今回の発表前から、さまざまな憶測が語られてきたレクサス新型「GX」のパワートレーン。6月8日のワールドプレミアで、3.5LV6ツインターボエンジンとレクサスボディオンフレーム車初の2.4Lターボハイブリッドの2つタイプと正式発表された。
●文:月刊自家用車編集部
3.5LV6ツインターボエンジンは、トレーラーヒッチ牽引可能重量クラストップレベルの約3600kgを実現
遂にハイブリッドパワートレーン搭載となった新型「GX」だが、まずはフラグシップとなる3.5LV6ツインターボエンジンを確認しておこう。このパワートレーンは、レクサス最上級SUVの「LX」と同じ「V35A-FTS」エンジンにダイレクトシフト10速オートマチックトランスミッションを組み合わせたもの。現時点で最高出力や最大トルクなどスペックは未公表だが、発進時を除くほぼ全域でロックアップクラッチを作動させ、ダイレクトなフィーリングを実現しているという。
従来型の「GX」は、301PSの4.6LV8ガソリンエンジンに6速オートマチックトランスミッションの組み合わせ。今回、排気量がダウンサイジングしながらも、オートマチックを6速ATから10速化し、リズミカルで心地の良い走りと、燃費や発進加速、オフロード性能の向上を同時に果たしているとのこと。
高出力・大トルクエンジンの3.5LV6ツインターボエンジン搭載車は、トレーラーヒッチ牽引可能重量クラストップレベルの約3600kg(北米モデルのプロトタイプ値)を実現しており、牽引しているトレーラーのふらつきをシステムが検知したとき、車両のふらつきの制御を行うトレーラースウェイコントロールを採用した。状況に応じて四輪個別にブレーキをかけることで、車両の姿勢を安定させ、牽引時での安全安心な運転をサポートする。
そして今回、レクサスのボディオンフレーム車初となるハイブリッドパワートレーンの搭載だ。こちらも最高出力や最大トルクなどスペックは未公表。高熱効率な2.4L直列4気筒エンジン「T24A-FTS」と新開発のダイレクトシフト8速オートマチックトランスミッションの間に、モーターと湿式クラッチが一体となったフロントモジュールが組み合わされたハイブリッドシステムだ。
トランスミッションがエンジンの動力伝達を行い、フロントモジュールはハイブリッド機能(エンジン始動、EV走行、回生など)を担う。もとより堅牢なエンジンとオートマチックトランスミッションのシステムを活かしながら、フロントモジュールを加えたハイブリッドシステムとすることで、フレーム車にふさわしい、本格オフローダーの本質でもある「行きたいところに行き、帰ってこられるクルマ」ハイブリッドシステムとうたっている。
おそらく、米国で先に登場した中型ピックアップトラック新型「タコマ」に搭載された「i-FORCE MAX」と同タイプのハイブリッドシステムと考えられるが、今後登場してくるであろう次期「トヨタランドクルーザープラド」への搭載や、その実力も気になるところ。ハンドルを握れる日がいつやって来るか、それまで楽しみに待とう。
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