2024年6月にマイナーチェンジされたノート オーラのNISMO仕様が登場。リヤモーターの出力とトルクがアップした4WDを新たに設定するなど、NISMOのこだわりが感じられるモデルとなっている。そんなノートオーラ NISMO 4WDをさっそく試乗してきた。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
オーラを走りに振ったノートオーラNISMO
ノートに続いて上級発展仕様として開発されたオーラもマイナーチェンジが施され、新型ベースに日産モータースポーツ&カスタマイズ会社から2タイプのコンプリートカーが誕生した。一車はオーテック、もう一車が試乗したニスモ(NISMO)である。オーラの持つ内外装のプレミアム性のアップグレードを図ったオーテックに対してオーラの走行性能面の特徴をさらに進化させたモデルがニスモであり、志向と嗜好を違えた上位発展モデルとして展開される。
レースの知見を取り入れて磨きがかかった走行性能
エアロ感やフォーミュラEがモチーフのデザイン、赤いシートベルトなど一目でそれと分かる内外装はオーラニスモの魅力のひとつとなっているが、同車の一番の特徴は専用にチューンされたパワーユニットやサスである。とくに、試乗車となった4WDモデルはベース車に対して後輪駆動用モーターの最高出力を20%増の60kW、最大トルクを50%増の150Nmとし、動力性能の向上を図っている。
最もスポーティな特性となるニスモモードを選択しても速さを誇張するための殊更な演出はなく、あくまでもドライバーのコントロールに従順なのは、他のニッサン電動車系と共通だ。ただし、急激なアクセルオンにも正確に対応。一気に大きな加速力が立ち上がり、蹴り出されるようにダッシュ。刺激的な加速は電動4WDの高性能車ならではだ。
スポーツドライビングにおいてはツインモーター電動4WDの特徴を限界域での走行特性に最適化しているのが印象的だ。サスチューンは限界性能追求型ではなく、ピッチ等の挙動の抑えを保ちながら乗り心地とのバランスを取ったもの。適度に重みを感じさせるストローク感は上級クラスを思わせる。
操安性の決め手は前後輪の駆動力配分だ。基本操縦特性はセオリーの弱アンダーステア。ターンインから定常円までは一般的な4WD車やFF車に近い操縦感覚だが、大きな横Gを残したまま加速すると舵角の若干減少や挙動から後輪の駆動力が大きくなるのが分かる。FRベースの4WDスポーツを彷彿させる特性であり、全輪のグリップ力を駆動力と旋回力に無駄なく引き出せる。
熟成されたNISMOのノウハウで魅力的な1台に
エクストレイルのe-4ORCEなどで得たニッサンの電動4WD技術が導入されたコンパクトスポーツがオーラニスモ4WDであり、マニアックなスポーツドライビングにも、四季を通したツーリング用途にも対応。ノート系の走りの象徴かつ、最上位にふさわしいモデルに仕上がっていた。
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