一般社団法人 日本流行色協会は、優れたモビリティのカラーデザインを顕彰する制度「オートカラーアウォード2022」を開催し、「グランプリ」を決定した。
●文:月刊自家用車編集部
【グランプリ 】ダイハツ工業株式会社「ハイゼットトラック」
【授賞理由】
これまでの働くクルマに対して“快適さ”という言葉は無縁だった。なぜなら日本の「働く」という考え方に、誤解を恐れずに言えば働く現場に“快適さ”を求めてはいけないという不文律があったのではないか、と思う。働くことは苦痛をともなうべきもので、むしろその苦痛の表現こそが美しい…と、もしかしたら日本のモノづくりの根底にこの不文律があるのではないか。だからデザインが変わらない、そういうことが身の回りにたくさんあるのではないか?頻繁に乗り降りする時にシートに摩擦が生じる位置に縫い目があった。その縫い目の位置を変えることは、これまでの慣例を超えることで一朝一夕ではできない。その一歩を踏み出して、「快適に仕事をする」ことへの「解」をみごとに導き出した。エクステリアも顧客の好みを反映し、なおかつ、働く現場のロケーションに馴染むよう調整されている。
【メーカーからのメッセージ】
ダイハツ・ハイゼットは、誕生から60年。田んぼのあぜ道から下町の路地まで、ニッポン隅々を駆け巡る“仕事の相棒”として走り続けてきました。近年では働くクルマの枠を超えて、お買い物などいつもの日常でも、たくさんのお客様にご愛用いただいています。これからも、日本を支えてくださっている方々にとって一番近い存在であるために最も大切にしたのは「お客様の生の声」。これからのハイゼットに求められていることにまっすぐ向き合って辿り着いた〈 “はたらく”を快適にすることを考え抜いたインテリア 〉と〈 商用の枠組みを超えた仕事と暮らしをもっと楽しく彩るボディカラー 〉に込めた想いをお伝えします!
【特別賞】株式会社本田技術研究所「HAWK11」
【授賞理由】
今回、ノミネートされたCMFデザイン全体では、「自然風景をCMF」で表現するという傾向が目立った。コロナ禍で空気を思う存分吸える場所に行きたいという思いがあってか、アウトドアブームともいえる現象が起きた。それはコロナ禍のためだけではなく、デジタル化していく社会と自らの身体が持つ「自然」との矛盾を解消する時間ではなかったのか?バイクは身体と一体となって動くモビリティ、身体感覚をフルに活動させて味わう「心象」をみごとにCMFで表現している。
【メーカーからのメッセージ】
「One Special day」:たまにしか乗れない でもその日を最高の一日にしてくれる存在。日曜の朝早く、まだ星の出ている薄暗い中を早駆けする。ひんやりとした山の空気。そこに至るまで聴いていた心地よいエンジン音。バイクを停めた静寂の時、周りの木々や空が美しくTANKに映り込むHAWK11。そんな情景をイメージし、毎日を一生懸命生きる方に向け、日常から解き放たれ「素の自分」を取り戻した時
傍らに静かに寄り添ってくれる存在はきっと、その人が力強く前に進むためのパワーとなります。そんな存在を目指し、HAWK11のCMFを設計しました。
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