日本向けとしては1995年にグランドワゴンとして導入されたのがルーツになる「アウトバック」。その第6世代が2021年10月に国内発表された。販売面も絶好調のようで、いま契約しても納車まで半年以上かかるなど、SUBARUが予想した以上の人気を集めているようだ。予算400万円を超える最上級モデルにもかかわらず、これほどの人気を集める理由に迫ってみたい。
●文:川島茂夫 ●まとめ:月刊自家用車編集部 ●写真:長谷川徹
アイサイトは最新仕様にアップデート
SUVの本質を考えて、どのようなスタイルが「らしい」か問われれば、鎧や防具を纏ったような安心感と答えている。
新型となったアウトバックの佇まいを眺めてみると、いかにもSUVらしい外観といえるだろう。堂々たるサイズの威圧感を抑えながらも乗る者を護りきるために万全を期す。国内では少し大きくも感じるが、そんな心構えを感じさせるスタイルだ。
もちろん、見た目だけのモデルではない。スバルの最上級を名乗るにふさわしい実力を持つことも新型の大きな特徴だ。その実力ぶりを最も分かりやすく感じさせてくれるのは、いまやスバルの代名詞にもなっているアイサイトだ。
アウトバックに搭載されているのは、部分的な自動運転化を実現したアイサイトX。もちろん、安全機能に関しても、双方の被害軽減や多重事故の低減を図る総合的な安全設計が採用されている。欧州の衝突安全評価「ユーロNCAP」では、2021年評価した全クラスの中でアウトバックが最高得点を獲得するなど、自車だけでなく、相手や周囲に気遣いしていることも見どころの一つだ。
▶︎360度センシングを実現した新世代アイサイトを全車に標準装備している。高精度マップを活用した高度運転支援システムのアイサイトX。
最新1.8ℓターボの搭載で、動力性能も強化
さらにSUVの悪路走破性能も見逃せない。 最低地上高は213㎜。SUVの中でも最大級の余裕を持ち、電子制御4WDには深雪/泥濘モードまで備える支援機能「Xモード」が採用されている。試乗では踏破能力を試すことはできなかったが、スバルXVやフォレスターが示した踏破力を考えても、同等以上の性能を持つと考えていいだろう。
現行レヴォーグを皮切りに展開されている1.8ℓターボは、従順にしてパワフル。低速走行時のアクセルのコントロール性も良好でありながら、いざアクセルを踏み込めばターボらしい伸びやかさも実感することができる。大きなボディサイズからして運転感覚に不安を覚えるユーザーもいるかもしれないが、重みを効かせた安定性と過不足ない操舵追従性は、最上級モデルにふさわしい格を感じる。重量やサイズを足枷に感じさせない優れた走行性能は、新型アウトバックの大きな武器だ。
▶︎レヴォーグ、フォレスターにも搭載され定評のある1.8ℓボクサー直噴ターボエンジンをアウトバックに最適化して搭載。177PS/30.6㎏・mを発生。
最上級にふさわしい、ゆとりのキャビン空間も強み
高級感や機能感をこれ見よがしとせず、一歩退くことで良質を演出するインテリアも好感できるポイント。近年のスバル車は内装質感の向上も大きな美点だが、パネルやトリムなどの仕上がりは先代とはまさに世代違いの差がある。広さの余裕も含めて好ましく思える。
1日に500マイル走れることを意味する「500miles a day」。佳き時代のグランドツアラー、アルシオーネSVXが唱えた全天候500マイルツアラーは、スバル車にとって根幹のひとつと考えている。この500マイルツアラーにラフ&オフロードまで拡張して成立したモデルが、新型アウトバックのように思えてならない。長く乗れば乗るほど、良さが伝わってくる、そんなクルマに感じられた。
インテリア
2タイプにルーフレールを展開
▶︎ルーフに荷物を搭載する時にとても嬉しいのが、足をかけるスペースがあること。
使い勝手の良い装備
ユーロNCAP、すべてのクラスの中で最も安全なクルマとして最高評価を獲得
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