総合燃費・FF車)に対して、ハイブリッド車は26.2km/ℓ(WLTC総合燃費・FF車)と大きな差がある。
なお、装備揃えのグレードになるガソリン車のG(224万円)とハイブリッド車のHYBRID G(259万円)を比べてみると、その価格差は35万円。感じ方は異なるだろうが、動力性能と燃費の絶対的な差を考えると、価格は高くなったとしてもハイブリッド車の方にコスパの良さを感じてしまう。
本質は実用SUV。一通りの装備が揃う「G」系がベストチョイス
そしてもう一つ、他モデルに比べるとグレード間の実用装備に差をあまり感じないことも見逃せない。
ガソリン車は4グレード(G “X”、G、S、Z)、ハイブリッド車は3グレード(G、S、Z)がラインナップしているが、最もベーシックなガソリン車の「G “X”」でも、運転支援機能のLTAを含むフル機能版のトヨタセーフティセンスと7インチのディスプレイオーディオが標準になるなど、運転を手厚くサポートする実用機能は備わっている。
「G “X”」はスマートエントリー&スタートシステムやバックガイドモニターなどが省かれているため、少し削りすぎの感も感じるが、世界に冠たる「カローラ」の優れた実用性を求めるならば、一通りの装備が揃っている「G」系が最もカローラクロスのキャラにしっくりとくる。
ちなみに最上級グレードになる「Z」系は、内外装の加飾が豪華になりハーフレザーシートやパワーシート、ハンズフリーオートバックドアなどが標準装着されることで1クラス上に仕立てられているが、上の車格のRAV4やハリアーのガソリン車と価格が近くなるのがウイークポイント。カローラクロスの売りであるコスパの良さが、どうしても薄れてしまうように思えてしまうのだ。
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