2008年に前身となるメルセデス・ベンツ初のミッドサイズSUVであるGLKが登場。その後「GLC」として2015年にバトンタッチし、瞬く間にメルセデス・ベンツのベストセラーモデルとなった。その「GLC」の新型がドイツ本国現地時間6月1日にお披露目された。パワートレーンはプラグインハイブリッドと48Vマイルドハイブリッドのガソリンまたはディーゼルの4気筒エンジンのみというハイブリッドオンリーのラインナップになっている。
●文:月刊自家用車編集部
プラグインハイブリッド車は100㎞以上のEV走行が可能
先代モデルと同じく、現行型Cクラスとプラットフォームを含め多くのコンポーネンツを共有している新型「GLC」。最大の特徴が、ハイブリッド化されたパワートレーンだ。
新型GLCは全車4MATIC採用のAWD。トランスミッションは9速オートマチックとなる。
ガソリンエンジンラインナップとして、GLC 200 4MATICには、2L直4ガソリンエンジン(204hp/320Nm)+48Vマイルドハイブリッド(17kW)の組み合わせ。GLC 300 4MATICには、2L直4ガソリンエンジン(258hp/400Nm)+48Vマイルドハイブリッド(17kW)の組み合わせ。GLC 300 e 4MATICには、2L直4ガソリンエンジン(204hp/320Nm)+モーター(100kW/440Nm)のプラグインハイブリッドを搭載(システム出力313hp/システムトルク550Nm)。GLC 400 e 4MATICには、2L直4ガソリンエンジン(252hp/400Nm)+モーター(100kW/440Nm)のプラグインハイブリッドを搭載(システム出力381hp/システムトルク650Nm)。
さらに、ディーゼルエンジンラインナップとして、GLC 220 d 4MATICには2L直4ディーゼルエンジン(197hp/440Nm)+48Vマイルドハイブリッド(17kW)の組み合わせ。GLC 300 de 4MATICには、2L直4ディーゼルエンジン(197hp/440Nm)+モーター(100kW/440Nm)のプラグインハイブリッド(システム出力335hp/システムトルク750Nm)を用意する。
48Vマイルドハイブリッドは第2世代のスタータージェネレーター(ISG)を内蔵。プラグインハイブリッド車はWLTPモードで100㎞以上のEV走行が可能で、日常走行ではほとんどの領域でEV走行が可能という。改良されたハイブリッド走行プログラムを搭載し、適時EVモードを選んで走行する。
プラグインハイブリッド車のモーターが持つ440Nmのピークトルクは、発進時からすぐに力を発揮して俊敏な加速とダイナミックな走行性能を実現。140㎞/hまでは完全なEV走行が可能となっている。ブレーキシステムについても、真空圧独立型の電気機械式ブレーキブースターを採用し、走行状況に応じて油圧ブレーキと回生ブレーキを切り替え、従来の油圧式ブレーキシステムよりも最大100kWの回生を達成している。
プラグインハイブリッド車のバッテリーは、総容量31.2kWhで、バッテリーが完全に放電した場合でも、オプションの60kW DC充電器を使用すれば、約30分でフル充電が可能となっており、11kWの家庭用AC電源に接続可能な充電器も標準装備される(市場によって異なる)。
エクステリアについては、ぱっと見は先代モデルを踏襲しているが、フロントエンドのデザインを一新。ヘッドランプはラジエーターグリルに直接接続され、車幅を強調。また、「AVANTGARDE exterior with Chromeパッケージ」が標準装備されており、ラジエーターグリルを一新。クロームの周囲とマットグレーにクロムトリムのスポーティなルーバーが追加されている。AMGラインには、メルセデス・ベンツ・パターンを施したラジエーターグリルが採用されている。
空力性能もCd値0.29と、先代モデルの0.31に対し、大幅に向上。静粛性にも優れ、ボディシェルの最適化と高度な遮音性能で実現。フロントガラスには、遮音膜が標準装備され、オプションでより遮音効果の高い遮熱ガラスを用意して、より高い快適性を求める要望に応えるという。
新型GLCのボディサイズは、先代よりも全長が60mm長い4716mmとなり、全高が4mm低くなっている。全幅は1890mmと先代と変わらず、トレッドはフロントで6mm拡大の1627mm。リヤで23mm拡大の1640mmとなった。ホイールベースも先代の2875mmから2888mmと13mm拡大された。
サスペンション構造は、フロントに新しい4リンク・サスペンションと、サブフレームに取り付けられたマルチリンク式の独立したリアサスペンションを採用した。オプションとして、AIRMATICエアサスペンションとリアアクスルステアリングを含むエンジニアリングパッケージを用意する。AIRMATICは、圧縮と伸縮の減衰力を調整できる可変機能を備え、プラグインハイブリッド車には、リアアクスルのエアサスペンションとレベルコントロールを標準装備。さらに、地上高を20mm拡大し、フロントにアンダーライドガードとアンダーボディプロテクションを装備したオフロードエンジニアリングパッケージもオプションで追加できる。AMGラインはエクステリアパーツとセットでスポーツサスペンションを装備することができる。
ラゲッジルームの容量はリヤオーバーハングの改善により、620Lと先代モデルより70L大きくなり、大幅に増加。テールゲートは電動開閉機能が装備され、イグニッションキーのボタンや運転席ドアのスイッチ、テールゲートのロック解除ハンドルを使い、ボタンに触れるだけで操作できる。
インテリアは現行型Cクラスと共通のデザインを採用している。ダッシュボードの上部は翼のような形状で、航空機のエンジンナセルを連想させるフラットなラウンドノズルを採用。ダッシュボードはドライバーに対し、6度傾斜しており、スポーティさを演出する。メーターに12.3インチの高解像度液晶画面を、センターコンソールには11.9インチの縦型ディスププレイをセット。シートデザインも一新され、ヘッドレストと背もたれの接合部に密閉式のカバーを採用している。
パーキングシステムも強化され、360°カメラとPARKTRONICによるアクティブパーキングアシストの機能を備えた新しいパーキングパッケージをオプションで用意する。この360°カメラは、前輪とそのステアリング位置を含む、車両前方の仮想ビューを表示。ドライバーは進路上にある大きな石や窪みなどの障害物をいち早く認識できる。
新型GLCはドイツのブレーメン工場に加え、将来的にジンデルフィンゲン工場で生産を予定している。中国でも2022年度中に生産が開始され、ロングホイールベースバージョンが投入される。GLCクーペやよりハイパフォーマンスなAMGシリーズは2023年に発表される模様だ。
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