マイカーの利便性は魅力的ですが、購入費用から諸々の維持費用まで何かとお金がかかるのが現実。そんなときに役立つのが、初期費用/維持費のかからないシェアカーです。駐車場代やガソリン代が高い都市部に住んでいるなら、一考の余地があると言えますが、実際のところ、シェアカーとマイカーではどちらがお得なのでしょうか。
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
あまりクルマを使わない人は、シェアカーの導入を一考する価値あり
シェアカーとマイカーのどちらがお得なのかを考えるなら、まずはそれぞれの特徴やメリット/デメリットを理解することが重要です。
まず、シェアカー(カーシェアリング)は、登録したメンバーがクルマを共有するサービスで、必要なときだけクルマを借りることができます。
このサービスの最大のメリットは、クルマの所有に伴う固定費用がかからないこと。
シェアカーでは、月額のメンバーシップ料や時間/距離に応じた使用料のみを支払うため、クルマの購入費用/保険料/駐車場代/ガソリン代/メンテナンス費用などは一切かかりません。
そのため、都市部に住んでいて日常的にクルマを使わない人にとっては、とくにコスパが良いと言えます。
また、シェアカーは手軽に利用できる点も魅力。
インターネットや専用のアプリから24時間いつでも簡単に予約でき、利用したいタイミングですぐにクルマを用意できます。
全国展開しているカーシェアリングサービスなら、出先/旅行先でクルマが必要になったときだけ利用することも可能です。
使いたい時に近くにクルマが見つからない…、そんなケースもけっこうあります
しかし、シェアカーにはいくつかのデメリットも存在します。
まず、カーシェアリングはクルマをシェアするサービスのため、予約が埋まっていると利用したい時間に希望の車種がない可能性があります。
また、ピークタイムや週末/祝日は予約が集中しやすく、計画通りにクルマを借りること自体が困難なので、手軽に利用できる反面、こうした自由の利かなさはデメリットと言えるでしょう。
使いたい時にすぐ使うことができる。マイカーはやっぱり便利
一方、マイカーを所有するメリットとして、利便性/自由度が高いことが挙げられます。
自分のクルマがあれば、出発の時間を自由に調整でき、急な外出が必要な場合でもすぐに対応できるため、日常生活のストレスが少なくなります。
また、長距離の旅行やレジャーにも気軽に出かけられるので、家族や友人との時間をより楽しむことができるでしょう。
しかし、マイカーの所有には大きなコストが伴います。
たとえば初期費用として車両の購入費が必要であり、これに加えて保険料/車検費用/ガソリン代/定期的なメンテナンス費用など、継続的な出費が発生します。
さらに、日本では自動車税や重量税といった税金も年間を通じて支払う必要があるため、マイカー所有に伴うコストが家計の大きな負担となるケースも少なくありません。
月に10回以上はクルマを使うならば、手間の問題も考えるとマイカー所有が有利
結論から言うと、シェアカーとマイカーのどちらがコスパがよいかは、個人のクルマの利用頻度やライフスタイルによって異なります。
クルマ所有に伴う固定費用のかからないシェアカーと、自動車購入費からランニングコストまでかかるマイカーを比較すると、カーシェアのほうが圧倒的に安く感じるかもしれません。
しかし、それはシェアカーの利用頻度が低い場合に限った話です。
シェアカーの利用頻度が低い場合は、マイカーの維持費に比べて明らかに低コストで済みますが、週に数回以上クルマを利用する人や、1回の利用で長時間/長距離を走行するケースでは、料金が急速に加算され、コストが高くなります。所有するクルマのグレードや保管方法(月極駐車場かどうか?)によって変わってきますが、月に10回程度は必ずクルマを使うというならば、定期的な維持費や燃料費がかかって多少費用が高くなったとしても、マイカーを所有した方がメリットは大きいと思われます。
日々の通勤や家族での長距離旅行など、頻繁にクルマを使用するライフスタイルの人には、マイカーの方が経済的と言えるでしょう。
シェアカーがおトクになるのは、週あたり10時間の利用が目安
なお、具体的な金額差については、自動車購入費用/地域ごとのガソリン代/駐車場代などの差が大きいため一概には言えませんが、週10時間程度の利用であればシェアカーのほうがコスパがよいと言われています。
週10時間を超えると、総合的な費用はマイカーとほとんど変わりなく、週15時間以上ともなればマイカーを大きく上回る可能性が高いそうです。
カーシェアリングサービスはネットで料金のシミュレーションができるので、利用前に検討してみるとよいでしょう。
このように、シェアカーとマイカーのどちらがコスパがよいかは、利用する人のライフスタイルや住環境に大きく依存します。
クルマをあまり使わない、または短時間の利用に留まる場合はシェアカーが、頻繁に長時間利用する場合はマイカーが経済的にお得と言えるでしょう。
自分の生活パターンを見直し、クルマの使用頻度を考慮したうえで、もっともコストパフォーマンスのよい選択をすることが大切です。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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